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●京都大宮高辻 Live&Salon「夜想」にて、『ザッパロウィン 23』その3、ザッパニモヲ
りて 心ブギウギ 墓掃除 身はベギボギと 骨折りの音」、「盆踊り ザッパ音頭の お披露目で ずっこけ笑う 阿呆も参加」、「金拾い ぽっぽ内々 お金持ち 子なしで遺産 国庫内々」、「豚のケツ 見るアホを見る 神様を アホと笑うは 豚の上様」
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ザッパはギタリストであったので、ザッパ・ファンはザッパのギター演奏を好む。とはいえアメリカの大西さんは長年『黙ってギターを弾きな』のアルバムをあまり聴かなかったという。それを聞いて筆者は意外な気がしたが、長年ザッパの音楽を聴きながらザッパのどの時代のどの曲が好きかはファンによって実にさまざまであることを実感した。ザッパはピアノも弾くが、後年は即興のギター・ソロでお気に入りの旋律が得られた場合、それを楽譜に起こして管弦楽器に演奏させる場合があって、心の奥に潜むメロディの発見をギターという最も馴染んだ方法に頼ったことは創作の秘密を垣間見させる。ザッパのギター・ソロをそっくり模倣してYouTubeに投稿する人がままいて、筆者はそうした映像をそれなりに楽しむが、彼らのオリジナルの曲にザッパのギター曲の完全コピーがどれほど役立っているかの答えはYouTubeからはわからず、結局コピーはコピーに過ぎないと味気ない気持ちになる。だが、完全コピーが出来たうえで自己の個性をオリジナル曲で発揮出来る技術があれば文句なしに有名になるであろうから、たいていのギタリストは尊敬するミュージシャンの曲の完全コピーよりかは創作に邁進するはずで、ザッパも早々とその道に進んだ。というより、ザッパは完全コピーをしたいギタリストがなかったかもしれない。となれば創作の源泉をどこに見つけるかだが、多くのギタリストの演奏を聴く一方で、その根本にある音階や旋法を自在に操れるように練習するしかない。アルバム『ファンキー・ナッシングネス』には『チャンガの復讐』に収録されたギター曲「トランシルヴァニア・ブギ」の未編集ヴァージョンが収められる。ガイ・クルセヴェクのように東欧に親の出自がある場合はたとえば彼のアルバム『トランシルヴァニアン・ソフトウェア』のように、たとえばバルトークが行なった東欧の独特なメロディの収集に連なる仕事を目指すことはごく自然だが、ザッパは直接にはトランシルヴァニアに関係はなく、その地方独自のメロディをもじり、なおかつそれをロックにするためにブギのリズムと合体させようとした時、それは服部良一の『東京ブギ』などの一連の歌謡曲ブギと同列にあり、出自を問わずに楽しければよいという音楽の基本に則った作曲であったことになる。出自を言えばイタリア系移民のザッパはトランシルヴァニアもブギも流れる血とは無関係で、「トランシルヴァニア・ブギ」には作りものめいた、わざとらしい国籍不明の味わいがあることになる。そのように見ればザッパ曲を日本でカヴァー演奏する積極的な理由づけが可能となる。
●京都大宮高辻 Live&Salon「夜想」にて、『ザッパロウィン 23』その3、ザッパニモヲ_b0419387_22420279.jpg
 今年のザッパニモヲはまたギタリストが変わり、黒瀬まさたかさんが担当した。彼と話さなかったので、どのギタリストの好みかはわからないが、紫さんのように長年ザッパのギターを聴き続けて来た演奏との差はあるのは当然として、ザッパお得意の教会旋法に囚われない味わいはザッパ・ファンには物足りなくても、新鮮に聞こえる利点はある。もちろんそれはザッパのギター演奏が好きな人には違和感となる場合もあるが、昨日書いたようにザッパ曲のカヴァーが閉じた狭い世界のものではないと考えるならば、ギター・ソロ用に設けられた場所ではザッパのギター奏法に惑わされずに存分に個性を発揮するのがよい。それにザッパのギターの完全模倣は不可能で、それがかなりの域に達したとして、ザッパもどきよりもザッパのCDを聴くほうがよい。つまりギター演奏でどれだけ個性が発揮出来るかであって、その個性がザッパ曲のそれと合わさった時に意外な面白さがあるというのが理想だ。蛇足ながら書いておくと、ザッパのバンドが78年秋のTV番組『サタディ・ナイト・ライヴ』に出演した時、侍に扮してギターを抱えたジョン・ベルーシはザッパが指揮する同番組のジャズ・オーケストラを背景に、即興のスキャットで「アプリキシメイト」を歌った。その間の取り方はさすが音感に優れた芸人で、ザッパ・ファンを含めた観客は笑いながらも演奏の妙を楽しんだ。ザッパ曲は笑いを込めたものが少なくないが、笑いは余裕から生まれ、また余裕は充分な練習と経験を経て獲得出来る。