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●京都大宮高辻 Live&Salon「夜想」にて、『ザッパロウィン 23』その2、BWANA
外者 無礼と言われ 慮外顔 知らぬほっとけ 知らぬでとぼけ」、「マニアック 間に合ってます マイ・ホビー 魔法瓶見せ アマテラスとや」、「茶を飲んで めっちゃうまいと くちゃ顔の はしゃぐ娘の 出洟番茶に」、「叱られて 出鼻くじかれ シカト鹿 馬鹿にするなと 馬に蹴り入れ」●京都大宮高辻 Live&Salon「夜想」にて、『ザッパロウィン 23』その2、BWANA_b0419387_14250216.jpg 毎年のことだが、今年のザッパロウィンも客集めに気を揉んだ。結果的に40人少々入ったので間口の狭い「夜想」では満員と言ってよい状態となった。かなり以前に会った人がちらほらいたが、名前が思い出せずに失礼したことをこの場を借りてお詫びしておく。ともかく毎年恒例になった感のあるザッパ祭に遠方からこのお越しいただいたことは感謝感激飴あられで、さあやさんは次回もハロウィーン・プレゼントとして飴やあられの菓子類を用意したほうがいいと冗談を上段にかまえてまず言っておき魔性。さて、昨日の続きを少し書くと、筆者が2回に分けて30分ずつ話したことは会場に集まった人には「マニアック」と映ったようだ。ザッパの音楽はそもそもマニアックにならねば楽しくないものかと言えば、どのような作家の作品も楽しみの段階があって、上辺の楽しみが深入りよりも浅いとは言い切れない。単純に楽しいことがまず肝心で、深入りするほどにさらに別の視野が広がって面白いというのが真の芸術とひとまず言ってよい。ザッパの音楽は作品の膨大さが相まってそれらが織り成す世界は複雑に絡み合った様相を呈している。その複雑さを研究することを楽しみとするマニアックがいるが、ザッパの世界は理路整然となっていない部分を含み、カオスとコスモスがない交ぜになって構造的に不明瞭な部分を含む。その不明瞭が何に由来するかの想像を働かせる楽しみはファンにあり、そういうマニアックさも含んでザッパ世界が広がっていることをまず知っておくとよい。話を戻して、日本でのザッパ音楽に受容は皮相的な状態に留まっていると言えば、ザッパロウィンの催しの意義が小さくなる。そこで整理しておくべき問題は、ザッパの広大な音楽世界の何を日本が受容すべきか、あるいはそれが可能かだ。最初に思う浮かぶことはまずザッパの音楽がそもそも日本では広く知られない。そこで十字軍的使命感に燃えてザッパ曲をカヴァーして客を集めて聴かせるとして、ザッパのどの曲をどう演奏するかの課題がまず浮上する。そのことは演奏メンバーの好みや技量、会場の規模や宣伝効力などの多くの条件に負って、レコードやCDで聴くザッパの音楽とはかなりの別物となることは必然だが、その別物のあり具合がどう楽しいかとなれば、その点もザッパの音楽を知る人のその聴きどころの差によって判断、評価は変わる。それについては問題が複雑化するのでひとつだけ言えば、ビートルズの曲ですら英語の意味をあまり知っていない日本の音楽ファンにとって、ザッパの書く歌詞は数倍難解で、そのまま歌っても日本では理解されないことだ。
 そこでビートルズの曲を聴くのと同じように、歌詞の意味はスルーしてそれを含んで音全体を楽しむ態度がまずある。それが今年はヴォーカリストのJoeの参加があったザッパニモヲの演奏だ。その対極に名古屋でザッパ曲を長年カヴァーして来た代表の紫さんが主宰するBWANAがある。今回紫さんは豆千代さんの存在がいかに大きかったかとステージ上で語ったが、それはザッパ曲の歌詞を直訳するのではなく、かなりの意訳で日本の客にザッパの政治や社会風刺の思想をわかりやすく伝える態度による演奏で、たとえばザッパのアルバム名を『いたち野郎』と思い切った意訳をするのと同じく日本独自の受容方法で、それが的を外しているとは言い切れない。話は少し脱線する。家内がビートルズの「ノー・リプライ」を聴きたいというので筆者はCDを鳴らし、次にYouTubeを見ると、サザンオールスターズのカヴァー演奏があった。ビートルズの倍ほどのメンバーでビートルズそっくりに演奏していて、そこにオリジナル曲のあまりに完璧なヴォーカル・ハーモニーや過不足ない演奏を崩して演奏出来ないという敬意が露わになっていたが、そういう演奏は一度聴けばよく、結局オリジナル曲を聴いたほうがいいという思いに至る。そこには他者による完璧なカヴァー演奏は元来あり得ないという前提があって、カヴァーする演奏家の不可避的に滲み出る個性を楽しむことに思いを切り替える必要がある。