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●「新緑の 蔦の眩しき 古家でも 扉に生えず 古老暮らせば」
の輪を 前にわななき 亡き人は 磔よりは ましかと思い」、「前科者 善か悪かを 知りてなお 悪はもてると 悪役面に」、「人間は 辻褄合わぬ ものなりて 型にはまらぬ ことも認めて」、「捨てる紙 披露の後に 拾われず 金目なしでは 縁は生まれず」



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文人画家は旅と読書が重要と説く。それで14日に泉屋博古館で見た展覧会の題名は『旅スル絵画』であったが、「する」を「スル」にして目を引こうとの考えだ。またコロナ禍にあって旅はままならず、せめて絵画で旅を味わってほしいということで、入館予約が不要であったのは、渋い内容であまり人は来ないと踏んでのことか。それでもこの館の企画展ではこれまで以上に入館者は多かった。みなコロナが下火になって天気のいい日はどこかへ行きたくてうずうずしている。ところで一昨日は売茶翁のことを書いた。理由は泉屋博古館の中国古代青銅器を常設展示する本館1階の中庭に面する休憩所に無料のお茶を飲む機械が置かれていて、筆者は冷たいレモン煎茶を3倍も飲んだからだ。小さな紙コップで、3倍でも180CCほどだ。飲みつつ庭を見ると、そこに茶を売る売茶翁がいる気がした。その役割を今は自動の機会が果たす。味気ない代わりに飲み物の種類は豊富で、レモン煎茶はとてもおいしかった。本館と企画展用の別館の間に通路があり、そこから東山が臨める。高層ビルが見えずに気持ちよく、中庭の芝生とわずか数個の花をつける躑躅が相まって新緑の気分は最高であった。それで珍しく筆者は家内に写真を撮ってもらった。その理由として5月の新緑に思い出がある。30歳の誕生日を迎える直前、筆者は染織新人展で『5月の風と雲』と題して友禅訪問着で大賞をもらった。家内はその報せの電報が人生最大の驚きと喜びであったと言う。図録の写真を撮影するのが面倒なのでホームページに載せている写真をリンクさせておく。右手のキモノがそうだ。これと同じ技法で染めたキモノは日本の歴史ではこれが初めてのはずで、糊のみを使って3,4回染め重ね、蝋やゴムは使っていない。この当時から筆者は5月の明るい陽射しを好んでいたのだろう。それは「母の日」の記憶とつながっている。2枚目の写真は昨日撮った。松尾橋から150メートルほど上流の土手沿いで、楓が数本植わっている。10日ほど前、この楓の緑の濃淡に感心し、「5月の風と雲」を思い出し、また同じ気分で別の作品を作りたいと思った。そのこともあって桂からの帰り、この道をわざわざ自転車で走ったのに、新緑は以前と違った色合いになっていた。オンボロカメラなのでなおさら思った色と違う。どうにか近い色に補正したが、それでも違う。写真は現実の感動を伝えない。その現実の感動とは肉眼で自然を見ることで、文人画家が旅を好んだのはそのためだ。絵画に接しての感動が現実でないかと言えばそうではない。しかしめったに強く感動する作品というものはない。
●「新緑の 蔦の眩しき 古家でも 扉に生えず 古老暮らせば」_d0053294_01275809.jpg

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by uuuzen | 2022-05-17 23:59 | ●新・嵐山だより
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