「
本当に したいことだけ 出来るのは 神でも無理と 気づいて大人」、「一度だけ 誘う声あり 神苑に 泰平閣の 思い出遠き」、「神苑を 巡りて交わす 花言葉 萩に桔梗や 万葉の草」、「飛び石を うさぎのごとく 先を行く 臥龍も許す 夏服の女(ひと)」
平安神宮の1年有効の神苑券が毎年自治連合会に40枚届く。その枚数は自治連合会の規模によって異なるだろう。筆者は昔自治会長をしていた頃は毎年もらえた。この1枚で記名者と同伴1名が入苑出来る。今年から筆者が地元自治連合会の平安講社代表になったので、40枚は筆者に今月3日に届られた。券は来年9月1日まで有効で、今月中に配ればよいだろう。お盆前に配っても神苑に行こうとする人はたぶんいないと思う。秋の雰囲気がかすかに感じられる頃になれば苑内の植物も見物となる。届らけられた大袋に誰に配布したかの記入名簿が同封されていて、前年を参考に、また今年4月に自治連合会会議で配布された各種委員の名簿を見ながら、まずは14名の今年の自治会長、そして残り26枚は各種団体の長に配ることにするが、1,2枚あまる。それで名簿から適当に顔を知っている副の人を選んだ。筆者はいつも無記名で券を受け取り、自分で名前を書いたが、名簿は40枚の番号が順に振ってある。それと券の番号を合致させるために、40枚の名前は全部筆者が代筆した。入苑時に受付でこの券を見せるだけでよく、記入名が本当に券の提示者であるかどうかの確認は行なわれないが、無記名であれば他人に譲っても誰にもわからない。同封の説明書には名簿は平安神宮に提出するか、もしくは代表が手元に保管してもいいと曖昧なことが書かれている。筆者は後者を選ぶ。さて40枚をそれぞれ封筒に入れ、その表に相手の名と筆者の所属と名前を印刷した紙を貼りつけ、筆者を除いた39名の住まいを毎年配布される詳細地図すなわち各家の名前が記された大判の地図にわかりやすく黒で囲い、内部をピンク色に塗った。これで配布の用意が整った。配布すべき家は当然自治連合会下の北端から南端まで点在し、ほとんど知らない道沿いの家もある。昨日から自転車に乗って配布を始め、今日で終えた。まだ暑い最中のことだ。予想以上に大変で、宅配業者の労苦を垣間見た。今日の題名の歌のように、中には筆者をじろじろと訝し気に見ながら対応する奥さんもいて、たぶん金を徴収されると思っているのだろう。筆者は美術館によく行くので岡崎界隈は馴染みだが、平安神宮に稀に出かけても有料の神苑に入る人は少数派であろう。それが無料と聞いても、神苑の情緒を楽しみたい人がどれほどいるか。だが筆者もこの券を年に一度くらいしか使わない。家内と美術館に行った後、ついでに神苑を見て行こうと誘っても必ず拒否される。一度見たからもういいと言うのだ。しかし筆者はこの神苑を巡るのが好きで、ひとりで一周しても楽しい。若い女性と一緒ならなおさらだが。
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