「
行列の 出来る店でも 暇はあり 空いているのは 客には嬉し」、「交代で 休んで回る 地球かな 眠る間も 誰か働き」、「昔見た 夢思い出し さあ眠る 意味を探るな 味わえばよし」、「夢の絵の つまらなきこと 知る人は 無邪気装う 邪気を嫌いて」
筆者は10年ほど健康診断を受けていない。区役所から早急にどこかの診療所に行けと督促状を送って来る。昨夜「風風の湯」のフロント係のSさんと帰りがけに立ち話をしたところ、去年11月に前立腺癌の治療で入院したと言う。健康診断は月一度受けていて、それで早期で見つかった。筆者より5歳年長で、後期高齢者になると男は前立腺癌は珍しくない。Sさんは自覚症状が全くなかったそうで、健康診断で身体の異常を見つかってよかったと言った。筆者は自分の体の不具合は自分でわかると思っているが、今年の夏は特に水分をよく摂り、朝から家内曰く1リットルはお茶を飲んでいるとのことで、またそれが昼食や夜でもそうで、喉がそれほどに乾くのは絶対に内臓のどこかがおかしいと言う。それはさておき、寝る前に大きなコップ一杯の冷たいお茶を飲んで寝ることにしているが、今朝はまだ暗い間に喉の渇きで目覚めた。部屋の温度が28か29度なので、クーラーを1時間だけつけて寝たが、それが切れて部屋が暑くなったので目が覚めた。それで窓を少しだけ開け、冷たい水を飲みに階下に行った。時計を見ると4時5分前だ。冷蔵庫から氷を取り出し、コップに入れて水を注いで一杯を飲み干した。すぐ隣りに眠っている家内は鼾をかいて目覚めなかった。そっとまた敷き布団に寝転がり、眠ろうとしたが、目が冴えた。裏庭のコオロギの澄んだ鳴き声が何匹か重なって聞こえ、『台風が直撃せずに少し涼しくなってコオロギも気持ちよさそうだ』と思っていると、突如大雨が降り始めた。豪雨と言ってよいほどで、軒に当たる音が凄まじい。家内の鼾は変わらず、コオロギが忙しく羽をこすり合わせる音も全く同じだ。もちろん聞こえる音の9割を雨音が占め、コオロギと家内の鼾は合わせて1割ほどに聞こえていたが、コオロギは雨でもリズムを崩さない。裏庭にはコオロギが雨宿り出来る大きな葉はたくさんあって、そのどれかの下で雌を誘っているはずだ。枕元にカメラがあることを思い出し、真っ暗な中、寝ながら少しだけ開けた窓を向いて写真を1枚撮った。20分ほどゴロゴロしながら、コオロギは1秒にだいたい3回音を発しているかと思っていると、寝入った。目覚めたのは8時20分だ。雨はすっかり上がって蒸し暑い。コオロギも休みで、夜間労働者だ。今日家内と自転車で嵯峨のスーパーに行くと、「夜間従業員募集」の張り紙があった。給料は26万数千円で、昼夜逆転でその金額で働く人があるのかと思った。筆者は比較的夜型だが、コオロギのような生活は無理だ。しかし世の中は誰かが眠っている間に誰かが働いている。人間の頭もそうで、夜は夢を見るのに忙しい。
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