「
割れた月 やがて戻るや 丸い皿 さらっぴんから また割れ始め」、「満月を 国旗に使う 国ありや 三日月好きな イスラムは問い」、「太陽が なければ月も 輝かず ただのあばたの 鈍い塊」、「今月も 満月の夜を 迎えられ 余は満足じゃ 豚饅も食べ」
今夜の満月はコールド・ムーンと呼ぶらしい。夜8時頃までは雲が出ていたが、「風風の湯」から帰る9時半頃には雲はすっかり消えて頭上にくっきりと浮かんでいた。少し右手に光る月は金星か、今夜はそれを含めて写真を撮った。どうでもいいことかもしれないが、今夜家内は85M奥さんから昔話を聞いた。85Mさん夫婦は大阪市内の鶴橋や阿波座界隈に長く住んでいたと以前聞いたが、今夜家内が聞かされたのは吹田に住んでいた頃のことだ。夫婦は犬好きで、嵐山に来てからは同じ自治会内の帯問屋の大の犬好きの夫婦と親しくなり、筆者は渡月橋近くで彼ら2組の夫婦が犬をそばに置いて談笑している姿をよく見かけた。親しくなったため、帯問屋の夫婦は85Mさん宅にある日メロンを持参した。85M奥さんは戸惑い、京都人にどう接していいかわからず、「風風の湯」で筆者の家内に相談した。85M奥さんはそれ相応のものはお返ししたと思うが、帯問屋の主人は間もなく亡くなり、その奥さんも2年ほど後に世を去った。筆者はご主人が亡くなってからも元気であったその奥さんと話したことがあって、意外な気がしたが、80代ではいつ死んでも不思議ではない。85Mさん夫婦は犬好きだが、現在のマンションでは飼っていない。それはさておき、85M奥さんが吹田市在住時、飼い犬の散歩でダルメシアンを連れた青年と顔を合わすようになった。犬好き同士で親しくなったところ、青年は「慶応義塾を出て今はユニクロに勤務しています」と自己紹介した。その言葉を筆者が聞くと男を信用しないか、軽い馬鹿だと思う。一方、同じく犬好きの若い女性がいて、彼女はダルメシアンに触発されたのか、また85M奥さんが勧めたのか、同じような高級な犬を飼い始め、青年に接近した。ある日、85M奥さんは青年にユニクロの社長の経歴について話すと、青年は何も知らなかった。おかしいなと思っていると、青年が嘘をついていたことが若い女性の話からわかった。嘘がばれて青年は転居したが、別の土地で見知らぬ若い女性をものにするために同じような嘘をついているだろう。それは一生治らない。まともな大人であればそういう男は簡単に見抜けるものだが、若い女性はたいてい簡単に騙される。家内の姪も大学時代に交際した男が阪大の医大生と言っていたのに、高卒の肉体労働者であることがわかった。学籍詐称で女をものにするのは今も同じだろう。女は男の価値を嘘かもしれない肩書で判断する。また男は嘘をつくほどに妙な度胸が具わって行く。馬鹿な女がいつの時代にもいて、馬鹿男を恰好いいと思う。それはお似合いの関係で、何の問題もない。