このことはメンバーを頻繁に変えたザッパのカヴァー演奏には有利に働くことで、言い換えればそれだけザッパの曲はビートルズのそれよりカヴァー演奏の門戸が広く開かれている。おおげさに言えばザッパ自身が自作曲をカヴァーし続けたのであって、そこにザッパ曲がかなり自由に解釈可能な土壌が広がっている。ただしその解釈がザッパ・ファンにどう受け取られるかとなれば、限界、限度はあるだろう。ザッパ曲には特に演奏の困難さがあるからで、演奏ミスを多発するのは論外であって、またザッパ曲の一大特長であるメンバーの即興演奏やザッパのギター・ソロをどの程度まで質の高さを示し得るかという難問もある。つまりビートルズの「ノー・リプライ」を原曲そっくりに演奏することよりはるかに難しい演奏技術の高さが求められる。またそこには日米の文化の差異による、端的に言えば言葉の違いによる音楽の本質の差が影響し、構造主義的に論じるべき興味深い問題が横たわっているが、そうした哲学的文化論の対象となり得る最適な素材を「ザッパロウィン」の機会は提供していて、ザッパの原曲との差を積極的に楽しみ、またその差は演奏技術をひとまず置いたうえで日本的なるものを認識すべきだが、そうなるとJoeの参加はザッパニモヲを国籍不明のバンドにしてしまいかねず、そういう問題も含めてザッパの音楽の複雑性がある。つまり、マニアックにならざるを得ないところがある。
●京都大宮高辻 Live&Salon「夜想」にて、『ザッパロウィン 23』その2、BWANA_b0419387_14252593.jpg
 BWANAはスワヒリ語で「ご主人様」の意味だ。これはザッパの70、71年の曲に登場する言葉で、ザッパは「BWANA DICK」の曲名に使った。「DICK」はリチャード・ニクソン大統領を意味する一方、男根の俗称で、グルーピーにとって目当てのミュージシャンのそれにひれ伏すという情景描写の歌詞に使われた。なぞなぞ商会や豆千代さんがそうした歌詞をどう日本語に置き換えて歌って来たのか知らないが、ザッパの歌詞には二重の、あるいは裏の意味がしばしばあって、日本語でそれを正確に訳して歌うことはかなりの困難を要し、そのためザッパのある曲と他曲とのつながりをある程度知っておく必要がある。たとえば9月の「大ザッパ会」で筆者が取り上げた「BROWN SHOES DON’T MAKE IT」の歌詞では配管工(PLUMBER)を怠け者(BUMMER)として韻を踏んでいて、この言葉遊びを職業差別として不愉快だと思う人は多いだろう。だがザッパは法律を作る政治家には辛辣でも社会の下層にいる人には同情的で、そのことは『200 MOTELS』の「ストリクトリー・ジェンティール」で歌われたとおりだ。また配管工の杜撰な工事については『シーク・ヤブーティ』の「フレイクス」で歌われたように、日本でも思い当たる人がいるはずで、ザッパはPLUMBERすなわちBUMMERとして語呂合わせで認識し続けていたのだろう。しかしその一見したところの職業差別はザッパ自身に向けられたものでもあって、「ロック・ミュージシャン」は金は儲けても世間的には「ろくでなし」と思われていたことを自覚していた。そうであるからこそなお仕事、創作には責任を持って手を抜かない。つまり残念な者としてのBUMMERを拒否する。となればザッパ曲のカヴァーは残念なものになってはならないが、耳の超えたザッパ・ファンばかりが集まることはなく、またその耳の超え方がザッパのCDで慣らされたものであることに対して距離を置く冷静さ、客観的な態度は必要であろう。というのはザッパは膨大な練習と録音の果てに極上のエキスのみをレコード化したからで、それはザッパとしても天から授かった幸運の産物でもあったからだ。そうした演奏を鑑に他者がカヴァーする場合、あまりに原曲にがんじがらめになる必要はない。音楽の基本であるまずは聴いて楽しいことを最重視すべきだ。それには演奏者が練習の果てに楽しさを見出している必要がある。またステージと客席との間の緊張感が重要な要素になり、客が大勢集まるほどに演奏者に及ぼす圧は大きく、火花はより散る。今回も池島さんが録画したのでYouTubeにアップされると思うが、紫さんの演奏は随所にザッパそのものと思える箇所があった。もっと長い10分程度のソロを聴きたいのが本音だが、そうなるとザッパとの差がより露わになり、日米の文化の差に着目する構造主義的な論に移る。
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by uuuzen | 2023-11-06 23:59 | ●ライヴハウス瞥見記♪
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