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●『京阪アコーディオンクラブ・コンサート』
ごもりの 雛に聴かせよ 小夜曲を 森の調べの オカリナの綾」、「音楽を 愛する者の 集いあり 蟻も労苦を しばし忘れし」、「人前で 芸の披露の 節目かな 竹のごとくに 天を向きつつ」、「幕間も 客の目を引く ピエロかな 楽器も奏で 迷司会ぶり」●『京阪アコーディオンクラブ・コンサート』_d0053294_18043276.jpg 今月20日に寝屋川市立市民会館の小ホールで開催された演奏会について書く。先月この演奏会について知りながら、日時を忘れていた。当日の2日前に金森幹夫さんからメールがあり、それで思い出した。昔知り合いのシャンソン歌手が同会館の大ホールでその他大勢と一緒に舞台に立ったことがあり、その時以来の同会館への訪問だ。京阪電鉄の寝屋川市駅から東に1キロ少々だが、昔は狭かった道路がかなり広がっている。途中で不安になり、道行く人に訊くと知らないと言う。高架下の信号待ちで自転車に乗る若い母親をつかまえると、通り向こう左手の建物がそうだと言う。確かに。小走りし、玄関前で他の催しの係員から来客と勘違いされながら、アコーディンの小ホールはどこかと訊くと、奥の端とのこと。映画館のような扉を開けて中に入ると演奏は始まっていた。10分ほど遅れた。受付で住所氏名を記入し、プログラムをもらい、後方の壁にもたれて聴き始めた。折り畳みのパイプ椅子に百人ほどの観客で、大半が高齢者だ。入場無料でもあるからだろう。舞台背後上部に「アコーディンコンサート」と「京阪アコーディンクラブ」が大書され、いわば習い事の発表会だが、前日にリハーサルをしたとのことで、力が入っている。どの街にも同好会はあって年に一度は作品発表会を行なう。ついでながら筆者は友禅染めを教えて学び人と作品発表会をする望みはあるが、水彩や油彩とは違って専門的な道具が種々必要で、敷居は高い。筆者のもとで4,5年学べば染色作家として趣味と実益を兼ねられるようになると思うが、意欲のある人は独力で道を切り開く。ただし友禅染めは絵以外に染める技術も習得する必要があって、絵心があっても最低2,3年は専門家に学ぶ必要がある。同じことはあらゆる表現行為に言える。ところが三流の先生に就くと視野は広まらず、才能は埋もれやすい。その見極めが若い頃は難しく、また一流の門下にしてもらえるとは限らない。芸の道は努力がものを言う。一にも二にも三にも練習で、それ以外に腕前の上達の早道はあり得ず、そのことが最初からわかっている人しか名を遺せない。その厳しさを承知のうえで、趣味で表現行為を始める人がいる。それはそれで目的は充分達せられるし、そういう裾野が広い、つまり同好の士が多いほどに頂点すなわち優れた技術も高くなる。ピアノ教室は巷に多いが、アコーディンを学びたい人はどこに行けばいいか。そのひとつが「京阪アコーディン」で、以下に書くように関西を代表する経験豊かで高齢の演奏家の指導が得られ、アコーディンを正統に学ぶには最適なクラブであろう。
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 プログラムの隅に「会員大募集」とあって、活動場所は寝屋川市立市民会館の会議室、毎月第2、第4土曜日の午後2時から4時まで、会費は月2000円だ。連絡先は長野邦子さんの名が記される。今回出演の同クラブの会員は彼女を含めて5名で、これで全部とすればアコーディオンの人気度がうかがえる。鍵盤楽器ゆえにピアノを演奏出来る人は入門しやすいと思うが、価格の点はどうか。もちろん他の楽器と同じくピンからキリまであり、また種類もさまざまだ。その意味でも門外漢にはややとっつきにくさがある。そう考えると同クラブが長年継続し、年に一度の公演を開くのはささやかながらも特筆すべきことだ。筆者が小ホールに入ってすぐ、長野さんの「セレソ・ローサ」が始まった。次に同クラブのリーダーである小野田幸嗣さんの「カロ・ミオ・ベン」で、彼は「セレソ・ローサ」では箱型の打楽器のカホンを叩いた。最初に演奏されたオープニング曲と、今井麻利子さんによる「春の声」は聴き逃したが、「春の声」はヨハン・シュトラウスの曲で、それは彼女の好みなのか、このクラブが勧める曲のジャンルを示しているのか、たぶんどちらでもあるだろう。「カロ・ミオ・ベン」が終わった後、舞台下の暗がりの下手で男性司会者が次の演奏はオカリナサークル「ひまわり」による「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」の第一楽章と紹介し、知識不足なのかあえておどけたのか「ナハト」を「ナール」と発音したが、まあ観客で気づいた人は少ないだろう。