「
節の目を 見上げて寝入る 童には 木目印刷 いと味気なき」、「木を使う 気遣い知らず プラがいい 人も不要で ロボットばかり」、「根が張るは 値の張る木とは 言わねども 根上がりの松 値上がりを待つ」、「土の中 根の絡まりは 人知れず 男女の絡み 同じく闇に」
先月10日に裏庭にあるグミの木について書いた時、題名を「グミの木の 根元に生えし 双葉あり 九か月経ち グミの子と知り」とした。グミの木の根元から生え出て来た新芽であり、また1本の茎につく葉はグミの成長した葉と違ってほとんど波打っていないが、幼葉であればそういうものだろうと思い込んだ。4,5日前、今年の秋の枯れ木回収日にいつものように人の胴体ほど嵩のある枯れ木4束を整理するために隣家の庭に入ったところ、ブロック塀の際に名の知らぬ木があまりに繁茂しているので、適当に手で折った。その時に撮ったのが今日の最初の写真の上だ。下は先月10日にも載せたが、グミの根元近くに生えている同じ木の枝だ。枝はしなやかで柔らかくて細いので刃物なしで充分なのだが、背丈以上の箇所に生えているものは脚立に乗る必要がある。そうなれば脚立から転がり落ちないために大きな枝切り鋏で切るが、それを取りに戻るのが面倒なので、地面に近い10本か20本ほどの枝だけをもぎ取ることで済ました。その時に気づいたが、その細い枝は先月10日の投稿に載せたグミの木のそばに生えて来ている1本の茎と同じではないか。つまりブロック塀の下を潜り抜けてわが家のグミの木の近くに新たなに勢力を伸ばして来ているのだ。それは1年や2年ではなく、もっと長い間に少しずつ地中を這い続け、合歓木や藤、そしてグミの根の隙間を通り抜けてちょうどいい場所に双葉が顔を覗かせた。気長に考え続け、機会をうかがって正体を現わす。見事に逞しい。人もそういう根性を持っているが、その根の性質を名前の知らない隣家の庭に毎年猛烈な勢いで生える細い枝の集合とそこから派生した1本の枝によって今回知った。それはいいとして、グミの木の根の養分を吸い取る算段であれば早速刈ってしまうべきだが、根は地中を這っていて、いつでも伏兵を登場させる用意がある。筆者はせっかく育っている木はなるべきみんな仲よく暮らしてほしいので、この名前の知らない木を邪険に扱うには忍ばない。それで他の木を強引に侵さない程度に毎年剪定しているが、地中のことはわからない。このグミモドキ木は春になれば細かい小さな白い花を房状に大量に咲かせ、強烈な揮発性の香りが漂うのでそれなりに面白いが、グミの実を何年も成らないのはこの木に根をやられているせいかもしれない。グミの木は死んだK従兄の形見で、枯れ死させるわけにはいかない。今日の2枚目の写真は裏庭から見た隣家のその木で、写真はわかりやすいようにトリミングした。実際はもっと繁茂してグミの木は肩身が狭い。
●スマホやタブレットでは見えない各年度や各カテゴリーの投稿目次画面を表示→→