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●渡月橋上流左岸河道整備、その40、令和初の渡月橋下流側の河床工事、その6
腫れ 泣き晴らしたか 問う吾に 乙女返すは 目に鱗生え」、「セクハラと 言えばひるむや 男ども 怖いものなし 恥なき女」、「目移りを しても帰るは 馴染みの巣 野良で生きても 寝るはやすらぎ」、「不甲斐なき わが子諭すは 親心 それがわからず 不快や深き」●渡月橋上流左岸河道整備、その40、令和初の渡月橋下流側の河床工事、その6_d0053294_01053104.jpg 今日の写真は全部4月の撮影で、最初の3枚続きと2枚目の4枚続きは2日、3枚目の3枚続きは6日だ。今日で令和初の渡月橋付近の工事写真の投稿は終わるが、2枚目から明らかなように土嚢は詰まれたままで、工事は4月下旬までずれ込んだと思う。嵯峨のスーパーへ行くのは週に2回ほどで、またいつもカメラ持参ではないので、工事の正確な始まりや終わり、あるいは大きな変化がいつであるかはわからない。またそれは筆者も含めて一般人には重要なことではない。筆者は工事現場を含んでの季節の変化も撮りたく、今日の写真は4月の空気を如実に示していると思う。中の島公園の桜が満開で、真冬の現在にその春真っ盛りの写真を見るのは、もうしばらくすればまた同じ季節がやって来るという期待と、確実に月日が経って行くという残酷さの混じった人生の味わいを思わせ、人も時もいかにも軽い、つまり取るに足らない存在のような気にさせる。それを自覚してもその季節の繰り返しを筆者はこれからまだ何度か経験するはずで、またその繰り返しに妙味もあると思うだろう。毎朝食べる食パンや昼御飯の米を飽き飽きしたと思わないのと同様、季節の繰り返しはそれはそれで楽しく、そう思わずに自殺する人は人生の何に不満であるのか筆者にはやはりわからない。急がなくても必ず死は向こうからやって来るではないか。筆者が半ば恐れているのは、やるべき仕事が中途半端になったままで死ぬことだ。その点富士正晴は書くべことはみな終え、残りの歳月を好きな絵でも描いて過ごすとある本の「あとがき」に記し、その2,3年後に死んだので悔いはなかったであろう。このブログは誰からも頼まれておらず、毎日読む読者がいても数人のはずで、いつやめても誰も何とも思わない。そうであるから筆者も続けられるし、それなりに手を抜きたくはない。それは前述のように中途半端を恐れるからだが、そのことは筆者のやっていることはみな中途半端であることを自覚しているからでもあるだろう。これが収入仕事であればどうかと言えば、筆者は原稿料をもらう仕事とこのブログに差をつけているつもりはないので、中途半端が筆者の本質ということになるが、完璧な文章というものがあり得るだろうか。完璧をかすかに感じさせるものが完璧であって、芸術全般の本質はそういうものだ。金をもらうので読者にサービスをするという考えを作家が持っているのであれば、それは一流ではない。サービスは二の次、三の次であって、まずは自分が何をしたいかだ。そのしたいことが他者にどう思われるかということを一流は考えない。
●渡月橋上流左岸河道整備、その40、令和初の渡月橋下流側の河床工事、その6_d0053294_01060164.jpg 土木工事はそうではない。人名にかかわることであり、設計者が最も妥当と考えた完成図に向かって工事は進められる。それに大勢の観光客の目に触れる歴史的景観の渡月橋付近であれば、見栄えも同じほどに重視される。その見栄えの観点からは重機が渡月橋のすぐ下流を動き回るのは全くの艶消しだが、文楽の黒子の存在ように、人々はそれを見ながら「仕方ない」と思う。あるいはその工事の様子を楽しんで見る人はあろうし、筆者のような地元住民であれば年度末に向かってどのように進捗して行くのかをそれなりに観察してまともに工事が進むことに、さすがとまでは思わないが、きっちりと工事していることに満足する。ところが建物と違って大きな石を組み込む蛇篭の積み上げは川の流れに案外弱く、補修工事が欠かせない。それが地元の土建屋の飯のタネになっているはずだが、彼らがそう考えるのであれば毎年豪雨があって蛇篭がひどく破壊されるほうが彼らにはいいことになるが、まさかそのために手抜きすることはあるまい。今日の最初の写真は渡月橋上流左岸の可動堰際の歩道整備で、きれいな敷石によって鏡面のようにぴかぴかかつ平らになった。この敷石こそは見栄えのためで、本来はアスファルトのままで充分だが、土建屋を干上がらせないのと同様、京都に多い石屋に仕事を与えるためだろう。その歩道の敷石で思うのは天龍寺前の商店街のそれだ。