「
午後からは 蝉も休むや 獄日照り 一雨乞うも 雷神見えず」、「藪の中 探せば真相 わかるはず 藪から棒の たとえ知るなら」、「襟つきの 白シャツ眩し 昭和過ぎ 何でもありは 遠目にグレイ」、「隠しロゴ 探せウォーリー 眼鏡かけ 必ずありて ドントウォーリー」
一昨日、家内と久しぶりに家内の実家を訪れた。義父の月参りで、お盆のお参りを兼ねて筆者は顔を出すことにした。長男が跡を継いでいるが、子どもたちなみな遠方に独立し、ひとり住まいだ。たくさんある部屋がもったいないが、高齢になるとどこでも同じようなものだ。筆者は隣家を倉庫代わりに使っているが、京都は数年後に空き家に特別税をかける。その時に隣家が空き家と認定されるのかどうか。毎日一度は出入りし、裏庭の草木の整理もしているが、電気ガス水道を停めているので、空き家とされる確率は高い気がする。そうなれば筆者が寝起きし、隣り合わせで家内と別居という形にしてもいい。誰かに貸せば収入になるが、それにはリフォームの必要があり、また見知らぬ人が隣りに住むことは嫌だ。話を戻して、読経のお坊さんがやって来る前、台所で集まってしばし談笑し、長男は筆者の真向かいに座った。そしてやおら筆者が着ているシャツを珍しがった。「こーちゃん、そのシャツ、えらい変わってるな」。筆者は意外であった。ファッションにまるで関心のない長男であると思っていたからだ。それに襟つきのシャツの下半分は白地で、目立つほどのデザインではない。どこを見ての思いか訊こうとしたが、その代わりにこう言った。「これはアフリカ製です。女性がデザインしたもので、日本でも一時売られていました。…」正確に言えばアフリカのコート・ジボワール、筆者の世代では「象牙海岸」と呼ばれた西アフリカの製品だ。フランス領であったのでデザイナーの女性はパリで学び、フランスでも販売しているが、製造はコート・ジボワールで行なっている。しかし家内が言うには、縫製がとてもしっかりとしているだけではなく、綿の生地がシャツのよってそれぞれとてもよく吟味されていて、ブランド価値が高いのは当然とのことだ。アフリカ人が着るのであれば毎日洗濯するだろうし、そのハードな扱いに耐えねばならない。筆者が着目するのは染色だ。長男が関心を持ったのは今日の写真で示す複雑な抽象模様だろうが、これはどうして染めたものかと思う。近年は安価なキモノや帯ではパソコンを使って模様を加工し、染料を使ったインクジェットで染めたものが普通に出回り、筆者のようにすべて手作りの友禅染めはもう時代遅れになろうとしている。写真の模様はとても細かく、高度なプリントであることは即座にわかる。ネットで隠しロゴがあると知ったので調べると、2枚目の写真の中央のように7,8ミリの長さでアルファベットのロゴが確認出来た。筆者がこのブランドを好むのは襟がついていて、左右対称性を強調するデザインであるからだ。
●スマホやタブレットでは見えない各年度や各カテゴリーの投稿目次画面を表示→→