「
半分に 分けて仲よき 姉妹でも 夫次第で 多くほしがり」、「よそ行きを 着て出かけるや 百貨店 パジャマTシャツ 平気コンビニ」、「見られても 平気マスクの 女店員 ねえ外してよ どんな顔なの」、「たまにはと 喫茶店にて 向かい合い コーヒー飲みつ 昔話を」
今日は家内と京都国立近代美術館に行き、帰りは大丸百貨店で中元の品物を見繕った後、喫茶店でコーヒーを飲むことにした。ドトールやマクド、タリーズやホリーズ、ベローチェなどチェーン店の安価なコーヒーはそれなりの味で、落ち着いた気分になれない。それに筆者も家内もスターバックスは苦手で、家内はその残高のあるカードを持っているのに使わないままだ。京都の繁華街には老舗喫茶店がいくつかあって、昔は木屋町のソワレやフランソワによく入った。近年はその付近を歩くこともない。家内が働いていた頃、同僚の先輩にいい喫茶店がないかと聞かれ、フランソワを紹介すると、その女性は大ファンになって多くの人のその店のことを話していたそうだ。そのように教えられなければ存在に気づかない店はよくある。木屋町の少し深まった場所であればそれは仕方がない。夏場に歩き疲れたのでどこかで腰を下ろしたいのであれば、自販機で買ってその場で飲むのでもいいが、それはひとりの場合だろう。他人に見られて恥しくない身なりで外出してコーヒーを飲むのであれば、価格は倍でもその値打ちがある店を選ぶべきだ。しかし若い女性が喜ぶようなフルーツ満載の豪華なアイスクリームやその類の実物メニューないしその写真を店の前で見ると、価格もそうだが、量に圧倒されてたじろぐ。店としては単価の高い商品を売るほうが儲かるので、今はたいていの店は若者相手、つまりスマホで撮影されてSNSで紹介してもらえる商品を前面に押し出す。四半世紀前か、四条の「とらや」の店先に抹茶のかき氷が1000円の値札がついていて驚いたが、今やそれは安い部類に入り、同店では倍ほどに値上がりしているだろう。コーヒーもその例にもれないかどうかだが、スーパーで安価なコーヒー豆を挽いた商品があり、喫茶店のコーヒーは500円以上の価格をつけにくいだろう。嵐山では午後6時を過ぎると食べられる店がなくなるため、わが家の近くのカウンターだけの居酒屋には外国人観光客が夜に食事に訪れ、1000円未満の料理で数人が長らく居座ったままらしい。温度は快適に保たれ、言葉は通じないので客は空気を読もうとしないのだ。1杯のコーヒーで1時間以上店内で粘る客がどれほどの割合でいるのか知らないが、席数が限られ、客の回転率が勝負の経営者は長居する客は鬱陶しいだろう。さて、大丸を出た後、家内は以前友人と入ったいい店があると言い、大丸のすぐ東向かいの和菓子店の隣りの喫茶店に筆者を導いた。なるほど雰囲気はよく、客層が違う。1杯700円はその意味で妥当だ。それで家内とはあまり話すこともなく、20分ほどで出た。
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