「
禿山で 一夜過ごせば 魔物なり むさ苦し好き ムソルグスキー」、「新しき 形の菓子や いとおかし 同じ味でも 愛しさ新た」、「おっとっと イルカ潜れぬ 深き海 まだまだいるか うぉっとする魚」、「おっとっと 川の魚で 新型を 味をどうする やはり塩かと」
1か月ほど前にまたスーパーで『おっとっと』の新しいパッケージを目撃した。今度は深海魚だ。いつものように2種類の箱があって、迫力のある「チョウチンアンコウ」と「リュウグウノツカイ」がデザインされている。以前の
恐竜や
ピカチュウと違って、深海魚はいわば『おっとっと』の先祖返りヴァージョンで、箱の側面に「いつものなかま 9種類」と並んで「いまだけのなかまたち 全17種」が紹介されている。買ったまま放置していた2箱の計4袋をようやく開け、いつものように中身を確認したのが今日の2枚目の写真だ。前者9種類はすぐに揃い、後者17種のうち、側面の右下に印刷される「アノマリカリス」のみが入っていなかった。その代わりに写真右下の青で囲った出来そこないの「不明魚」が混じっていた。「アノマリカリス」は昔NHKのTV番組で紹介された化石で知られる海の生物で、全17種では例外だ。それで4袋の中には入っていない希少価値扱いか。魚の骨のような、また平均よりは小さな形のものがあって、箱の側面で確認すると「シーラカンス」とある。何億年か前から棲息する魚で、実物は長さ1メートル以上はあるはずが、その貫禄にふさわしくない小さな形だ。これではシーラカンスに気の毒で、この菓子を手に取る子どもたちも同感だろう。ひとつずつ確認すると、「タツノオトシゴ」のように誰が見てもそれとわかるものもあれば、「デメニギス」や「ラブカ」のように実物が目に浮かばないものもあって、箱の隅に印刷されるように、「学研の図鑑」と照合する楽しみがあるという仕組みだ。それはスマホでアクセスするが、そのためのQRコードは箱の蓋を開けた内面に印刷されている。スマホがなければパソコンでも可能だが、調べるつもりはない。今日の冒頭の句にも書いたように、新たに取り上げるものとして川魚が残っているのではないか。ただし、鯉や鮎、鯰やザリガニと数え上げると、種類はさほど多くなく、また地味なので売れ行きは期待出来ないかもしれない。もうひとつ考えられるのは熱帯魚だが、それは鮮やかな色や模様に特色があり、外形のみで特徴を示す必要のある菓子では採用しにくい。もっともこういうことは商品開発部がとっくの昔に考えているはずだ。次にどういう展開があるかそれなりに楽しみで、新たな形とは別に新たな味という方法以外に、思い切ってかなり大型にするという手もある。つまり「鯛焼き」ほどに拡大するのだが、そうなれば中に餡以外に何を詰めるかという新たな選択肢が生まれる。「アノマリカリス焼き」が販売されれば筆者は喜んで買う。
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