「
信頼を 置くや尺度の 名声は 裏に醜き 実体隠し」、「時雨あれば 堤防壊す 豪雨あり 神のジョーロの メンテ怠り」、「夕暮れに バケツ四杯の 水をやり 狭き裏庭 わずかに涼し」、「天を向き 群がり咲くや 鶏頭の 根元にそっと ジョーロの慈雨」
今日は昨日の続き。今日の最初の写真は3月27日に堂本印象美術館の近くにある喫茶店を兼ねたパン屋で撮った。筆者の座席からブリキ製の大きなジョーロと籠が見え、そこだけ見ればフェルメールの絵画の雰囲気でなかなかよい。真正面の奥すなわちガラス越しの店外は向かいの家の物置で、そこに緑色のプラスティック製のジョーロが置かれている。視線の左右かつ遠近の2個のジョーロを見比べ、今年は同様の大きなジョーロを入手しようと思った。鶏頭への水やりはジョーロがいいからだ。去年は息子が子どもの頃に遊びで使っていた半ばおもちゃの小さなジョーロで間に合わせた。これは牛乳瓶1本ほどの水しか入らず、また先端が茶瓶の注ぎ口と同じ形状であるため、草花の根元に撒くには勢いがよすぎて大量に注いでしまう。鶏頭の種子を撒く頃までに買うつもりで、スーパー近くの荒物屋に立ち寄り、三条通り沿いの100円ショップも覗いたが、売られていない。百貨店ではたぶん最低でも2000円はするし、嵩張るので持ち帰りが不便だ。ネットで中古を買っても送料は1000円以上になる。それに気に入るものがない。どうすればいいかと考え続けながら、5月下旬にネットで面白い商品を見つけた。1リットルのペット・ボトルの先端に取りつけるジョーロ・ヘッドで、2個で250円、送料は同じほどだ。鶏頭への水やりは大型のジョーロは必要ないのでそれに決めた。届いたものを早速使用するためにコーラを久しぶりに買い、その半分はファスビンダーの映画を思い出しながら「クバ・リブレ」のカクテルを作って飲んだ。また何年かぶりにファスビンダーのDVD『聖なるパン助に注意』を見た。この映画は何度か見るうちに味わいがよくわかって来る。しかしそうした作品を評価しない映画ファンは多いはずだ。数年を経てまた見る気にさせる映画は注意すべきだ。そのことをこの映画の題名は表わしている気もする。何度も見る間に滋味と言えばいいか、ファスビンダーが映画の何を聖なるものと思っていたかがわかって来る。この映画の感想は10年前に書いたが、改めて書きたい気にさせる。それはさておき、大型のジョーロでは置き場所に困るし高価なはずで、ペット・ボトルをジョーロ本体に使えるヘッドはよいと思ったのに、ボトル内の水を密閉状態で使うため、ボトルを手でいちいち凹ませなければ水は出ない。手荒にすればボトルはいずれは破損するが、無限に入手出来るプラボトルだ。これで鶏頭の根元に夕暮れに毎日水をジョワーと与えている。爆暑続きのこの頃、1日水を与えなければ葉がだらりと垂れる。しかし野生的な鶏頭で、やりすぎはよくないだろう。
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