「
奪い合う 客はおらずに 店閉じて 疫収まれと 願わぬもあり」、「支援金 もらい続けて 働かぬ 公平なきは 世の常のこと」、「ピンポンの 音の響きの 再開や コロナを抜けた 老人元気」、「毎日が ハロウィーンと 変わりなき テレビのみんな 仮装で仮想」

先ほど家のドアのチャイムが鳴った。夜の8時半だ。家内が半ば恐々出ると、「風風の湯」の常連の85Mさん夫妻であった。おかきやキャンディなどを詰め合わせた菓子包みを差し出しながら奥さんはこう言ったそうだ。「ハロウィーンでは子どもにお菓子を上げるでしょ。あたなはまだお子ちゃまだから。」奥さんの年齢は家内よりたぶん7,8歳上で、それで家内をお子ちゃま呼ばわりするのは茶目っ気がある。先日りんごや柿をまとめ買いし、親しい数人に分けて配ったことの返礼だろうが、いただいている回数のほうが多い。今日はばたばたしていて「風風の湯」に行かず、それで85Mさん夫婦は風呂の帰りにわが家に足を延ばしたのだ。キャンディやチョコレートはハロウィーン用の包装紙で、またハロウィーン用デザインの特製金太郎飴もあって、子どもでなくても楽しくなる。早速キャンディやラムネ、チョコレートを取り出してジャック・オー・ランタンの顔の形に並べて写真を撮ったが、光の加減でうまく写らず、没にする。菓子メーカーはハロウィーンが商機になって賑やかしに一役買っている。最近スーパーの出入り口を入った正面の台の両端に、全体で骸骨一体の正面姿を模した長さ60センチほどの菓子の連なり一式が2,30袋売られていた。小さな子の目の高さに吊られ、母親と一緒に店内に入った子どもはすぐにそれに目と留めてほしがるだろう。税込みで300円程度なので親は買ってあげるはずで、それを手にした子どもは大喜びする。その様子を想像しながら筆者はしばしその商品を眺めた。数日後にそれは2,3を残すのみで、売れ行きはよかった。ハロウィーン用の商品とは言えないが、それに便乗した形だ。小さなメーカーの商品で、それをデザインした人の人柄も伝わるのがよい。先日聖護院八つ橋がハロウィーン用の商品を販売していることを書いた。京都の伝統的な和菓子を作る店にすれば、ジャック・オー・ランタンを模した菓子を作ることは技術的にたやすく、そういう商品が売られたかもしれない。85Mさんの奥さんは和菓子好きで、今度会った時に訊ねてみよう。今日の写真は4日前にJR嵯峨嵐山駅南西のJRの施設の一角で、たまたま目に入った。普段は「さざれ石の庭」とされている場所で、そこに半ば雑然とジャック・オー・ランタンが並べられる。出入り口正面の二宮金次郎の像の足元にもついでにひとつ置かれ、意味不明の眺めを呈している。この施設は昔JRが民営化された頃、無料で洋蘭をたくさん展示し、何度か写生に訪れた。嵐山に観光客が戻りつつあり、またオープンしている。何かのジオラマが見られるようだ。

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