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●『生きた建築ミュージアム大阪セレクション―喫茶「マヅラ」』
重に 扱いてなお 事故はあり 誰もが主 油を絶やすな」、「話すこと なくても楽し 喫茶店 斜め向かいに カップル座り」、「あの時の コーヒーの味 忘れても 笑顔と声は いつでも浮かび」、「ウクライナ 売るくらいなら 暗い世に ロシア食らうは 否のCRYや」



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17日に大阪中之島美術館に家内と出かけ、昨日まで連続4日でその感想を投稿した。「その1」の2枚目、「その2」の5枚目、「その3」の3枚目下に家内の後ろ姿が写っている。すべてたまたま入り込んだ。どうでもいいことついでに書いておくと、「その3」最後のヤノベケンジ作の猫を象った野外展示の彫刻には撮影する筆者の姿が反射しているが、小さいので筆者でないとわからない。この野外展示は去年夏に見た時と全く同じ場所にあるのかどうか。館前に広場があって、そこを野外彫刻の展示に使えば、20作品ほどは据えられるのではないか。ぜひそのようにして無料で見られるようにしてほしいが、ヤノベケンジの作品ばかりでは面白くない。鑑賞に筆者らはだいたい2時間半を要し、帰りは南隣りの国立国際美術館に立ち寄り、チラシ類をもらった。同館の企画展にはコロナ禍になってからは訪れていないが、目ぼしいものが開催されているのだろうか。この2年は展覧会人気もかなり下火になったと思う。そういう中での中之島美術館のオープンは明るい話題となった。美術館からの帰り、どこかで食事することにした。探すのが面倒でもあって、昔から前を素通りしていた間口の大きな、昭和の雰囲気のするレストランに入った。ところが入った瞬間、家内も間違ったと思った。注文した料理は店前のメニューとは違ってパンは添えられず、家内の注文したパスタは小さな海老がとても冷たかったと言う。冷凍物をほとんど解凍せずにパスタに載せたのだろう。パンが出ないことをウェイトレスに注意してもよかったが、料理の量が多く、たべ切れないので言わなかった。家内は50円でもまけてくれればと言ったが、それくらい残念な部類の店であった。店内にはネットで酷評しないでほしいと記した紙が貼ってあって、幻滅の腹いせに悪口を書き込む人がいたようだ。ケーキとコーヒーも注文するつもりでいたのに、値段がわからない。1000円以上は確実で、家内は食べ終わった直後に外に出たがった。その後は往路とは違って堂島地下センターに潜らず、地上を梅田に向かった。家内は嫌がったが、去年12月に北新地にあるクリニックで25人が焼死する放火事件があり、その現場の前を歩くためだ。そこまで来ると相変らず歩道の端に花束がいくつか置いてあった。ビル1階の出入り口は閉鎖され、人気はなかった。ペンシル・ビルのワン・フロアではガソリンを撒かれて火を放たれるとひとたまりもない。同類の事件に遭遇しないためにはそういうビルには入らないに限るが、無理な話で、いつどこで災害に遭うかわからない。
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 17日ついでに西梅田の大阪中央郵便局で去年秋に発売された北斎の「富嶽三十六景」を図案にした国際文通週間の切手3種を買うつもりでいた。お年玉年賀はがきの末等が1枚当たり、その小型シートを受け取りに右京区の西郵便局に歩いて出かけたことは先月書いた。その後気になりながら、大阪中央郵便局にはあるはずと思ったのだが、同局は確か数年前に利用不可になり、解体されたかもしれない。それで道路を西に横断せず、北進して地下に潜った。そこは堂島地下センターのちょうど北端で、そのすぐ先に地下鉄の西梅田駅があり、家内は気にしていた喫茶店を急に思い出した。家内は「風風の湯」の玄関脇に常に置いてある阪急電鉄の広報誌「TOKK」を毎月欠かさず1部もらって帰る。先月の同誌に梅田第1ビルの地下にレトロな喫茶店が写真つきで紹介されていた。家内は興味を抱き、その店内の写真を筆者に見せた。筆者はすっかりそのことを忘れていたが、駅の改札の真横にある第1ビルの地下の出入り口に至った時、家内はその喫茶店を思い出した。そしてそれらしき喫茶店の広告を、筆者は家内と立っていた場所から10メートルほどのところの壁に見つけた。店の場所を店表示板で調べると地下1階にある。エスカレーターで上がると、すぐに同店がわかった。「マヅラ」という名前だ。これは「松浦」ではないか。