「
花売りの 娘削ぎ取る 薔薇の棘 紅きマニュキュア あちこち剥がれ」、「中秋の 名月と聞き スーパーで 値引きシールの 団子見比べ」、「春と秋 ともに短し なるほどと 昔の歌詞の 季節なき街」、「わがカメラ 月と写るや 赤い丸 月のウサギは わが干支なりし」
今夜は家内が「風風の湯」で85M さんの奥さんから、「今夜は中秋の名月でいつもより満月が大きく見えるスーパームーンよ」と聞いた。月が上って間もない頃は大きく見えるので、「スーパー」は大げさだが、そう言われると心なし明るくて大きいかと感じる。「風風の湯」から戻ってすぐに家の前で撮ったのが今日の写真だ。同じオリンパス製ながら買い替えた中古カメラは以前のものより性能がよく、明るく写るのはいいが、場合によっては写真のように月のすぐそばに赤い丸が現われる。一眼レフではそれはないはずだ。以前のカメラでも赤丸はあったが、かなり薄く、画像加工で消すことが出来た。今日の写真でもそれは可能だろうが、面倒であるし、たぶんうまく消えない。85Mさんは「風風の湯」の常連客が減ったと言っていつもさびしがっているが、以前よく話をしたNさんは午後6時にはもう上がっているので、Nさんと会うことがない。85Mさん夫婦はいつの頃か、筆者と同じ時間帯に利用するようになったからだ。常連客は減ったであろうが、利用時間が違えば会えない。また早めに来ている人がごくたまに遅く来る場合、その反対にいつも遅い人が2時間ほど早いこともあって、何か月も姿を見なかった者同士が声を掛け合うことはある。今思い出した。赤丸から血を連想したのだ。3か月前、2年ほど姿を見なかったNさんを露天風呂で見かけた。筆者はサウナに行き、Nさんがひとり用の白いプラスティック製の椅子に座っている姿を見つめていた。サウナを出て水風呂からなら声が届くと思ってそうすると、5,6メートル先で筆者のほうを向きながらNさんは筆者の声に気づかない。そして直後に何の前触れもなく、音を立てず、声も上げずにするりと椅子から滑り落ちて石畳の上に寝そべった。そこは死角になっていて、誰も気づかない。慌てて水風呂から飛び出てに駆け寄り、Nさんを助け起こしたが、禿げ頭のてっぺんから血が出ていて意識がない。すぐにフロントに電話し、従業員のSさんがバスタオルを数枚持って走って来てNさんの頭にそれを当てた。救急車を呼ぶのは「風風の湯」としてはなるべく控えたい。Sさんは安静にしたほうがいいと言い、寝たままにさせてしばらく様子を見ると、意識が戻って笑顔になった。Nさんはなぜ倒れたのか理由がわからず、筆者が助け起こしたことも知らないと言う。Nさんは早速上がって病院に行き、数針縫ったそうだ。2,3年前か、85Mさんが大湯舟でひとりでいる時に普段の倍飲んだ酒に酔って溺れかけているのを筆者が見つけ、腕に抱えて湯から助け出した。そのことを85Mさんの奥さんは知らない。
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