「
杏子浮く 酒のとなりに 並べたし マムシやサソリ 芋虫入り酒」、「酒混ぜて 味を試すや 風呂上り 明日はわずかに 果実酒減らし」、「テキーラの 似合う髑髏の 瓶撫でて 飲んで敵斬り 頭蓋盃」、「湯上りに 強き酒染む わが濾過器 細胞震え 精神燃える」
昨夜最後に触れた有名女優Sは若い頃に既婚者の有名ロック・ミュージシャンUと親しい仲になり、それで大きな借金を抱えたと言われる。それが本当ならUはSの体と金をいいようにしたのであって、Sがかわいそうだ。Uの奧さんはSに主人が世話になっていると公言して家庭を守り、やがてUは家庭に戻ってよき夫婦像で売り、大いに蓄財もして有名芸能人一家になった。今は娘が母によく似たキャラでTVによく登場している。Sは破滅型の典型で、Uは一見破滅型に見えて全然そうではなかった。芸能人は人気商売で、その点はどの自由業者も同じだが、画家や文筆家、音楽家などは俳優と違ってひとりで創作し、作品が売れなくても作ることは出来る。俳優は役が与えられてこその才能発揮で、操り人形のようなところがある。自作曲を歌わない歌手も同じで、彼らにはいわば頭の上がらない存在がある。その立場は芸術家とは違う精神的ストレスがあるはずで、また同業者全員が敵であって、いつ足元をすくわれるかわからない。最近有名男優Kが3年前に銀座のクラブでホステス相手にしたことが写真つきでニュースになり、一気に批判が集まってTVから消えることになった。酒癖が悪いとの烙印を押されているが、閉鎖的な高級クラブでの出来事だ。写真も加工されていて、どこまで真実かわからない。ただし恨まれていたことは事実で、それは理由のないことではないと世間は見る。筆者はKが昔TVに出始めた頃の特集で存在を知って以降、Kの演技を見たことがなく、才能云々をどうこう言う資格はないが、声がかからなくても作品を作り続ける芸術家ではないので、女優Sのように後半生は忘れ去られ、大きな借金を抱えたまま死ぬこともあると想像する。そうなったところで俳優にはそれがふさわしい気がしている。数十億円の蓄財をし、子どもに七光りを与えて同じ芸能界で人気者にするなど、つまらない芸能人の代表ではないか。もっと言えば筆者は唾棄したい。Sは金にだらしなかったと言うより、蓄財にあまりに無関心なあまり、周囲の餌食になり、気づけば美貌も失せて仕事がなくなっていた。監督業を目指していたらしいが、それには巨費が必要で、アイデアや脚本がよくても出資者に恵まれることはほとんど無理な話ではないか。独特の顔のSは他に似た顔の女優がいなかったこともあって、筆者はファンではなかったが、美しい女性のひとつの代表に思う。最近寝屋川市議の女性が逮捕された。百億円単位の詐欺を働いていたようで、男女平等の意識が進むにしたがって真にろくでもない女が急増中の気がする。
男優Kの酒癖の悪さは銀座でよく知られていたそうだが、それもどこまで正しいのかわからない。筆者は昔先輩とよく飲みに歩き、いつも3軒は梯子した。ふたりとも絶対に悪酔いはせず、先輩は酒で悪酔いする者を憎悪していた。酒は楽しく飲むものであって、悪態をつく道具にするなど、許されるべきではない。それに筆者も先輩も酒の場に女が同席することが嫌いであった。隣りに商売女をはべらして飲む酒がおいしいだろうか。筆者は全く関心がない。そばにいて酒を注がせるとして、その役目は家内かまあ筆者が好きな女性に限る。筆者が染色工房にいた頃、妻子のある営業の男性Mが女が肉体を武器に商売している店の話をよくしてくれ、たまにそういう店に連れて行ってくれた。京都九条のストリップ劇場や上賀茂御薗橋近くのトップレス喫茶などで、後者は20歳くらいの上半身裸、下はパンツ1枚の女性が2名立っていて、入店した筆者を見るなり、恥ずかしそうにもぞもぞしていた。当時筆者は30歳そこそこで、彼女らにすれば珍しい客であったのだろう。そういう店で高いコーヒーを飲んだところで別段どうってことはなく、筆者はふたりの女性に何の興味も湧かなかった。ある日、Mはお触りバーに行った話をしてくれた。しがない安月給のサラリーマンが行く店で、安価であったのは間違いがない。ある夜、Mはホステスに率直にやらせてくれと言うと、彼女は即座にOKし、ふたりでトイレに入った。ところがMは勃起せず、彼女は不満を抱え、ふたりはトイレを出たと言う。Mは仕事で大きなストレスを抱え、毎晩ビールの大瓶を工房の台所で3,4本飲んでから車で帰宅していた。温和で優しいMは酒で決して乱れず、そのことがよけいに暴飲を促進した。酒に弱ければ大酒飲みにならず、そして悪酔いして悪態をつきやすい。筆者の周囲では甥のひとりが悪酔いするタイプで、友だちをたくさん集めて札をばら撒く癖がある。普段はとてもおとなしいのに不思議なことだが、そういう人物もいるからには、男優Kがホステス相手に鬱憤を晴らしていたとしても驚かない。そして相応の罰が世間から与えられた。酒癖は治らないと言われる。高級クラブで飲んでいたのは接待もあっただろう。そういう人物の策略に嵌るほどに隙があった。つまりお人好しであった。今日の写真は左の酒が「EAU DE VIE DE CERELI VERT」、直訳すれば「緑セロリーの活力の水」でセロリーから作った45度の透明のブランデーで、瓶は鶴のように細長い。他にレモンや洋梨、チョコレートなどの味のものがあって、価格は異なるが、セロリーは2500円ほどだ。右の瓶は昨日紹介したようにコルク栓が中に入ってしまった。ワインに見えるが、マウイ製のパッション・フルーツで作った11.5度の果実酒で、これをセロリー・ブランデー5,6に対して1の割合で混ぜ、カクテルにするとおいしい。
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