「
守るべき 規則作れば 隙を見て 必ず生える これはええやろ」、「年一度 会うか会わぬか 地元民 言葉交わせば 意識は揺れる」、「懇親の 強さ示すや ちゃんづけで 呼び交う仲に 入り人白け」、「同類は 集まりやすし よしわるし 付き合い下手も それなり集い」先月26日の夜に学区民体育祭の打ち上げ会が、去年11月の「その5」に書いたのと同じ料理店で開かれた。ただし、襖を外した大きな部屋で、すき焼き鍋の数は20はあった。一段高い場所はないが、マイクが置かれた上座は各種団体の長がだいたい占め、出入り口に近い下座にはほとんど初めて顔を見る4,50代の男女が固まった。彼らはみな体育振興委員だ。
先月13日の体育祭の3週間ほど前に打ち上げ会の参加の可否を問う文書が体育振興委員の古株である人から届けられた。
「その5」でも触れたように、平安講社は毎年5000円のお祝い金を包むと聞いていたが、前任の代表はそれをあまりいいとは思っていないようで、筆者の考えに任せると言った。参加費を明確に書いてくれればいいものを、今回も50周年記念事業の打ち上げ会と同様、参加無料とあった。それで金一封は持参しなかった。しかし筆者を平安講社代表に推挙した高齢女性は1万円を体育祭の当日に持参したらしく、先日「来年は包んだほうがいいよ」と言われた。それは強制の意味だ。今回全員無料の大盤振る舞いは費用をどう捻出したのかだが、体育祭に際して自治会加入世帯から一律300円を徴収して充てている。その臨時徴収を今年知った。どの自治会も100万円近い貯金があり、自治会長はそこから自治会加入世帯数に応じてお金を引き出し、それを体育振興委員長に持参する。「風風の湯」の常連のMさんが去年に引き続いて会長をしている自治会が世帯数最大で、300世帯ある。それでMさんは9万円を持って行った。わが自治会は100世帯で3万円だが、毎年のことであるから自治会費は目減りして行く。自治会費を値上げすれば済むが、そうすれば脱会家庭が続出する。それはともかく、コロナ頃から300円徴収が始まり、参加費無料で体育祭の打ち上げの飲み会を開催しているが、今回10数年ぶりに参加して思ったことは、体育祭当日と同じく、ビンゴゲームがあってビール券や米10キロなどの景品が当たることだ。しかも今回は100人全員がもらえた。よほど体育振興会は資金があると見えるが、現実はそれがないので1世帯当たり300円を徴収し始めた。今回体育振興委員長があいさつの言葉の中で強調したのは健康維持と懇親で、特に後者に力を込めた。懇親すなわち酒の場、そして何らかの景品を与えるゲームを宴の後半で行なう。それがいいのかどうかだが、誰しも現金なもので、何かもらえるとなると群がりやすい。しかしその資金はどう捻出するか。懇親は一部の人に留まる。それは仕方なきところがある。
ビンゴゲームはわが自治会でも
地蔵盆で昔から行ない、当夜法輪寺の境内にやって来た人全員が参加出来る。ゲームは3回実施され、「外れ」すなわち参加賞としてティッシュ一箱がもらえる。子どもを含めて家族5人の場合、最低でもティッシュ15箱はもらえる。高齢でやって来れない人には何もないが、そうした人は昔は同じようにゲームに参加したので、来る来ないは自治会加入世帯の勝手ということだ。また来ない世帯がはるかに多く、ビンゴゲームの景品はその分豪華に出来る。高齢のひとり暮らしであれば若い世代が中心になる地蔵盆やその中で行なわれるビンゴゲームに参加せず、またそうした人が自治会加入の利点、恩恵がないと思い始めると、自治会を脱退することになり、少子高齢化では自治会加入率が低下して行くのは仕方のないことだ。そこを懇親を旗印に体育振興委員長は張り切るが、毎年同じ料理店でひとつのすき焼き鍋を5,6人で突っつくことを好まない人はいるし、今回欠席したMさんのように、顔も名前も知らない人が多い宴席を敬遠する気持ちはわかる。筆者も本当は参加したくなかったが、時代祭で撮った写真を見せたい人が5,6人はいた。またこういう多くの集まりでなければそうした人と話をする機会はなく、ちょうどよかった。ただしわが自治会の40代前半の自治会長を口説いてのことで、彼女と隣り合わせに座ることを目論んだ。ところがわが自治会は最初に出来た自治会であり、序列では常に筆頭であって、上座のさらにその筆頭の鍋席に彼女は座ることが決められていた。またその隣りの鍋の席に筆者が座ることになっていた。彼女の鍋席には校長先生や体育振興委員長がいた。彼女によればそれは去年と同じで、緊張して何も話すことがなかったので、今年は参加しないと言っていたのだが、酒が入ると席は乱れて来る。適当に立って話をしたい人に近づけばよく、筆者は時代祭の写真を持ってそうした。今回筆者の反対側の隣り、すなわち3列目の右端の鍋に初めて話す高齢者Hがいた。90代と聞いたがそうは見えず、驚いた。そのことを率直に言うとえらく喜ばれた。Hは老人会の長らしい。幼少の頃に嵐山に転居し、ほとんど地元住民であってよそ者意識はない。それで老人会も幼馴染みとゲートボールなどをして楽しいと聞いた。嵯峨のFさんは去年から右京区老人連合会の副会長をしていて、京都市全域の老人会の行事に積極に関わっている話を「風風の湯」のサウナ室で毎回のように聞くので、やんわりと「なぜわが学区は西京区の老人連合会から脱退したのですか」と訊くと、「会計報告が大変で、それに京都市の財政が乏しいから…」との返事であった。予想どおりだ。しかしそれでは幼馴染みだけの集まりになって、85Mさんのような数年前に転居して来た高齢者は入り込めない。懇親は大歓迎だが、古株が居座り続けるとよくない。