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●アクセル・ムンテ著『記憶と頓狂』第9章「野生の叫び」
々はヒトの最も低い状態であるほとんど純粋な動物としての狩猟段階から発展して来た長い歴史から学ぶ。野生動物の血に対する欲望は無意識の本能へと次第に進化し、そして数千年の間に文化が我々の野蛮な祖先の間に存在するに至り、生魚を切る石斧で互いに殺し合ったことから現今の狩猟へと変わった。方法は改良されたが原理は同じで、そこには強者が弱者を殺すというすべての動物の種を貫く衝動がある。殺す情熱が動物の本能であることは、それ自体としては根絶不可能だ。しかし人間はやんちゃな幼年の悪癖や彼の先祖が眠る墓の幽霊から逃れようとする高い意識を持つべきだ。人間が動物殺す権利は防御と生存のために限られる。前者は我々の国では例外的にしか起こらず、後者は我々の階級では起こらない。
 文化的な人間は動物に課す隷従に対して動物を保障する義務を認める。人間の範囲を超えて拡張する同情、すなわち動物に対しての親切さは人類が得た最後の徳性のひとつで、より大きな同情は人間において広められ、さらに大きなものは原始的な残忍性から彼を隔てている。この同情が欠けている者はゆえに野蛮と文明化された人間との間の過渡的な者と考えられる。彼は残忍性から文化へと至る人間精神の進化過程で「猿人」を体現している。
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 そのことは国民の世界である大きな社会において人間が合憲の君主ではなく、独裁的な暴君となることを決して意味しなかった。わたしは共和制を夢みたが我々の惑星はまだこの形式の政府となるには熟していない。そう、人間は地球の支配者だ。常に勝ち誇り、血に染まった旗を世界中で掲げており、彼の王国にはもはやどのような限界もない。しかし人間は成り上がるものだ―わたし個人としては高貴な生まれに加えてのあらゆる自慢に騙されない。彼は創造の保育園に神秘的に預けられている捨て子であり、地上の誰よりもはるかに高貴な生まれであると我々に信じ込ませようとしている。彼が特に風変りであることは本当で、威張り散らしていて、しかも早々と充分に傲慢さを示す。すでに、大自然の母性の乳房に吸いつくただの未熟な人間として、彼は地球の他の子どもたちを押し退け、人生の強さを充分深く飲んだ。そして親切な保母や彼より少し弱い里子の兄弟の顔を引っ掻く以前にはほとんど這うことができなかった。それで彼は正真正銘のいじめっ子、残酷な「アダム」として成長し、あらゆる障害を壊し、何事にも反対する強力な権利によって征服して行く。そして選択の原理は彼の顔の角度を広げ、文化は彼の手に握られる。どのようにしてウルサス・スペラエウス(ホラアナグマ)の鎌状の爪は、棘あるいは小枝状の釘や剃刀の刃のような外皮の三つ又から進化したのだろうか? 何がマカイロドゥスの15センチの長さの歯の尖った硬さに対抗し得たか? そして彼らは次から次へと絶滅し、これら征服の巨人たちは過去の暗闇に入った。しかし人間の力はどんどん拡張し、思考をより高いところに飛ばす。地球は彼の足元にあり、彼は今や天国を暴行する用意がある! そして彼は全成功によって甘やかされて来ていて、すべての文明によって洗練されているが、誰かが彼に謙虚な古き彼の祖先を思い出させる時はいつでも彼は貴族ぶって鼻であしらい、そして彼の揺り籠がある世間での彼の関係性は貧しく、彼は宿無しや流浪人に対してとても厳しい。しかし彼はもう若くない。彼が数百、数千年を正しく背負っているかは誰も知らない。そしてわたしは彼が自分の代でなしたすべての悪業がいささか彼に反射し、彼が老齢になって幾分はより親切であろうとする時が来ると考える。最期の人間が死に際して横たわり、新たな冠の創造者が王位を戴く日は訪れる―「王は死に、王は生きる!」
 時代のたそがれの明かりが古生物学の神殿に眠る死んだ君主の大理石の石棺の周りに落ちる。塵が死者の名誉を記す碑文を覆い、彼の勝利を目撃した旗は朽ち果てる。新たな惑星に教授は座し、不思議がる学生によって注意深く吟味される脆い頭蓋骨を順に回しながら、先史時代の遺物に関する講義をする。それは我々の頭蓋骨であり、直立した顔の角度を持つその広い頭蓋は我々の誇りであった! そして教授は「ホモ・サピエンス」について気軽に述べ、顎にまだ見られる犬歯を指し示す。

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by uuuzen | 2022-11-12 23:03 | ●本当の当たり本
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