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●阪急嵐山駅前の駐輪場、その13
人は カメラで追われ 即逮捕 捕らえる者も 監視されるか」、「知らぬ間に 規則定まり 怒りても お上相手に ぼやきで済まし」、「葡萄見て 怒り覚える 本好きの 知らぬ心の スタインベック」、「盗まれた 自転車さびし 駅前に 雨に濡れつつ 持ち人知らず」



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今日の写真は6月17日の撮影で3か月ほど経った。この駐輪場の写真はもう3,4回分ある。投稿するつもりで保存している写真が最も多いのは神社だ。撮ってすぐにブログに使えばいいものを、機会を失うとなかなか使う気になれない。買ったまま読まない本、着ない服があるのと同じだ。数十前に出版された古本を買うと、たまに全く読んだ形跡のない場合がある。栞紐などの状態でそれがわかる。読まなければ買った意味がないかと言えば、持っているだけで安心することがある。それにページをめくるだけでだいたいの雰囲気はわかる。そこで筆者はよく考える。先日ロジェ・カイヨワの『バベル』を読み終えたが、途中で何度か読んだ記憶が蘇った。たぶん20年ほど前に半分くらい読んでいたのだ。それで今回全部読んで安心したかと言えば、一度読めば充分な本もあるが、何度読んでもすっかり理解出来たと思えない場合もある。翻訳のまずさも手伝っているかもしれない。それをひとまず置いても、本の内容が理解出来るとはどういうことかと考える。それにはいろんな段階があり、また読み方もある。前者は長年経って読み返すと、以前には気づかなかったことがわかったりする場合だ。同じ著者の他の本も読んでいるとなおさらだ。後者の「読み方」というのは、本の内容そのものとは別に著者の個性に思いを馳せることだ。そのことは切りがない。相手は他者で、読者のことを何も知らないから、読者が本を通じてその著者のことをあれこれ思うことは考えてみれば暇あっての呑気ゆえだが、『こういう考えをする人は面白い』と思えるのであれば人生の得で、そのような一方通行と言ってよい関係は一種の信仰にもなって心の平和に役立つ。その最たるものが『聖書』だ。キリストの顔や声、体格や姿勢も何も知らないのに、常に億単位の数の人々が『聖書』を通じて神に思いを巡らす。カイヨワは「聖なるもの」について研究し、そのことは何冊かの本に書かれたが、筆者がよく神社を訪れるようになったのは、信仰はひとまず置いて、その「聖なる造形、空間」に興味を抱いたからで、カイヨワから間接的に影響を受けている。他にも、たとえば上田秋成からも感化されたが、彼への関心上には本居宣長や藤原惺窩がいるが、なかなか国学関係の本を読む時間がない。簡単な概略程度はWIKIPEDIAで知ることが出来るが、それは読書とはほど遠い。ところが世間ではなるべく簡単に物事をまとめて発言する連中が人気を博し、大金持ちになる。いつの世も騙されやすい、騙されたい人が大多数を占めているからだ。
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 最近のニュースに、YouTubeで映画を10数分にまとめた映像を投稿していた人が罰金刑となったというのがあった。1時間半から2時間の映画を10数分で理解出来るのはありがたいと思う人がいたので、調子に乗って著作権を無視したのだ。筆者はよく映画の感想を書きながらその結末を明かすことがあるので、そういう文章と、先の10数分に編集し直した映像との差は何かと考えるに、一本の映画の内容を何百冊もの百科事典のような本で説明しても、それは書き手の個性を示すだけであって、映画とは別のものであることだ。それで映画を楽しみたい人は映画を見れば済むが、映画を見るには金も時間も要し、だいたいの内容を予め知りたいと思う人がいることはわらないでもない。筆者は前知識なしで映画や本、音楽を楽しみたく、ほとんど他者の意見を参考にしない。最初からつまらないと思うような作品は除外しているからだ。その意味では偏見があるが、金をやると言われても筆者はアニメは見たくないし、他にも同様のものが少なくない。それはクラシック音楽を全然聴きたくないという人がいるのと同じで、人はみな自分に忠実に好むものを見つけて行く。それでたとえば他人が編集し直した10数分の映画を見て、金も時間も得したと思う人が多いことも理解出来るが、彼らは関心が広い割りに、おそらく物事を深く考えることが嫌で、ただ話題について行く、今に生きている感覚を抱くことだけに熱心だ。