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●「湯巡りは 気軽なものと なりにけり 駅の近くに 次々に出来」
ランコに 乗って眩暈の 楽しさを ほろ酔い酒で さらに増そうと」、「無茶するな すれば苦い茶 飲まされり 親のしつけは 虐待なりや」、「猛暑過ぎ サウナ平気の 風呂好きの 談笑消えゆ 里の湯どころ」、「スーパーに 隣り合う湯や 芋洗い ごろごろざぶり きれいさっぱり」
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20年は経っていないと思うが、昔丹波の「薬師温泉」に3,4回行ったことがある。梅津の従姉夫婦が温泉好きでしかもドライヴ好きであったので、日帰り出来る温泉を筆者がネットで調べて綾部や丹波に出かけた。その頃はまだ家内が勤めに出ていたので従姉夫婦との3人連れであったが、「薬師温泉」がとてもいいという評価が3人の間で定まり、従姉夫婦の息子や筆者の叔父、そして家内や息子などと一緒に、車を3台連ねて出かけたこともある。天気がよかったことも手伝って家内は一度だけ訪れたその温泉のことを今もたまに話題にする。そこへ行くのは高速道路がなく、広々と見渡しの効く平野を東西に真っすぐ走る丹波街道を走るが、JRでは福知山線の最寄り駅で降りてからタクシーがあるのかどうか、ともかく車でなければ不便な場所にある。そのため筆者も家内も誰かに乗せて行ってもらう必要があって諦めている。息子は免許を持っていても車好きではなく、どうしても行くとなればレンタルしなければならない。従妹夫婦はすっかり老け込み、また免許を返上して数年経つので、車をレンタルしても運転は無理だ。家内の夢をかなえてあげたいが、それが最もいいのは温泉好きの知り合いを説得して車に便乗することだ。そういう気安い人がないでもないが、働き盛りでは頼みにくく、定年を迎えた人ではよほどの親しい間柄でなければならない。「薬師温泉」のすぐ近くに兵庫県立陶芸美術館があって、そこは「薬師温泉」ついでに一度だけ従姉夫婦と入館したことがあるが、美術に興味のない夫婦で、15分も滞在しなかった。もっとじっくりと鑑賞したいので、それにはどちらがついでかわからないが、「薬師温泉」とともに経験するに限る。さて、半年ほど前からか、太秦在住の60歳くらいのMさんが「風風の湯」によくやって来るようになった。Fさんとすぐに親しくなり、筆者ともよく話すようになった。Fさんのように以前は三条通り沿いのスーパーに隣接するスーパー銭湯に通っていたのが、評判を聞いて「風風の湯」を利用するようになった。ここは空いていることを好む人に人気がある。スーパーの陳列棚さながら、さまざまな湯のあるテーマ・パーク状の先のスーパー銭湯はいつもまさに芋の子を洗う状態の満員で、また内部は空が見える箇所はあるものの、全体に閉塞感があって暗い。その点「風風の湯」は普通の銭湯に毛の生えた程度の温泉で、そう考える人が大多数なのか、地元嵐山の住民の利用者は20人に満たないだろう。10年経ってその現状では今後もその数は増えないだろう。
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 2,3か月前、Mさんは福知山にいい温泉があるので車で一緒に行かないかとFさんを誘った。しかしMさんの仕事のつごうからその話は進展しなかった。ようやく時間が空いて今月14日の土曜日に行こうというに決まった。筆者も誘われていたので同乗し、3人で出かけた。筆者は綾部の温泉は従姉夫婦と2か所訪れたが、福知山のその「養老温泉」の名は初めて聞いた。嵐山から車で高速を使って1時間半から2時間のところにあり、途中のサービスエリアで昼を食べた。大勢の客がいてすぐには席に就けず、田舎の車社会ぶりを実感した。筆者は土産売り場で珍しい野菜をいくつか買い、「薬師温泉」でも同様のことをしたことを思い出した。行く前にネットで調べると、京都府下の温泉では有名度が第2位だ。「風風の湯」は確か5位に入っていた。また兵庫県下では「薬師温泉」が第2位で、やはりと思う。入湯料金はどこもほぼ同じで、車の利用者を想定しの立地となっているが、その点「風風の湯」は阪急嵐山駅前にあって、家内が言うには宝塚からよく来ていた高齢女性が以前はいた。電車で1時間半もかけてよくぞと思うが、電車に乗りさえすればよく、その意味で嵐山は福知山や丹波のような田舎ではない。しかしそのことを逆に見れば、嵐山は田舎の鄙びた雰囲気がないということで、温泉はそのとおりでも、街中の銭湯と雰囲気は大差ない。今日の最初の写真は「養老温泉」の玄関だ。そこを入って正面に進んだところで撮ったのが2枚目の写真で、よく整備されたとは言い難いが、田舎の屋敷らしい庭がある。3枚目はフロントの脇で、左の小柄な男性がMさん、右がFさんだ。ほかにも記念撮影的に何枚か撮り、それらは両人に紙焼きにしてすでに手渡し、正面の姿が写らない残りを今日は使う。広大な敷地に檜の露天風呂を初めさまざまな湯が点在し、3人で勝手に好きなところに入って2時間ほど過ごした。筆者は湯の落下高さが3メートルほどある岩陰の滝湯と、湯気で内部ほとんど見えないミスト・サウナの2か所が特に面白かった。どちらもひとり占めし、後者はとても狭いが濃霧の中にいる非日常感が珍しく、5分ほどを2度入った。サウナは大きく、また温度が高いので5分入れば充分だ。若い男性もよくいて、誰とも話さなかったが、遠方の客も多いだろう。また「風風の湯」のように駅前ではなく、人里離れたところにあるので、自転車客もまずいないだろう。「薬師温泉」のほうが建物ははるかにきれいで建物周囲の環境も含めて解放感がある。そのことをMさんに言いながら、いつかまた3人で「薬師温泉」に行こうという話になれば、その時は家内を便乗させたいと虫のよいことを思っている。だがMさんは今回も家内も同乗してはと言ってくれたので、家内が思い続けている「薬師温泉」行きはMさんの思いひとつにかかっている。
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by uuuzen | 2023-12-20 23:59 | ●新・嵐山だより
●撮り鉄の轍踏み蘇鉄読み耽り、... >> << ●「春と秋 眺め違うを 山で知...

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