「
抉られる 虫歯の臭い 忘れ得ず 小学校の 歯科医の顔も」、「個性には えぐみ混じりて 好き嫌い 濃くか薄くか こくの味わい」、「魅力とは 近寄り難き 佇まい 蘇鉄の葉にも 無数の棘が」、「かまうなと 蘇鉄一株 陣を取り 鍾馗の下の 玄関の脇」
今日の最初の写真は去年11月22日に万博公園内の国立民族学博物館の帰り、西国街道を少々歩き、方向感覚を失った後、たまたま国道沿いに見つけたバス停からバスに乗り、JR茨木駅で降りた後、阪急の茨木市駅までのマンション前で撮った。茨木神社から東100メートルほどの北側で、それまで気づかなかったところ、さほど古いものではないだろう。玄関の両脇にこれほど大きな蘇鉄を植えることはマンションが高額であることを意味する。蘇鉄の大きさは神戸のオリエンタルホテルよりは劣るが、威容さは引けを取らない。話は逸れるが、同じバスに乗っていた片足の不自由な中年男性が筆者らより先に下車し、10メートルほど前の暗がりを歩き続けたが、茨木神社前の信号を南にわたって姿が消えた。その方角では大規模な公共工事が進行中で、その様子は当日万博公園に向かうバスの車中から目撃したが、川の上に巨大な公的な建物が出来る予定だ。2,3年後には茨木市役所付近はがらりと眺めが変わり、活気も生まれそうだ。話を戻して、蘇鉄の写真を撮ってさらに東に少々歩くと北側に並行する商店街に通じる「心斎橋商店街」がある。茨木市出身の嘉門タツオがTVでその商店街を地元愛から紹介したことが7,8年前にあったが、現在も当時のままで、筆者もこの狭くてごく短い商店街を歩くのは好きだ。そこを北に突き当たると阪急茨木市駅前の大きな商店街で、その中に2軒で買い物をして帰った。たくさん買っても後は電車に乗るのみで、近所のスーパーで買い物をする感覚だ。さて、2枚目の写真は去年11月5日、ザッパロウィンのライヴがあった京都大宮高辻界隈で、ライヴが始まるまでの散歩中に撮った。高辻通りやそのひとつ北側の道、大宮通りから一本西の道をぐるりと一周し、上の写真はその方形の順路の南西角の交差点の北東の隅で見かけた。実はこの蘇鉄は
「〇は〇か、その48」の2枚目の写真で筆者の背後の反射鏡に小さく写っていた。その写真を撮った時、この蘇鉄シリーズの投稿でいずれ使うつもりでいた。下の写真は大宮通りより一本西の南北の道沿いで、筆者が歩いた東側ではなく、西側にあった。物語性に乏しい雰囲気で、記憶に残りにくいのは、この鉢を置く家が真新しくて陰影が乏しいからだ。それにこの鉢はそれなりに目立ちはするが、扱われ方が何となくぞんざいで、盗まれても気にしないという所有者の気分を反映している。その点、上の写真の蘇鉄は敷地の角に白い木製の柵を巡らし、背後に太い別の木の幹や他の植物も見えるが、蘇鉄はまだまだ大きく育てる余地がある。動物と同じで、植物は所有者の愛着の度合いを反映する。
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