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●『WAKA/WAZOO』その1
士ほど 真摯になれと 何事も なれの果てにて アル中とても」、「伸縮の 自在な心 伸びきるな 緩み保ちて 切れることなく」、「税沢や 貧しきものは 貝分けず 貝に籠りて 贅沢気分」、「寒き夜に 暖を少なく ザッパ聴く 半世紀経つ 音の熱きや」
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一昨日の土曜日、日付けが変わる頃にアマゾンからザッパの『WAKA/WAZOO』を発送したとメールがあった。それで出かけるつもりであったのに終日家にいた。昼間に届けば午後に出かけるつもりでいたのに、午後5時まで待っても届かない。年末なのでまあ仕方がない。5時過ぎに遅れるとのメールがあって結局7時半に届いた。前回の新譜発売が11月であったので、新譜が目白押しになっている。これは高齢のザッパ・ファン向けと思っていいだろう。それにビートルズやジェスロ・タルなど、高価な50年周年記念盤が発売される風潮にも応じている。ところで、わが家は1階の床下のガス管が腐食し、急遽修理してもらったはいいが、どういう理由からか2,3階に伸びるガス管は使えなくなった。1階のガス・コックから管を3階まで引くと20メートルほどは必要で、そんな家庭用のガス・ホースはない。それで電気ストーヴを買わないまま真冬になって、毎日筆者は50センチ×60センチほどのひとり用のホット・カーペット以外に暖を取らず、厚着して3階でブログを書いている。「風風の湯」から戻った後、寝るまでの深夜2時まで5時間あるが、せっかく湯でぬくもったのに、すっかり体が冷えてしまう。風邪はまだ引いていないが、ストーヴなしの厚着状態で冬を乗り越えられるだろうか。ウクライナではロシアによる爆撃のために零下20度以下になるのに暖が不足している。それに比べると筆者の3階の部屋の気温は目下10度で、寒さは我慢しよう。話を戻す。昨夜届いた5枚のCDのうち、最初の1枚をパソコンで聴いた。「オルターネイト」と「アウトテイク」で、計7曲で75分ほどだ。アメリカの大西さんからは音がとてもよいとのメールが届いていた。パソコンではそれがわからない。それで今日は3階のステレオで大音量で聴いたが、その迫力に圧倒された。まだ1枚しか聴いていないが、この1枚で充分という気がしている。ディスク6はザッパが72年に発売した『ワカ・ジャワカ』と『ザ・グランド・ワズー』の計9曲が収められ、「ブルーレイ・オーディオ」の表示があり、半透明のディスク盤は向こう側が透けて見える。この2枚のアルバムはLPもCDも熟知しているので、今回の新譜に収録されることは当初納得が行かなかったが、ブックレットによれば4トラックとのことで、5.1チャンネルで聴くと、LPやCDにはない臨場感が味わえる。それはいいのだが、5.1チャンネル用のスピーカーは数年前に片づけてしまい、また配線するのが面倒だ。それに筆者のプレイヤーはブルーレイに対応していない。
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 1階の録画チューナーはブルーレイが見られるが、5.1チャンネルのスピーカーをつなぐ手間が煩わしい。それにそんな広い場所もない。それで筆者はディスク5は当分は聴かないままとなる。今回の新譜はその1枚を省いて4枚組にし、価格をもっと下げてほしかった。円安とはいえ、9000円近い価格は高めの気がする。これは蛇足だが、先月の下旬の数日間、ザッパ・ファミリーから3,4割の割引セールのメールがあった。たとえば今回の新譜はマグカップやTシャツなどをつけての販売で、その画面製作者が円の表示を2桁少なく間違って、たとえば8500円であるところが85円になっていた。そのまま画面をクリックして注文するとその価格が確定されるようであったが、筆者は先方のミスにつけ込むのが嫌で、ほしいものはあったが注文しなかった。