今年のレザニモヲの演奏はその境地に達していた。5年前の最初のザッパロウィンの際、筆者はさあやさんに楽しんで演奏するように助言した。それはザッパの演奏困難な曲に挑戦し、なおかつその曲の楽しさを客に伝える覚悟が必要で、今年のザッパニモヲの余裕ぶりはこれまで以上で、バンドとして完成の域に達していた。ギタリストは今後のザッパ曲の研究によって音色その他の飛躍が求められるが、昨日書いたように長大なソロが可能な曲では10分とは言わないが、5分程度のソロを聴きたい。ギターを中心としたマザーズと違ってザッパニモヲはさあやさんの鍵盤楽器に多くを負い、今年のさあやさんのソロは即興パートが目立った。そこにギターのソロが存分に加われば聴きどころが一気に増す。このことはザッパの音楽の半分はジャズであって即興演奏が欠かせず、それは伴奏に合わせて逐次作曲することで、完全コピーとは異なる創作への意欲があってのことだ。もちろんその意欲は練習と一体化したものにほかならず、一瞬を永遠に価値づける立場にある音楽家の命運であり恩寵でもある。とまあ勢いに任せて筆者も即興で書いているが、文字は上書きが出来るのに対し、ライヴ演奏はそれが出来ず、より真剣かつ正直にならざるを得ない。40人ほどの客で何をおおげさなと思う人もあろうが、ザッパ愛のなせるわざだ。
●京都大宮高辻 Live&Salon「夜想」にて、『ザッパロウィン 23』その3、ザッパニモヲ_b0419387_22421651.jpg
 当夜筆者は発売されたばかりのビートルズの「ナウ・アンド・ゼン」について意見した。雑音をAIで除去して編集した同曲はどこか不自然と言ったのだが、そうした加工はいずれ一般人が行なえることになって、ビートルズのオリジナル曲の価値が揺らぐのではないかと思っている。ただしそうした加工音楽は生演奏ではない。人間は想像力があり、雑音のひどい曲からその雑音がない状態が想像出来る。つまり「ナウ・アンド・ゼン」はいかようにも聴き手は頭の中で改変可能だ。ビートルズの話になったのでつながりで書いておく。金沢明子の「イエロー・サブマリン音頭」は日本でしか生まれないカヴァー曲でアンディ・パートリッジが驚いたというが、「東京ブギ」や「買い物ブギ」が書かれたからには日本的西洋の改変は日本ではお家芸と言ってよく、ザッパの「トランシルヴァニア・ブギ」を見習うのであれば、ザッパ曲を日本でより浸透させるためにたとえば音頭に編曲して演奏するのはどうか。ただしそれにふさわしいザッパ曲があるかという問題が浮上する。ザッパは単純なリズムが続くディスコに批判的で、ディスコ風刺曲をステージでよく演奏した。しかしそういう時代のザッパのヒット曲「ダンシング・フール」は音頭化が可能ではないだろうか。あるいは「ドッグ・ブレス」のヴォーカル曲もよい。その音頭ヴァージョンをザッパロウィンの最後のアンコールにして全員で踊るという馬鹿騒ぎも面白い。以上は半分冗談半分真面目だが、そう言えば今年は新たなレパートリーとして「アンクル・リーマス」が演奏された。その歌詞の意味を知る人は少なかったと思うが、筆者が今後もザッパロウィンで語ることが求められるとすれば、マニア向きにではなく、ザッパをほとんど聴いたことのない人向けに内容を定めるのがいいかもしれない。そう思うので昨日の投稿は概説の概説を書いたつもりだ。垂水の畠中さんは今回の演奏が終わった後、客の要望に応えた曲目を加えてほしいと意見した。Joeのヴォーカルの能力に負うので、あまりの高音の絶叫を求める曲は無理かもしれないが、歌に自信のある人は予めゲスト出演を決め、練習に励む手もある。とにかくザッパ祭として出演者と客が協力し合ってアイデアを出すことはよい。筆者は夜想では客数が限られるので、野外もしくはもっと広い会場での演奏が実現しないものかと思っている。そのことを帰り際に金森さんと話したところ、レザニモヲが何を求めているかに関わる問題との意見だ。今後も夜想でのみ演奏するとなれば、そして人気がもっと出れば、2日にわたる演奏も考えられる。とにかく何か変化がほしい時期に来ていることは確かだ。9月30日に四条大宮でレザニモヲに会った時、筆者は963さんにザッパロウィンを続けるといつかいいことがあると言った。それがどう実現するか具体的なイメージはないので無責任だが、夢がなければ前進はない。
●京都大宮高辻 Live&Salon「夜想」にて、『ザッパロウィン 23』その3、ザッパニモヲ_b0419387_22423149.jpg

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by uuuzen | 2023-11-07 23:59 | ●ライヴハウス瞥見記♪
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