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●飛び出しボーヤ、その83
拙さを うまく装う 巧みさに コロリ騙され 稚拙さを恥ず」、「稚児さんが 御馳走さまと さまになり ぺこりのお辞儀 親父もコピペ」、「飛び出した 坊やの前に 夕の町 無限の明日の 流れを見たか」、「尊徳に 並ぶ銅像 望むボス 周り忖度 損得計り」



●飛び出しボーヤ、その83_d0053294_12393762.jpg 先月富山で2歳の男児が家の外に出て行方不明になった。近くに用水路があり、子どもがその流れを見ている間に吸い込まれたと想像したが、予想どおり海で見つかった遺体はその男児であった。外で遊ぶのが好きであったその子は、ひとりで靴下を履かずに家から飛び出した時、前に広がる雨上がりの夕暮れをどう思ったことか。親と一緒に近くの公園などに散歩に行く時は天気がよく、他の人も歩いていたであろうから、不安のようなものを感じたであろう。それでも前進したのは好奇心からだ。特に地面と同じほどに増水して流れの速かった用水路は普段はないことで気になったであろう。しゃがみ込んで覗き込みながら、つい先ほど母親に体を洗ってもらった風呂を思い出し、流れに指を入れている間にバランスを崩したのであろう。多くのボランティアが捜索に参加したことには頭が下がる。釣り人が港に帰る途中で遺体を発見したのはせめてもの幸運と思うしかない。親の辛さは同じでも行方不明のままよりはいい。親の不注意が責められそうな事件だが、子どもははやる心を常に抱えていて、大人には想像出来ないことをする。思い出したので書いておく。小学2年生の頃か、息子が夏休みに家内の九州の友人の家にしばらく泊まりに行くことになった。それで筆者と家内は高槻に帰省中の友人宅に息子を連れて行くことになった。家内の実家とは駅から反対方向で、筆者と息子は訪れたことがない。その日の夕方に友人一家はフェリーで九州に戻り、そこに息子を便乗させる約束が出来ていた。駅を降りてすぐ、息子の姿が見えなくなった。息子は家内の実家を目指したのだろう。訪問時刻やフェリーの出発時間は決まっているから、寄り道をしている暇はない。家内と筆者は家内の実家方面を目指そうとしたが、道はいくつかあって、息子が気づいて戻る道を筆者らが前進するとは限らない。待っているべきか、追うべきか。息子には九州に行くために家内の友人の家に行くことは当然伝えてあるから、息子が家内の実家を目指すのはよほどの馬鹿かと内心罵っていると、駅の外にしょんぼりした息子の姿が見えた。家内の実家を目指して勢いよく歩いていたものの、気づくと筆者らの姿がなく、おろおろしながら駅に戻って来たのだ。筆者は安堵したと同時に激怒し、持っていた薄い文庫本で息子の頬を殴った。その途端文庫本はばらばらと何枚かの頁が剥がれて吹っ飛び、すぐそばで誰かを待っていた若い女性の驚く様子が目に入った。筆者は即座にやり過ぎたと思い、今も後悔している。その後息子は筆者と歩く時は筆者のそばを離れず、親離れ出来ていないようにも見えるからでもある。
●飛び出しボーヤ、その83_d0053294_12401804.jpg
 もちろん息子は成人してからひとり暮らしを続け、半年前に伏見のアパートを引き払った後もほとんど家におらず、どこで泊まっているのかわからない。同棲でもしていてくれればと思うが、そんな度胸は息子にはない。度胸は自信で、それは自分で獲得して行くしかない。理由なしに自信溢れる人物をたまに見るが、若い間はそれでちょうどいい加減だ。自信は努力の積み重ねで培われる。それは世間で評価を得ることとはひとまず関係がない。したがってSNSでのフォロワーや「いいね」の数などどうでもよい。こう言えば筆者の思う自信は鼻もちならないと思われるだろう。それを否定したところで、他人は思いたいように思い、筆者はそれをどうすることも出来ない。ところで、筆者は久しぶりに植物の写真を始め、自分で育てた鶏冠鶏頭を連日描いているが、夢中になると3,4時間は花に向かったままで、そのことがとても心地よい。筆者が描いている時の顔つきはたぶんめったに見せない真剣なものと思う。先週金曜日の午後はガレージを貸しているAさんがお金を持参し、玄関前で蚊取り線香を焚きながら写生している筆者に声をかけた。彼女が筆者の絵を見るのは初めてで、彼女は驚嘆の声を挙げ、「本物の花より美しい」と褒めた。その1時間後、今度はご主人を伴なって見物にやって来た。花を描く際、どこが最も難しく、着目すべきかを筆者は伝えた。それは写真ではわからない、あるいはきわめてわかりにくい。対象を凝視して描く素描は筆者の友禅作品にほとんど反映しにくいことではあるが、そういう写生を背景に作品を作っているという意識は重要だ。それが自信につながる。鶏頭のスケッチ1枚に今回は40分ほど要し、それは他者に見せる作品ではないが、筆者の思いを伝えるものという自負はある。息子にそういう筆者の考えを伝えたかったが、息子は絵画に対する興味はなく、また才能もない。では何によって自信をつけ、胸を張って生きて行くべきか。それは息子に訊いてみなければわからないが、親としては健康で好きなように生きてくれればそれで充分だ。もちろん人に危害を加えたり、騙したりしない生活で、その点は大丈夫と思っているが、軟な人格につけ入って詐欺の手先にしたりする輩がいるから、騙されないことが重要だ。子どもは社会に飛び出す。その元気のよさは大人を微笑ませるが、危ない橋をわたっていると思える時、親は注意して諭すべきだ。体罰はよくないが、それも場合によりけりで、愛情からならば子どもはそれを理解する。それに痛みを覚えなければ他者のそれに想像が及びにくい。今日の最初と2枚目の写真は5月27日、久しぶりに自転車で向日市に走った時に撮った。3枚目の小さな「飛び出しボーヤ」に気づいたのは春で、撮影は6月11日、ライヴに出かけ、それが始まるまで20分ほどあったので、丸太町千本交差点北東まで訪れた。
●飛び出しボーヤ、その83_d0053294_12402559.jpg

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by uuuzen | 2022-09-05 23:59 | ●新・嵐山だより(シリーズ編)
●「武勇伝 語る傘寿の 二合酒... >> << ●神社の造形―街中のさまざま祠...

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