日本のザッパ・ファンの中に注文した人がいるだろうか。また話を戻す。ディスク5のブルーレイ・オーディオ盤は今後のザッパ・ファミリーの発売方針を示唆しているだろう。主だった未発表録音を発売した後、今度は4チャンネルで旧アルバムを順次発売するのではないか。音質は改善されるとはいえ、何度も同じ演奏を買わされるのは正直面白くない。それでも買ってしまうのがファンで、また売り手も買う気になるような工夫を凝らす。今回の新譜は筆者はあまり期待していなかった。というのはこれまでこの72年のワズー・オーケストラの録音は何枚かのアルバムで発表されて来て、もうあまり本命となるものは残っていないだろうとの予測からだ。それで今回のメインは前述した72年の2枚のアルバムの別録音が中心で、同2作を特別に好きなファンは関心を持つ。その別録音とは前述のブルーレイ盤を除けばディスク1と2が該当し、つまり本作はその2枚でよかったのではないか。となれば11月発売の作品と同じく、通常のプラケース入りで安価で発売出来た。ザッパ・ファミリーがそうしなかったのはやはり商売からだ。ブックレットは表紙込みで44ページ、解説をジョー・トラヴァースとスコット・パーカーが書くが、どちらもザッパ・ファンは周知のことばかりで、特筆すべき興味深いことは何もない。言い換えればページ数を減らしてプラケースに収めることは出来るし、それがちゃちなら見開きの紙ジャケットでよい。とまあ文句を言っているが、5枚組にしたことはそれなりに理由があるはずで、そのことを推察して明日以降は書くつもりでいる。それで今回の新譜については「その4」まで予定していて、今日はディスク1について書く。『ワカ・ジャワカ』と『ザ・グランド・ワズー』の計9曲から外されたのは前者の「イット・ジャスト・マイト・ビー・ア・ワン・ショット・ディール」(一発勝負だな)と後者の「クレタス・オウリータス・オウライタス」で、前者はディスク2に「別ミックス」が、後者は「別テイク」が収録される。 さて、収録順に簡単に説明すると、1「ユア・マウス」は「テイク1」とされ、5分半の長さは『ワカ…』ヴァージョンの倍近い。和やかな雰囲気の中、すっかりブルースの雰囲気に浸り、ザッパもギターを弾きまくる。『ワカ』とは同じ曲に思えないところがあるが、それは極力切り詰めて3分ほどに収めたからだ。LP時代は収録時間の制限から曲のエキスのみ収録することを迫られたが、それは曲が饒舌になることを防いだ利点があった。今回のヴァージョンが饒舌とは言わないが、あまりに明らかにブルースで、『ワカ』で聴きなれた印象とは違う。ただしそれゆえに今回初めて最初の形がわかり、ザッパがどこをどのように削ったかを比較出来る。2「ビッグ・スウィフティ」は逆に『ワカ』のヴァージョンよりも2分少々短い。その点が饒舌と言えるかとなれば、やはりその感は免れないが、そもそも『ワカ』のヴァージョンはサル・マーケスのトランペットが多重録音され、またザッパのギターを後で採譜してそれにユニゾンで音を加えるなど、人工的な雰囲気が強い。それが『ワカ』のアルバム全体の空気を支配し、『ザ・グランド・ワズー』とは同じ時期の録音にもかかわらず、2枚のアルバムは個性を異にしている。それはたぶんにカル・シェンケルが描いたアルバム・ジャケットのイラストにも負うが、特に72年においてザッパがライヴの一発録りとは別にスタジオで入念に加工して曲作りをしていたことを示すうえで、この曲はその筆頭に挙げてよい。そのことはつまり、ザッパ以前のジャズが即興演奏を旨としていたこととは違い、それでは実現不可能なロボットじみた、言い換えれば未来世界を予告するような音の加工の面白さ、奇妙さに関心を持っていたことを示す。そこにはシンセサイザーという楽器の登場の影響がある。そしてそれをいち早く採用したのがジョージ・デュークでやドン・プレストンで、そのふたりを迎えた『ワカ』が『ワズー』よりも加工色が強いことはうなずける。