せっかく色も工夫した30×60センチほどの花崗岩の敷石が店舗のガスや水道などの工事のために一部が切り取られ、工事終了後にそこだけアスファルトの仮舗装がなされていることが毎年ある。東京から京都に北人がまず驚くのは至るところで常に道路が掘り返され、悪路状態であることだ。市バスに乗っていてもそれは感じる。バスが西院から梅津に入ったとたん、道路のあまりの凹凸で読書に難儀する。話を戻すと、天龍寺前の商店街の真新しい敷石が部分的にカッターで切り取られる場合、その石は工事終了後に元の場所に戻さない。切り込みを入れた後、削岩機で壊さなくても、元のきれいな石ではないから砂利にするしかない。そして仮アスファルトが撤去され、新たに敷石が張られると、必ずそれは元の石とは少し色合いや表面の質が異なっている。最近もそのような工事が天龍寺前の商店街で行なわれ、まだ新しい敷石の随所がさらに新しい敷石に変わって、全体として不揃いになっている。観光客が大勢訪れる祇園の花見小路は何年か前にすっかり敷石で化粧されたが、上記と同じことが今後起こるだろう。それでカッターで切り込みを入れずに敷石の目地に切れ目を入れて1枚単位で敷石を剥がし、工事後にそれを元通りに張ればどうか。しかしそうはされない。前述のように石屋に儲けさせる必要がある。それにカッターで切れ目を入れ、その後のアスファルトの仮舗装は敷石の枚数単位では工事費がわずかでも増えると考えるからだろう。
●渡月橋上流左岸河道整備、その40、令和初の渡月橋下流側の河床工事、その6_d0053294_01062562.jpg 嵐山の観光客はその足元のアスファルトや敷石を見ない。違和感があってもすぐに嵐山の景観で塗り変えられる。嵐山が好きで何度も訪れる他府県人はほとんどいないと思うが、渡月橋や嵐山を背景に写真を撮ればそれで満足し、京都に来たという思い出を作る。そのことを示すのが今日の2枚目の2,3枚目だ。どちらも渡月橋下流左岸に観光客の姿を写し込んだ。彼らはいかにも嬉しそうで、開放感に感動しているように見える。京都市内では確かに嵐山のような眺めの場所は他にはない。特に中京や下京は家の建て込みが著しく、交通量の多さによって空気も悪い。仕事の利便を考えるとそういう地域に住むのはよく、その代表は東京だ。したがって東京やその近くから嵐山に観光に来る人が多いのだろう。さて2枚目の写真の一番下は「はなの家」や冨田渓仙の家の前辺りから桂川右岸を見通した。その河川敷に重機が置かれていたからで、そこから重機が200メートルほど上流の渡月橋に向かうのだが、何年か前のこのカテゴリーに写真を載せたように、松尾橋のすぐ上流の右岸から川へと工事用の坂道が築造され、河川敷から先の重機が置かれる場所まで工事用道路が出来た。筆者はここ3,4年、買い物は嵯峨に行くようになり、松尾橋を東に越えた梅津にはほとんど行かないのでその松尾橋のたもとに造られる大きな滑り台状の重機専用道路が今年もあったのかどうか記憶にないが、重機が走るためには河川敷しかなく、たぶん今後も同じようにその臨時の坂道は造成され、そして先の重機置き場から渡月橋へと重機は動く。その重機置き場は一昨年や先日花火が打ち上げられた場所で、すぐ際に自転車道路が走っているが、観光客はまず歩かない。今日の3枚目の写真は重機が土砂を移動させていて、それが満開の桜と一緒に写るのは面白い。2枚目の一番上と一番下の写真では渡月橋にコロナも関係なさそうな大勢の花見客が歩いている。上流の嵐山を眺めながら下流の動き回る重機の音に気づかない者はなく、渡月橋を境にその落差のある眺めをどう思っているのか気になるところだ。最初の写真に戻ると、その最後は渡月橋北詰めの下流側の小欄干だ。これが観光客増加の4月直前に新しくなった。以前のはかなり古びてぐらついていて、ついに赤いコーンが置かれ、そばに寄れない措置が取られた。もたれかかると嵯峨からの暗渠が合流して水が渦巻く川に落ちる。その事故は聞いたことがないが、この小欄干の前は、脇の「渡月橋」の文字のある欄干の親柱とともに記念撮影する人が絶えず、いつ転落があっても不思議でない。比較的細い木なので、数年ごとに新たにする必要があるが、コンクリートや鉄製にすると渡月橋の檜の欄干と釣り合いが取れない。筆者はここを通るたびに背後の樹木に手が届くことが気になり、落ちることがあってもその枝をつかめるのではないかと猿になった気分で思う。
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by uuuzen | 2022-12-15 23:59 | ●駅前の変化
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