「
歴然が ようやくわかる 灯り点き 呼び込み人も 行ったり来たり」、「紅葉の 人出見込んで 店開き 客も入り見て 今後考え」、「自販機と レストランとの 間には 場所と味との 多様性あり」、「この場所を 有効利用 せねば損 金生み出せば 笑顔になりて」
嵐山の紅葉が急に色づいて来た。2日前から嵯峨のスーパーの近くで鶏頭の花を写生しているが、今日はその帰りに駅前の林の中の小屋が営業を始めたことに気づいた。帰宅してカメラを持って出直して撮ったのが今日の写真だ。白木のままでは営業しないだろうと思っていたが、予想とは違って装飾は一切ない。何を売る店かも表向きはわからないが、歩道際に置かれた木の椅子にからコピーのチラシが置いてあって、それを1枚もらった。最初の写真の中央辺りに写るキャップを被った女性が客の呼び込み係りで、彼女と少しだけ話した。小屋に装飾がないことを言うと、現状のまま営業するとのこと。また年内は土日のみの営業と聞いたが、理由は働く人が見つからないためだ。チラシには今日から年末まではプレ営業で、グランド営業は来年1月8日からとある。その日までに働いてくれる人が見つかるのだろうか。チラシにフランス菓子の黒いカヌレが写っていて、この店が販売するのはそれと紅茶のみだ。カヌレは税込み280円、紅茶は550円で、相場の倍の感じがするが、紅茶は高級なものはコーヒー以上で、家庭で筆者が毎朝がぶ飲みする安物のティーバッグではないだろう。それでも紅茶は美しい器でゆっくりと飲みたいから、こうした屋台でたぶん使われる紙コップでは、おいしい紅茶もそうは感じないのではないか。あるいは林の中の野外であるので、もっとおいしいと思うか。カヌレと紅茶の二品は嵐山の他の店を調査して決めたメニューかもしれない。呼び込みの女性は、2年前に「風風の湯」から50メートルほど西に出来たレストランに次いでの営業で、確か同じ系列の会社と言った。なるほどと思う。つまりこの売店は林をフェンスで囲っていた2年前にすでに出来ることが決まっていたのだろう。チラシを持ち帰って文字をじっくり見ると、ひとつ気になったことがある。小さな地図が添えられていて、点線で囲ったエリアがふたつあり、どちらもこの売店の覚えにくい数字と横文字の名称が添えられている。林エリアは売店が占め、もうひとつのエリアとして林の北端を東西に走る土手道から北側、すなわち「風風の湯」の玄関前に広がる桜の林一帯が記されている。「風風の湯」が出来た11年前、この桜の林もいずれ何かに使われるという噂を聞いた。それは本当のようで、今日開店した小屋と同じようなものを建てても大きな収入にはならないので、本格的なレストランが建つかもしれない。桜の林は地元住民にとって憩いの場で、花見にも使うが、阪急としてはもう無料で使わせないという考えか。ともかく、今日はチラシ1枚から意外な情報を得て少々動揺している。