「
突風に 傘がひしゃげる 映像の 感動はなし スカートめくれ」、「銅像の なりきり男の 立つ位置は 応天門を 塞ぐ真ん中」、「青銅に 飽きたか今は 石像に 擬態の期待 希代の奇態」、「じっと立ち 人の往来 睥睨し たまに投げ銭 もらいオーライ」
Mr.Kidsの姿を2年ぶりに見た。今日は時代祭1週間前で平安神宮で受け取る文書があって、午後に出かけた。大谷大学美術館で展覧会を見た後、地下鉄とバスを乗り継いで岡崎公園で下車すると、平安神宮前の幅広の歩道両側にテントが10ほど並んでいた。古着などのガラクタや手作りの品を販売中で、まばら客は外国人が圧倒的に多かった。その歩道の中央、テント・エリアから外れてMr.Kidsが台に乗って立っていた。彼はこの2年で何度かTVで紹介され、かなりの有名人となって各地の催し物に出演している。そのことを知っていたので、もうたとえば四条河原町付近では立てないだろうと思っていたが、岡崎公園内ならば近くの交番も文句を言わない。テントでの品物販売とは違うが、一般人相手に楽しませて営業する点は同じで、縁日の中心的要素とみなされる。Mr.Kidsの姿を見て手提げ復路からカメラを取り出して撮影しようと思ったが、本や展覧会チラシ、ハンカチやティッシュ、サングラスや財布など、ガラクタ然としたものでいっぱいで、手探りするのが面倒になった。それに、まず平安神宮の記念館に行って書類を受け取らねばならない。午後3時半から4時半までの間に記念館に行くことになっていて、筆者は3時40分に着いたが、去年も訪れた部屋は真っ暗で誰もいなかった。すぐ近くの公衆電話から家内に電話して書類フォルダーから該当の告知文書を見てもらうと、日時と場所は正しい。記念館に戻るとちょう顔見知りの権禰宜が館の灯りを落とし、ドアに鍵をかけるところで、事情を説明してふたたび中に入れてもらい、配布されるべきであった文書を特別にいただいて帰った。筆者以外の第十一社の代表たちは3時半に集合し、それですぐに閉会となったことを帰宅後の電話で知った。10分遅れで欠席とみなされたのだが、ならば4時半までと書かねばいいのに…。さて、平安神宮の応天門前の幅広歩道に戻ると、Mr.Kidsの姿がない。台はそのままなのでトイレ休憩であろう。少し待つことにし、テントの売店を順に覗いて行った。ある店主と世間話をしながらMr.Kidsの登場を待っていると、ふと右手を見た瞬間、もう彼は銅像のように立っていた。いや、石像だ。最近衣服を白く塗って石像に化けていることをネットで知っていたが、以前の黒い服では真夏は地獄の暑さで、今夏は営業していなかったのではないか。この投稿でMr.Kidsが撮影者の筆者の姿を思い出すかどうか、営業中は大勢の人と出会うので、筆者のことは記憶にないに違いない。さて1週間後はその幅広い歩道を時代祭の行列が応天門に向かって行く。

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