ところで、毎日筆者はパソコンのスイッチを入れてヤフーの画面を生じさせ、その中央欄の上下に30か40ほど列挙される話題のニュースを日課として確認する。ところがそれが苦痛になっている。フランス在住の口だけ達者な男の話題があまりに多いからだ。ここしばらくは必ず最上段に顔写真とともに、彼が何を言ったかという見出しが表示される。知識人とは無縁の、そういう口先男は詐欺師の典型だが、世の中は相変わらず詐欺が最も儲かる職業だ。ヤフー・オークションではある出品者の商品を表示させないような仕組みがあるので、ヤフーのニュース画面も利用者の操作によって嫌いな人物は見なくて済むように出来ないものか。話題を戻す。人生の時間は限られているので、1本の映画を10数分で見たいと思うのは人情かと言えば、映画ばかり見て人生を過ごせないので、たまたま気に入った作品やそこから派生する作品をじっくり楽しむほうが思いが充実するのではないか。簡単に言えば、広く浅くか、狭く深くだが、それは微妙に違う。広い狭い、浅い深いは客観的に定められず、また自分でわかるとはいえ、それは自惚れに近い。結局のところ、自分自身でさえあまり何もわからないまま人生は終えるもので、他人の作品などいわばどうでもよく、自分が創作するのが最もよい。そう思って前述の映画のダイジェスト版を加工してYouTubeに載せる者がいる。
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 「風風の湯」の常連では最高齢者の85Mさんが最近気になることを言った。どんな音楽でも一度聴けばわかると言うのだ。長大な交響曲でもそうだと言うので、筆者はもう黙った。その「わかる」というのは、退屈だなとか、激しいなとかの単なる音への反応で、ある楽章のある個所のある楽器のどの音が特によかったというような聴き方ではない。もっと言えば音楽を好んで聴かない。先日チョン・キョンファについて少し書いた。筆者は彼女の演奏を可能な限り、他のヴァイオリニストの演奏と聴き比べている。そういう話を85Mさんにはしない。それはさておき、同じ演奏は聴き込むほどに味わいが増す。もちろんそれも限度があり、たまにほかの演奏を聴いて気分転換すればなおさら味わいは深まるが、そんなに多くの音楽、あるいは映画の鑑賞は必要ないのが事実として、個人差があり、10数分で新作、話題作はひととおり経験したいと言う人がある。話が堂々巡りになるが、聴き込みたいと思わせる曲と巡り合うことは幸福で、それはあまり多くは必要ない。人間関係と似ているかもしれない。85Mさんとは会えば必ず世間話をするが、昔85Mさんは長年『芸術新潮』を購読していたというのに、絵画やその他芸術のことはほとんど知識も関心もない。少し話をすればそれはわかる。それはそれとして、「風風の湯」では顔を見なければさびしい。他の常連も似たようなもので、当たり障りのない話に終始する。それに、仮に芸術の話になったとして、それもある程度当たり障りのさい話になることは確実で、自分が好きなものはあまり口外せずに自分ひとりで楽しめばいい。芸術作品とは元来そういうもので、個と個を結び合わせるものだ。ところがSNSでは個と個のつながりと見せて、個対多数のその多数が多いほどに個は自惚れる。そして個と多数の間には親密さはただの幻想に留まる。このブログのコメント欄を閉じているのは、個と個のつながりはあっていいと思うが、筆者にとって相手の顔や居場所がわからない状態では対等ではなく、親密さは湧かない。それでこのブログにコメント出来なくても、読者はたとえば筆者がカイヨワの本を読んでその内容や彼の気質をあれこれ思う楽しみと同じことはあって、それで充分ではないか。そう思うことに慣れたので、誰がどう読んで何を思うかについてさっぱり興味がない。筆者がネット上の誰かに興味が皆無であるのと同様、誰かが筆者に興味を持っていると信じないほうがよい。それはある意味では生きているのに死んでいることだ。また逆に言えば死んでも筆者は生きていることになる。ただし、こうしたブログは遅かれ早かれ消えてしまうので、やはり形ある本がよい。それでどんどん本を書きたく、またその材料はいくつかあるが、執筆中の本が今日の駐輪場の写真のように工事中で、しかも先の見通しが立ちにくい。
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by uuuzen | 2021-09-23 23:59 | ●駅前の変化
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