「
初めての もぎ採り檸檬 本の上 基次郎にも 見せたき眺め」、「朝に飲む 紅茶五杯は レモンあり その香しさ 酒に劣らず」、「レモン汁 紅茶の色を 薄めけり その酸っぱさの 強さ目に見え」、「洋梨の くびれなけれど 檸檬には おっぱいふたつ つないだ形」
去年の秋、家内の誕生日に歩いて太秦に出かけた。真夏は自転車で行くが、歩いてもよい季節になると基本的に自転車には乗らない。自転車は徒歩よりも事故が多いはずで、また別段買い物を早く済ませる必要はなく、運動がてらに歩く。しかしそれが何歳まで可能か。「風風の湯」を夫婦で利用しているYさんは、奥さんがかなりYさんより年長で90近い年齢で、Yさんは80か81だが、若い頃に体を鍛えようで、小柄ながら活力がみなぎって見える。ところが腰のどこかがよくないとのことで、自転車でスーパーに買い物に行けなくなり、駅前のコンビニをよく利用する。ふたりには子どもがおらず、経済的不安はないこともあって食道楽で、電車やバスに乗って外食によく行く。筆者がYさんの年齢になるには5,6年あるが、体調の変化は予測がつかない。それで危険なことはやらないことにし、真夏の自転車は仕方ないとして、買い物は歩いて行く。話を戻す。太秦の大映通りに入ると、右手に花屋があって、レモンの実をひとつつけた高さ50センチほどの鉢植えの苗木が3つ売られていた。どれも1000円だ。レモンはすぐにでも食べられる大きさで、うまく育つかどうかわからないが、すぐに一鉢買った。それをともかく隣家の裏庭の陽当たりのよいところに置いた。たまに確認すると実はそのままで、ほぼ4か月経った今日、ついに実を切り取った。そして蕾の白薔薇のVIRGOとともに写真を撮った。蕾が赤いのは謎だが、充分開花すると真っ白になる。レモンは毎朝飲む紅茶に欠かせず、もぎ採ったものは近日中に薄く輪切りにして使う。紅茶にレモンの一片を入れると幸福で贅沢な気分になる。筆者は毎朝立て続けに5杯は飲み、最後にレモンをかじる。酸っぱさに顔をしかめながら、また紅茶茶碗に湯を注いで酸っぱさを和らげる。家内の長兄の長女は結婚して近江八幡に平屋の一軒家を建て、その庭木にレモンを植えた。10数年経ってその木はよく成長し、毎年多くの実をつけるという。食べ切れないのであちこちに配っているようで、羨ましい話だ。つまりそれほど陽当たりのよい、そして土が肥えていることに対してだ。わが家の鉢植えのレモンはせめて毎年1個だけでも実をつけてほしい。しかしそれよりも枯れてしまう可能性が大きいかもしれない。そう言えば地植えして4、5年か、金柑は少しも実をつけないままに背丈だけは数倍大きく育っている。この葉は揚羽蝶が好むらしく、なるほど毎年大部分が食べられ、裏庭に黒くて大きな揚羽蝶が飛ぶ。それがわが家の庭の金柑の葉を食べて育ったものかどうかは不明だが、そう思うと金柑を植えた甲斐がある。
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