今日の最初の写真上のように、4人のオカリナ奏者の女性が舞台に揃い、そのそれなりに考慮された衣装の色合いを筆者は味わいながら、このモーツァルトの名曲はとても印象深かった。彼女らは次に「マイアミ・ビーチ・ルンバ」を演奏したが、右端の大柄の女性は低音の大きなオカリナを担当し、4人の合奏は森のさまざまな鳥の合唱に聞こえた。オカリナは安価で持ち運びやすく、習う気になりやすい。家内の中学生時代の友人は音大卒後、ピアノを教え、フルートを吹き、高齢になって体調を壊してからオカリナの同好会に入った。そのように音楽好きは何らかの形で音楽に関係して生きる。好きであればこそで、この「好き」が世を動かす。同クラブが「ひまわり」を舞台に立たせたのは、同じ音楽であることと、同好の集まりに関心を持ってほしいからだろう。学生時代や若い頃に楽器を演奏する人はしない人より多いと思うが、そういう人がやがてまた習う気持ちになる時のためにサークル、同好会の存在意義がある。さてオカリナの次は講師の吉田親家さんによるラヴェルの「ボレロ」で、今日の最初の写真下がその場面だ。元が管弦楽曲であるだけに難曲で、本人もうまく演奏出来るかどうかと口にした。後半わずかに危うい箇所があったが、左手で繰り返す複雑で一定の速度を保つ旋律の動きに右手が主旋律を奏でて行く様子は見事であった。
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 吉田さんは多くの場所で後進の指導に当たり、全関西アコーディン協会の理事長で、国際アコーディオンコンクールの審査員でもある。協会やコンクールがあることは学ぶ者には励みになる。特に若い場合はそうだ。また絵画でも音楽でも少しでも若い頃に才能の片鱗を見せていなければ老成はないだろう。それで親は3歳からピアノを学ばせるが、アコーディオンは重さがあるのでまずは他の鍵盤楽器を学んでからだ。それでアコーディオンのレパートリーはピアノ曲とだぶるかと言えば、そうとは限らない。アコーディオンは足踏みオルガンとハーモニカの中間のような響きがあり、この持ち運び可能でありながらオルガンに負けず、ハーモニカとは比較にならない多彩な音色に加え、口は使えるので演奏しながら歌える利点がある。もっとも、このクラブはアコーディオンの演奏を旨とする。さて今日の2枚目の写真は米谷麻美さんで、吉田さんの演奏後、休憩を挟んで彼女は司会の一翼を担い、また演奏もし、今回の公演を仕切った立役者だ。休憩後は「企画コーナー」と題し、フォホーとタンゴが演奏された。前者はブラジル東北部のダンス音楽で、通常アコーディオンとトライアングル、ザボンバ(太鼓)で演奏する。2枚目の写真右の写真のように、今回それに倣って米谷さんはトライアングルを奏でた。続くタンゴでは杉村壽治さんが参加した。彼は3枚目の写真右で、1931年生まれの91歳だ。大阪府立大工学部卒ながらアコーディンに関心を持ち、62年から活動を始め、各地で演奏、『NHKのど自慢』の関西地区の奏者を長年務めた。また全関西アコーディオン協会の会長で、今回の公演は吉田さんとともに関西を代表する二大長老を迎えてのものとなる。3枚目の写真左は司会の男性で、経歴はプログラムに記されないが、米谷さんと冗談を交わし、二度の換気を兼ねた10分の休憩中に客を楽しませるために大いに語り、マリンバを奏でもした。米谷さんは去年大病を経験し、かねてからの念願を先延ばしせずにかなえようと考え、今回の共演を企画した。杉村さんはまず米谷さんの希望によって戦前の古賀メロディの歌謡曲「誰か故郷を想はざる」をソロ演奏し、会場から自然に歌声が湧き起った。次に「淡き光に」と「ラ・クンパルシータ」のタンゴ2曲が演奏され、プログラムには奏者として「杉村壽治とメッチャムーチョス」と記される。そのメンバーの写真が今日の4枚目で、アコーディオン奏者3名が並ぶ。この3台のアコーディオンの演奏は一部にユニゾンがあったと思うが、先のオカリナと同じくおそらく三声部に分かれ、華麗な響きを聴かせた。「メッチャムーチョス」から米谷さんを省いた二名はさらなる休憩後に「パパガイオス」として登場した。米谷さんは彼らと杉村さんとの共演が夢であったとのことだ。来年もこのクラブは同じ場所で公演を開くだろうが、同じメンバーが揃うかどうかはわからない。
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by uuuzen | 2022-11-28 23:59 | ●その他の映画など
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