「
捩るほど 強くなること 命知る ゆえに遺伝子 二重の螺旋」、「ねじりパン 耳脇に添え お下げ髪 埴輪作りの ユダヤのふざけ」、「切り取りを してはつなぐを 繰り返す 次はどうかと 遺伝子遊び」、「寝転がり 言葉組み換え 短歌詠む 底冷え増して 外は雪夜か」
今朝パソコンを開くと昨日の深夜11時頃にザッパ・ファミリーから3月18日発売の新譜予告メールが届いていたことを知った。先日大西さんから『ワカ・ジャワカ』の50周年記念盤が出そうとのニュースがあったが、虚を突かれた感じでまずは1971年の音源が先となった。そのほうが時代順でよい。ともかく今回の予告メールの画像によれば、体裁は2年前に発売されたボックス・セット『The Mothers 1970』の続編で、箱は同じCDサイズ、CD枚数は倍の8枚だ。この2種のセットの間に先月の6枚組『200 MOTELS』が位置し、フロ・アンド・エディ在籍時の未発表音源の総ざらえが完成する。これら3種のアルバムをレコード棚に並べると、それだけでは立たない中央の『200……』を両側からブックエンドのように挟み、その見栄えが悪い凸凹は収まりの悪い統一感のなさがザッパらしくてよい。ザッパ・ファミリーから直接買うファンはアメリカにはいると思うが、ザッパ・ファミリーがユニヴァーサル・ミュージックと契約して以降、新譜はアマゾンでも買えるようになった。筆者はアマゾンに頼っているが、日本のアマゾンではまだ予約受付は始まっていない。価格は『……1970』の倍とすれば1万1000円から2000円という計算になるが、LPサイズの箱入り仕様の『200……』よりはパッケージ経費が安上がりのはずで、『200……』よりは安価になるだろう。今回は音源全部をCDに収めると8枚では済まなかったのか、収録曲が補完関係になる3枚組LPが2種出る。ニューヨークのフィルモア・イーストとロンドンのレインボー劇場でのライヴで、前者のジャケットは71年発売のカル・シェンケルによる文字のみ白地のオリジナル・デザインを踏襲し、後者は劇場を真正面から捉えた線描きを白抜きにして青地に印刷する。前者はジャケット裏面の曲目表記も新たにカルが書くのかどうか、そうであれば入手したい。後者は8枚組CDの7枚目後半と8枚目と同じ曲目で、CD主義の筆者の食指の動きは鈍りがちだ。本当の意味での新譜ではなく、生前のザッパが40分程度しか収められないLPに出来のよい演奏をその何倍もの長さからどう選び、どういう順序で組み合わせるかを試行錯誤した元の素材集で、その編集過程を知ることが最大の面白みだ。ザッパ研究には欠かせないものの、ザッパの音楽を手軽に楽しみたい人向きとは少々言い難い。それはさておき、20歳の筆者が最初に聴いたザッパのLPが3枚組になって半世紀ぶりに再登場するのは感涙もので、「Tears Began To Fall」が頭の中で鳴り響く。
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