「
鯉料理 出す店あるも 人気なし 川の魚は 鮎が一番」、「珍しき 場所にて売るは 珍味なり 珍の二乗で 女子が笑い」、「小さくも 林の中の 茶飲み時 ほっと一息 青空の下」、「歩道から 一歩踏み込む 林には 小さな店の 営業エリア」

今日の写真は昨日撮った。ついにブルー・シートが取り払われ、小屋が姿を見せた。合板のままであるのが気になるが、林に馴染む色の紙が全面に貼られるのだろうか。そうでなければ中途半端なたたずまいで、仮設具合が丸出しだ。この状態で開店を待つだけとは思えないが、壁紙を貼るかペンキで塗装するには、デザインや工費というよけいな費用がかかる。あるいは河川敷に隣接するこの林の中は仮設建築の建物しか建てられないのかもしれない。それでも店の屋号や販売する商品の看板、またメニューの表示は必要で、それらの文字を建物のどこかに記すとして、その書体をどうするかの問題が必ずついて回るから、ついでに文字以外の楽しい装飾も期待したい。白木状態ではマネの「草上の昼食」に描かれる林の中の裸女を思わせ、何となく気恥ずかしい。さりとて深緑色に全体を塗装すれば、却って自然の緑とそぐわない雰囲気が出るから、塗装すべき色合いは簡単に決められない。真っ黒では烏を思わせて重すぎるし、黄色や青では目立ち過ぎる。それで安上りで無難な木地のままになるのだろうか。筆者ならメリー・ゴー・ラウンドを思わせる遊園地の雰囲気にするが、それでは目立ち過ぎて周辺の喫茶店やホテルから苦情が来るか。営業を始める前にまだ外観に手を加える可能性は大きく、またテイクアウトの店でも椅子を10くらいは用意する必要はあるのではないか。周辺の草にしゃがんで食べてもいいが、季節や天気のいい日に限られる。雨が降れば阪急嵐山駅まで走って20秒ほどなので、雨宿りはあまり問題ないが、それよりも傘を差した客が訪れることは大いにあり得る。そうなれば客は歩きながら食べることになり、紙や容器などのポイ捨てが必ず生じ、絶対と言えるほどに嵐山の環境劣化にはつながる。それはさておき、対岸の福田美術館前のテイクアウトのコーヒー店は座席はないので、プラスティックか紙のコップに入ったコーヒーを店の周辺で桂川を眺めながら立って、あるいは歩きながら飲むが、その店に比べるとこの林の中の店は木々に囲まれた森の中の雰囲気は想像力が逞しければ味わえる。また嵐山や嵯峨ではこうした林はここにしかなく、歩道に背を向けて飲食するのであれば、天気のいい日は気分がいいだろう。3年ほど前まではただでこの林の中に入って弁当を広げることが出来たのに、今は歩道から林にわずかでも踏み込むと、そこはこの小屋が営業する敷地で、何も注文しないでは小屋の周辺をうろつき回ることは出来ない。さて、客寄せのために小屋にどういう装飾が施されるのか、あるいは何を販売するのか、猛暑が終わってから営業を始めるだろう。

