「
ハッカ飴 ハーブの味と 知りつつも 乳白色の 理由は不思議」、「ミントの葉 初めて食べて なるほどと ドロップ缶の ハッカはこれか」、「幼な子は 緑の酒の 小瓶持ち ぺパミントの名 香りと覚え」、「カリン酒に メロンリキュール 混ぜて飲む 液の灰色 薬か毒か」
2,3年前に漬けたカリン酒から引き上げたカリンの実の輪切りを去年カリン・ジャムにした。残り半分を冷蔵庫に入れたままにし、今夜ようやくジャムを作る気になった。種子を一緒に漬けたので全体が濃い赤紫色になっている。酒にカリンのエキスは充分に溶け出しているので、ジャムには栄養はないだろう。しかし捨てるにはもったない。市販のジャムはさまざまな添加物を思えば、安価な製品は何となく敬遠したい。カリン・ジャムは筆者が知る限り、売られておらず、自分で作れば自然の実と砂糖だけで安心だ。しかし実は甘くなく、正直なところあまり食べたくはない。毎朝家内は筆者がたまにムーギョで買って来る1キロ入りのチーズを食パンにばら撒いて焼く。それを切らしている場合はハムやコロッケ、それにレタスやトマトを加えて、筆者は半分に折って分厚くして食べる。チーズがない場合は市販のイチゴかブルーベリーのジャムだが、それもない場合にカリン・ジャムの登場となる。マーガリンは体によくないと聞くので買わなくなっている。食パンは6枚切りがほとんどだが、5枚や4枚のものをよく使う。家内が知人に食パンを焼いて食べると言うと、そのままでいいものをなぜ焼くのかと驚かれた。しかし焼くのが昔から習慣になっていて、市販のサンドウィッチのように生で食べることはない。食パンを切らすことは1年に一度あるかないかで、ない場合は茶漬けに梅干しで、それもおいしいと思う。梅干しは裏庭で採れた梅を漬けたもので、わが家ではカリン・ジャムと梅干しのふたつが自家製の食べ物となっている。だがカリンはよそから調達するので、半自家製と言うのが正しい。筆者のジャム作りはレモンから始まったが、カリンは買うのではなく、嵯峨の丸太町通り沿い、有栖川と交差する辺りで落ちているものを黙ってもらって来る。どうせそのままでは捨てられるだけで、カリンもせっかく実った甲斐がない。一方、カリン酒は喉にいいとされるが、喉を傷めても適用するカリン酒の量はごくわずかで、いっこうに減らない。他のリキュールを混ぜて飲めばいいかと思いつつ、薬として漬けた酒であるからガブ飲みはもったいない。それで何年もそのままになるが、せめてカリンは引き上げてジャムにして食べてやろうという気になる。そうこうしている間に冬がやって来て新たなカリンを探す。梅も同じで、一年置きに梅酒と梅干しを作っているが、梅酒はあまり好まないからやはりたまる一方だ。梅干しも家内しか食べないのでなかなか減らない。それでも梅の実の季節はすぐにやって来る。何でも買えばいいという考えは貧しい。買えないものがある。
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