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●「何となく 気になる眺め また撮りて 比べ眺めて いずれ忘れて」
(てのひら)で 掬う花びら 二つ三つ 露天の湯にて 夜桜見上げ」、「花が咲き 毛虫うごめく 裏庭に 吾佇んで 雲行き案ず」、「見た夢を 互いに語る 雨の朝 老いた夫婦の 似た夢不思議」、「たんぽぽの 風の頼りの 種の球 散歩で見つけ 便り届きし」



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ウクライナの惨禍が連日TVで報道され、お笑い芸人の出番が減少したのではないか。電波芸人の出番の激減は大歓迎だが、顔ぶれが変わっただけで、相変らずさほど専門でもない人が放送局を駆け回り、そう簡単に日本のTV界は変わらない。とはいえこれはTVの本質で、ザッパが「アイム・ザ・スライム」で皮肉ったようにどの国も大差ないだろう。ただし共産国はわからない。このたびのロシアとウクライナの戦いが一段落した後、またお笑芸人や無責任なコメンテーターが連日登場すると思うと、今からもうむしゃくしゃするが、まあ嫌なら見なければいいだけのことだ。そう言えば昔よく見たブログがあって、今も投稿が続いていると思うが、書き手は80歳近いと思う。その人はNHKで特別番組の製作に長年携わっていた。ドキュメンタリーやニュース番組だろう。その人がブログに書いていたが、在職中に銀座に飲みに行った時、初対面の紳士と少し話すことになった。相手は大学教授で、TVを「あんなものは駄目です」と言ったそうだ。もちろん否定された側は反論したが、教授は意見を変えなかった。TVが知識人に重視されていないとしても驚くに当たらない。ただしNHKは民法よりはましな番組を作る。もっとも、今はそれがかなり地に落ちて、政府を忖度する姿勢となり、半分以上の番組はNHKが作る必要はない。それに毎月のNHK視聴料は不公平だ。筆者の知る大学教授は一度も支払ったことがない。それに引き換え、筆者の息子は伏見のアパートに住んでいた頃、きちんと支払っていた。筆者は昔から支払っているし、現在息子は同居しているが、二軒分を支払う必要はない。話を戻して、TVがろくでもないと考える知識人が必ず立派かと言えば、絶対にそれはない。TV番組はおおむねろくでもないとしても、優れた番組もある。何でも同じで、玉石混交だ。ただし、玉よりも圧倒的に石が多い。大学教授でも政治家でも宗教家でも、真に立派な人は稀だろう。芸術家も例外ではない。大多数はどうでもいい作品に命を削っている。また表現者でそういう人は始末が悪い。醜い作品で世の中を穢すからだ。それならばいっそ芸術とは無縁の素朴な人のほうが断然よい。筆者はそういう人をこれまで何人か知っている。そしてそういう人のことをよく思い出すのに、いわゆる表現者を自認する知り合いはさっぱり意識に上らない。筆者は一流好きで、平凡な表現者よりかは、作品で自己確認をする必要を思わない無名の優しい凡人、すなわちその意味で一流の人が好きなのだ。ただしそういう人はめったにいない。
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 チェーホフの小説「退屈な話」はなぜそういう題がつけられたのかと思う。そこで書かれる主人公の名誉教授の人生と、また彼が後見人になった知り合いの男性のひとり娘カーチャとの関係が、どこにでもある話ということなのだろう。カーチャは長じて女優になると言い始め、やがて教授の目の届かない遠方に去って同じ舞台俳優の男性と生活して妊娠し、堕胎した後に教授の住む近くに舞い戻って来る。教授はカーチャが女優になることに反対すると、カーチャは教授が芸術に無理解だと言って反発した。数年後に案の定彼女は同棲相手も仲間の舞台俳優たちも、芸術とは無縁のろくでなしばかりであったことを知る。若気の至りで、よくあることだ。まだ若気の至りを自覚したならば救いようがある。カーチャがその点どうであるかは小説からはわからない。というのは教授は何に対しても積極的になれないカーチャにまた女優になれと勧めるからだ。当時のロシアの女優は現在の日本ならTVタレントや歌手、あるいは映画俳優か。そうなりたいと思ってやがてディレクターやプロデューサー、監督の慰みものになる女性は常に無数にいて、そのことを承知でやがて這い上がって有名になる者が稀にいるが、芸術と呼ばれる世界もろくでなしの巣窟と思っておいていい加減だ。最近日本の映画俳優や監督が女優を玩んだことが暴露されている。それこそ「退屈な話」で、今さら何をわかり切ったことをと思う向きは多い。糾弾されている監督や俳優の顔をネットで見ると筆者はなるほどと思う。