茨城の五浦は「いつうら」ではなく、「いずら」と読むからだが、「松浦」は「まつら」かもしれない。ともかく筆者は同店の経営者は九州平戸の出身者かと考える。そこには理由がある。江戸時代の中之島には各藩の蔵が立ち並び、そこには膨大な量の随筆集『甲子夜話』で有名な松浦静山の平戸藩もあった。彼は来阪すると蒹葭堂と会った。明治に藩がなくなった後、松浦家の者、あるいは平戸の松浦郡の住民が中之島にほど近い場所に居をかまえ、その末裔が喫茶店を経営したことはあり得る。それはさておき、店に入ってすぐ、ウェイターはたばこを吸うかと訊き、吸わないと応えると奧に通された。1970年開店で、内部はかなり広く、椅子やテーブルなど、昭和のままだ。干し柿入りのチーズ・ケーキとコーヒーのセットが500円で、迷わずそれを注文した。今時その価格でくつろげる喫茶店は珍しい。ピアノ伴奏によるサックス・ソロのジャズが終始鳴りわたり、演奏者はスタン・ゲッツ辺りではなく、日本人のように感じた。半世紀近く前、家内と筆者は梅田第1ビルで何度か食事をした。その店はもうないと思うが、注文聞きの小柄で初老のおじさんはよく覚えている。生きていれば百歳くらいか。それはともかく筆者は第1ビルをよくうろついたのに「マヅラ」を知らなかった。家内がたまたま情報誌を見たことで案外早く訪れることが出来た。また先のレストランでコーヒーとケーキのセットを追加注文せずによかった。
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 ウィスキーのジョニ―・ウォーカーが1杯500円であったか、喫茶店内に特別に紙に書かれて貼られていた。筆者の世代ではジョニ赤、ジョニ黒は有名で、後者が割高でめったに飲めなかった。20分ほどで店を出ると、出入り口の横に大きなジョニ―・ウォーカーの宣伝用の彫像が置かれていた。昔から契約しているのだろう。通路に面したガラスには同店が出来るまで、つまり1970年以前の古い店やそれが取り壊されて第1ビルが建設される様子の写真が貼られていた。昔は名曲喫茶で、屋号は同じだ。再開発で店が取り壊され、新たに建った第1ビルの最もよい場所に同じく喫茶店を経営するための権利を得たのだろう。筆者が成人した頃は第1ビルが建ったばかりで、東隣りの第2ビルは建っていなかった。そして阪神百貨店の南側は再開発のために民家が取り壊され、だだっ広い広場になっていた。そこを先輩と冬場の夕暮れに歩いたことがある。すると30歳くらいの、またそれなりに美しい顔立ちのお姉さんが「お兄さん、どう?」と声をかけて来た。「立ちんぼ」と呼ばれる売春婦だ。先輩は女嫌いで、特に性を売る女性を呪詛していたので素知らぬ顔で通り過ぎ、大阪駅前に出た。そういう女性は今はSNSによって客引きに困らず、何でも便利になった。さて「マヅラ」を出た筆者は梅田第2、3、4ビルと順に内部を通って東梅田に行くことにした。外は寒いし、東梅田から天神橋筋商店街に向かうためだ。「マヅラ」を出てすぐ、地下の一角に「大阪中央郵便局」の文字を認めた。西梅田の地上にあった古いビルはやはりなくなり、第1ビルの地下1階のごく狭い場所に転居しているのだ。早速目当ての北斎の切手の在庫を愛想のきわめてよい若い男性局員訊ねると、あると言う。3枚をビニール袋とともに手わたされた後、ビル内部の通路を東梅田に向かうと、立ち飲みの店がたぶん20軒はあって、どこも賑わっていた。これではコロナ感染者の多さは納得出来る。地下鉄の東梅田から梅田地下センターを歩き、しばし買い物をした後、地上に出て阪急東商店街に入り、そこから堂山町のLIFEで買い物、その後天神橋筋商店街に行ってスーパー玉出でまた買い物、両手いっぱいになって満員の阪急電車に乗り、満月を思い出したのは電車を淡路で乗り換えてのことだ。当夜のムーンゴッタをどうにか撮ったことは先日書いた。また家内の話になるが、去年11月から両手に痛みが生じ始めた。それが次第に悪化し、今では水道の蛇口や瓶の蓋を開けることは出来ず、重い物は全く持てないでいる。幸い足に痛みが回ることは稀で、17日は筆者とともに中之島や梅田界隈を5、6時間歩き回って平気であった。馴染みの町医者は膠原病にまつわるリウマチではないかと診断し、紹介状を書いてくれたので、先週月曜日に桂病院で4,5時間要して検査を受けた。明日その結果が出る。
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by uuuzen | 2022-02-27 23:59 | ●展覧会SOON評SO ON
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