「
障る音 楽しむ人の いることを 謗れば倍の うるさきを浴び」、「大人とは 音なしのこと 知りてなお 音を立てずに 暮らしも立たず」、「苦楽知り 暗く暮らして おとなしき かそけし音を 恨まれ刺され」、「沈黙が 鐘に破られ 皆走る 金を求めて ひがな一日」
去年8月1日に第2回の大ザッパ会があった。コロナ禍のために客は8人限定であったが、今年も昨夜、同じ場所のパラダイス・ガレージで同じ人数規模で開催された。猛暑の中、集まったメンバーも主宰者の松本さん以下、ひとりを除いて去年と同じで、同窓会気分だ。最も遠方は垂水の畠中さんで、彼はみんなに配るために昔字幕つきで放送されたザッパの『200モーテルズ』をDVDに焼いて持参した。筆者は去年同様、おみやげを用意し、その外袋の絵を昨日の正午前後に裏庭に出て1時間ほど費やして10枚描いた。それを並べたのが今日の写真だ。去年と同じく裏庭で育てている鶏冠鶏頭の絵だが、今年は種子を蒔くのが遅く、かろうじてごく小さな花穂が見える程度だ。鉢は4つあり、そのうち最も構図にまとまりそうなものを選んだ。もっと大雑把に描いてもよかったのに、最初の1枚が細かくなり、2枚目以降もそれにしたがった。この1年間、ザッパ関係で最大の出来事は、アレックス・ウィンターが監督した映画『ZAPPA』のDVDが発売されたことだ。昨夜はその鑑賞会となった。筆者はそのDVDとともにアレックスが企画したクラウド・ファウンディングへの支援者に送られたその他のグッズも持って出かけた。とはいえDVDは本編2時間で、9時閉店から逆算して筆者の語りは長くは取れず、映写前に15分ほど話した。持参したDVDはアマゾンで売られているものとは違ってボーナス映像が数十分収められるが、どれもザッパに雇われたメンバーのインタヴューで、視覚的には面白みがない。現在このドキュメンタリー映画の日本語字幕つきは未発売の様子だが、『200モーテルズ』と同様、字幕がなければ理解は難しい。また本作はたとえば新聞記事の見出しなどの文字で話の流れを理解させる場面がままあって、日本語字幕をつける場合はそれらもすべて適切に訳す必要がある。それが尽くされたとして、鑑賞者は字幕を追うのに必死になって、画面に込められた意図を理解することが疎かになりやすい。その意味で何度か見て監督の意図が理解出来るという内容だが、大きくまとめると「家族」と「作曲家」の2点にテーマが絞られる。これはゲイルが望んだことだろう。この2点をザッパ並みに充実させた音楽家は日本にはいない。またロックではしばしば前者はなくていいもののように思われ、後者もごく狭い領域に留まる。それもあって特に日本ではザッパは理解されにくいが、アメリカでもほとんどそれは同じだ。それでザッパの熱烈なファンはヨーロッパに多く、そのことは本作からもわかる。
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