顔は正直だ。チェーホフの「退屈な話」では教授は自分の子どもの年齢のカーチャの肉体をどうにかするという話ではない。それどころかカーチャは身の処し方を父親代わりの教授に享受してほしいのに、教授は寿命がもう数か月ほどしかないことを自覚していて、適切な言葉をかけてやれない。それでカーチャは失望して去るが、教授にすればカーチャは宝物のような存在だ。その彼女が振り返りもせずに去って行くことは、人生の味気なさをそれ以上にないほどに適切に表現する。カーチャが恋に破れ、中絶したことを知るのは教授のみだが、経済的に困っていないカーチャに父親代わりで何かしてやれるかと言えば、実際問題どの男もどうすることも出来ず、見守る、すなわち突き放すしかない。そしてそういう話も退屈で、チェーホフは人生を退屈と思っていたのかと今のところの筆者の考えだ。だが誰しも長年生きると退屈しがちで、TVなどはその最たるものだ。それは出演者がみなどうでもいい者ばかりがどうでもいいことをだらだらと話すからだ。しかもなぜみんな偉そうに得意顔なのかが不思議だ。一方YouTubeは筆者はすぐに飽きた。今はもうほとんど見ない。それは芸術性からは最も遠い表現手段で、映像で芸術を目指すのであれば本格的な映画だろう。ただしそれもおそらく大半はろくでもない。
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 今日は退屈な話を書いている。写真が4枚なのでもう一段落書く。ちなみに写真は阪急嵐山駅前で、改札を出て右手だ。最初は去年8月3日、なぜかこの角度で写真を撮りたくなった。2枚目はそれを意識して11月8日に撮影、3枚目は今年2月17日、4枚目は昨日で、桜が満開になった。5月になれば新緑となり、夏場は明るさが増し、想像出来るような写真が続くので、この後はもう撮るつもりはない。先月末にヴィヴァルディの『四季』について書いたが、桜を見て死期を感じるようになったからではなく、それどころか筆者はまだ士気があると思っている。とはいえそれもいずれ失せ、チェーホフの「退屈な話」の主人公の教授の心境になるのだろう。そう思うこともまたそうなることも「退屈な話」だが、人生はそのようなものだ。それがわかりつつ、またたまには気分が爽快なこともあるかと自分を「そうかいな」と納得させるのだろう。話題癲癇。世界がロシアとウクライナのいわば兄弟関係にあるような国同士の、それゆえに内乱と言っていいことに対してどこまで歴史を遡って問題の根源がわかるのかとなれば、日本ではまあ無理な話だ。また自分なりにわかったところで、それゆえにどうすることも出来ない。それに歴史は分析の仕方でどうにでも見える。先日書いたように、前世紀の30年代にあったスペイン内乱では他国から義勇兵が参加し、共和国に対して反乱を起こしたフランコ軍を倒そうとして銃を持ったが、ソ連が共和国側につき、イタリアやドイツがフランコを支持した。そのことは現在ではわかりにくい事実だ。ゲルニカを爆撃したのはドイツの飛行機であったはずで、国境を陸続きで接するヨーロッパは国の形が様々に代わり、さまざまに侵攻し合って来た。それは完成を見ず、絶えず変化していると思えば、今回のロシアの行動もその一環かと何となくわかった気になる。道理が通らないことは個人でもあって、まして個人の集積の国家となればいつ変節して暴走するかわからない。日本の左翼がいつの間にか極右になった例はあると聞くが、共産主義、民主主義という言葉は曖昧さを内蔵している。だいたい言葉自体がそうで、それを使う者は自分のつごうのよいようにそうする。共産主義が絶対君主制に近いことは誰でも知るが、民主主義がより平等かと言えば、それも時代によって歪みが生じ、多くの問題を抱える。ロシアのウクライナ侵攻によって1,2年後にさまざまな分野で問題が深刻化すると嵯峨のFさんは言い、同じく「風風の湯」の常連のTさんは早速関西電力の警備員の仕事がひとまずなくなったそうだ。理由はドイツのシーメンスが関係しているとのことで、日本では今後電気料金のほか、小麦粉の価格が高騰し、物価は押しなべて上昇するだろう。そうなれば「風風の湯」も値上がりし、そうなれば2日に一度を3日に一度にする必要が生じるか。日々退屈ながら、それは贅沢だと思う。
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by uuuzen | 2022-04-07 23:59 | ●新・嵐山だより
●「テレビでは 照れは御法度 ... >> << ●「花の道 年に一度は 歩きた...

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