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●西国街道、その13
うことに 首を垂れる 礼儀あり 今はスマホに お辞儀もせずに」、「神戸には 垂水区あるを 知ればなお こうと思えば 野垂れ死覚悟」、「意味なきを 意味が不明と 言い替える 人の意識の 優しさ不明」、「名神に 突き当たりての 街道に 迷信あれば 月も当たるや」



●西国街道、その13_d0053294_17042508.jpg
昨日の続き。西国街道に至る川沿いの道についての写真と文章であるので、題名はふさわしくないが、さりとて他に思いつかない。今日の最初の写真は前方遠くに白い覆いのある名神高速道路が見える。2枚目はそのすぐ手前の橋の東の畔で西向きに撮り、当日歩いた西国街道の起点だ。次回の西国街道歩きはここを起点に橋を西に越え、モノレールの駅がある吹田市までとなるが、富士正晴の家の近くを歩くという別の目的がなければ、見所はほとんど何もなさそうだ。そのモノレール駅からさらに西に進むと箕面市に入り、阪急の箕面線のとある駅に至るが、わが家からは交通費が増える一方で、それに見合う珍しいものを見つけなければ、歩くことに魅力を感じない。立ち寄るものとして神社があるが、今回茨木から高槻までの街道沿いに神社はなかった。参道はあったが、街道を外れて北に向かうのが面倒で立ち寄らなかった。ところでここ1か月ほど、筆者は「ヒロシの迷宮グルメ」というTV番組を知って火曜日に録画しているが、水曜日にも別の内容が放送され、それはネットで見ることが出来るので、毎週2回楽しんでいる。彼が世界各地のほとんど観光客が訪れない鉄道の駅に下車して食堂を探して食べる様子を紹介するのは、グーグルのストリート・ヴューでどの街の様子もわかるようになったことを反映し、また彼のろくに英語も話せないゆるい人柄もあって面白い。その彼が先日、「二度と訪れない道」と口にしていた。それは番組とは関係がなくても誰にも同じ経験はあり、人生の真理の断片を物語っている。学も知識にも乏しい彼だが、学者が同じ役割を担当しても面白い番組が出来るとは限らない。学の程度と人間的面白みは比例せず、むしろ彼のように各国の言葉や文化に無知な者が街歩きをしている様子を眺めて「あの場面ではもっと注目すべきところがあるのに」と残念がるところに人気があるだろう。彼は番組で頻繁に各国を訪れるあまり、ある経験がどの国のどの街でのものかがわからなくなっているようで、それほどに訪れた街の経験をさほど重視しておらず、したがってひとりでキャンプすることを楽しみにしていることが理解出来る気がするが、同番組からはほとんどの人がしたくても出来ない世界歩きがさほど楽しくはないことが伝わる。それは名所旧跡を訪れないためではない。それぞれの街で言葉を交わし、それなりに人の笑顔に接しても、通りすがりであって「二度と訪れず、二度と出会わない」人たちだ。そこに彼の孤独が露わになっていて、その孤独が現在の日本のほとんどの大人には身に染みてわかるのだろう。
●西国街道、その13_d0053294_17043933.jpg
 筆者は自分を孤独と思ったことはほとんどないが、他者からはどう思われているかはわからない。またどう思われようと筆者は変わらない。その孤独を言えば、富士正晴は竹林の仙人のような生き方をし、訪れる人はあったが、後年ますます家からでなくなった。ところが大の電話魔で、友人知人に片っ端から長電話した。孤独で人恋しかったからであろう。妻は病気で、また子どもたちは自分のことに忙しく、富士は終日坐って文章を綴るしかなかったが、それが生活の糧になった。今はたとえばYouTubeで有名になって生活資金を得ようと目論む若者がいる。よほどの才能がなければその競争に勝つことは難しく、そして映像で見せる才能というものが、文才や画才以上に評価されることはないと思う。映像表現における天才性の発揮が具体的にどういうものかわからないことと、またそんなものはあり得ないと考えるからだ。芸術性で言えば映画にかなわず、結局TVと同類の消費文化に過ぎない。消費文化への心酔は自己消費、消滅と同義で、人間は伝わる古い文化に馴染まねば虚しいと筆者は思っているが、現実はそうではない人が圧倒的に多く、むしろ文化や芸術云々を言う者は変人扱いだ。その意味で富士は大いに変人で、筆者が富士の長年暮らした地域の空気を吸いたいのは、彼の文章をより深く味わえるのではないかという幻想とけじめのためだ。けじめは、先のヒロシの言葉と同じく二度と訪れず、また一度は訪れたいからで、また充分日帰り出来る場所であり、おまけに西国街道からさほど離れていない。富士の文章はほとんど読まれなくなっていて、その意味で消費されたと言ってもいいが、筆者のようにそれなりに関心を抱き、暮らした場所まで訪れたいと思う人は今後もいるはずで、消費され尽くすことはないだろう。さて、昨日掲げた地図は青筋で示した西国街道の北に名神、南に国道171号、そしてJR、阪急とほぼ平行し、東西を結ぶこれら交通網が西国街道を中心に設けられたことがわかる。交通の便を考えれば、西国街道のある山手よりは南部のJRや阪急沿線が暮らしやすく、民家が密集しているが、古くからの茨木や高槻を知るには西国街道沿いの家並みを見るのがよい。今日の最初の写真を撮った辺りの右手すなわちすぐ東にイオン・スーパーの巨大な建物があり、人口の多さがわかるが、ほとんど人は車で利用し、イオンがあるのは民家密集地の周辺部と考えるべきだろう。それはともかく、富士正晴が住んだ安威は、グーグルのストリート・ヴューで確認すると今でも殺風景な場所が広がり、富士は生活に必要な物資をどこで購入したのかだが、昔はよろず屋がどこにもあった。そうした店や公設市場がコンビニやスーパーに取って代わって行ったのが1960年代半ばからで、便利になったか言えば、進歩はなく、変化があるのみと思う人はいる。
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by uuuzen | 2021-06-11 23:59 | ●新・嵐山だより
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