それで本作の本曲は多重録音がない分、往年のジャズに近く、人工的完璧性は減退しているのは当然で、『ワカ』の「別テイク」と表示するのはあまり正しくない。その点を無視して主題を別にした本曲の各人のソロは『ワカ』よりも面白い部分もあるが、全体として緊張感は劣る。それは『ワカ』を50年聴き続けて来た筆者としては擦り込み度が激しいだけとも言えるが、『ワカ』における特に11分45秒から最後の主題回帰までのザッパのギターとサルのトランペットの掛け合いはこの曲の最も圧巻部分で、それが本曲では最初のきっかけのメロディだけはあるものの、その後の展開は全く別物で、言い換えれば緊張感は劣る。また『ワカ』の8分42秒以降のギター2本による絡みはトニー・デュランのスライド・ギターとザッパのギターと思うが、本曲ではその絡みもない。
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 3「ミニマル・アート(イート・ザット・クエスチョン)」は「ヴァージョン1、テイク2」とされる。原題が本曲の様子を形容する。『ワズー』ヴァージョンの演奏が一旦終わった後、また主題を繰り返してフェイドアウトする部分と思えばよい。本曲ではトランペットとピアノの長いソロを含みながら終始同じテンポで10分半続く。ドラムスのエインズリー・ダンバーはカウベルを奏でるが、この音は前曲では最初のキーボード・ソロが終わった後、わずかにソロで使われる。カウベルはロキシーでのライヴでさらに効果を発揮する。4「ブレスト・レリーフ」(アウトテイク・ヴァージョン、以下7まで同じ)は10分少々の演奏で、主題の後にソフトな音色のギター、トランペット、キーボード、ギターの順にソロがある。ザッパはミニマル・アートを嫌っていた。1枚のアルバムにマキシマムな要素を詰め込みたいと考え、それでザッパのアルバムは断片的メロディがきわめて印象的で、それが別のアルバムでは別の文脈に置かれる。5「シンク・イット・オーヴァー(ザ・グランド・ワズー)」は『ワズー』ヴァージョンより2分ほど短い。特筆すべきは最初の主題に男女のヴォーカルが交互にあることだ。この曲はザッパが72年に書いたオペラの脚本『ハンチェントゥート』の主題曲だが、『ワズー』は見開きLPジャケット内部のザッパが同オペラとは全く別の物語を書いて載せたので、歌詞があってはややこしくなると思ったのかもしれない。同オペラは完成しなかったが、曲はいくつか書かれ、アルバムに収録されたがその際も歌詞のあるヴァージョンとそうでないものとの二種類の録音がある。本曲はスイングする軽快なリズムで、『ワズー』のアルバム色を代表するが、それは弦楽器に対する管楽器の勝利として描かれる物語に応じ、主題後にミニ・ムーグ、トランペット、そしていくつかの管楽器のソロがある。主題もいくつか用意され、ソロを除いた構成は複雑だ。6「フォー・カルヴィン(アンド・ヒズ・ネクスト・トゥー・ヒッチハイカーズ)」はLP『ワズー』では冒頭に収録され、CDでは2曲目となった。カルヴィンはザッパのアルバムの多くのジャケットを描いたカル・シェンケルで、『ワズー』では女性ヴォーカルつきであったのが本曲では歌はない。主題とともに全体にひそやかな曲で、中間部の一風変わった楽器のアンサンブルは最晩年の『ザ・イエロー・シャーク』のある曲を思わせる。7「ワカ・ジャワカ」は13分41秒で、『ワカ』より1分半長い。大きな相違点は主題がないことだ。ということは主題を本曲後に書いたと思いたいが、主題は別に録音済みで、気に入ったソロが得られた後、その録音に主題の別の録音をつないだのかもしれない。印象的なベースは同じで、トランペット、ミニ・ムーグ、ギターとソロが続き、ドラムスのソロを挟んでまたギター、そしてピアノが絡む。
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by uuuzen | 2022-12-19 23:59 | ●ザッパ新譜紹介など
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