「脛細き 童の笑みの さびしさに わが幼なき日 重ね見守る」、「脛毛なき 夫の肌に 肌合わせ まどろみ深し あけぼの知らず」



今日の写真は２月５日の夕暮れに撮った。当分投稿するつもりがなかったが、思い直した。その理由は書かない。最初に掲げる地図はその日スーパーからの帰りに歩いた道筋で、赤は筆者、青は家内だ。筆者は気になる店があったのでＡから西に歩こうと家内を誘ったが、遠回りになると拒否された。それで違った道をそれぞれ進みながら、Ｂで筆者は家内を目撃したが、家内がＢに差し掛かった時、筆者はＢの地点より北２０メートルほどのところを歩いていて、家内は一瞬筆者の姿を見て勝ち誇った顔をした。Ｃは渡月橋北詰めの交差点だ。筆者は桂川左岸を歩いてそこに向かい、信号待ちの家内を認めて写真を撮った。それが今日の写真だ。ふたりは別々の道を歩き、結局同じ時間で出会った。薄暗くなりかけている頃に信号待ちの家内の小さな姿を見つけ、そして写真を撮りながら、筆者は別々の道を歩いたことを悔やんだ。それは今も鮮烈で、なぜ一緒に同じ道を帰らなかったのかと思う。ただし、家内にはその思いを言っていない。その日以降、買い物にはいつも一緒に同じ道を行く。なぜＡから筆者は西へ進んだかと言えば、中学校の美術の教科書で知ったル・コルビジュエが設計したロンシャン礼拝堂とそっくりな壁のレストランを、丸太町通り沿いに前回歩いた時に見かけたからだ。それは同礼拝堂の内部から見た壁を逆に外側に配置したデザインで、店の内部は同礼拝堂のような陽射しは降り注ぎにくい。店の間口全体、そして地面から高さ１メートルほどを限度に、道路に向かって大小の四角い穴がいくつかランダムに開けられている。その穴から外を覗くと、風景が絵はがきのように切り取られてそれなりに面白いだろうが、店の内部は暗く、照明をふんだんに使わねばならない。つまり、形だけロンシャン礼拝堂を真似て、自然光はさっぱりだ。もっとも、その店のことは家内に言っていない。言ってもどうせ利用しないことを家内は知っている。ともかく、さすが嵯峨と言うべきか、金をかけた店が目立つ。嵯峨への買い物は今日の地図の赤と青以外の道も歩くが、どこを歩いてもあまり距離は変わらない。２月５日、筆者が青の道を歩みたくなかったのは、ＪＲ嵯峨駅を南に超えるのにいつも階段を歩く利用するからで、荷物が多い時はそれがいささか億劫だ。家内はエスカレーターを必ず利用するが、筆者はわずかでも運動のためを思って絶対にそれを利用しない。ただしエスカレーターは構内南北とも上りで、家内は駅の南に出る際は階段を使う必要がある。南北にエレベーターもあるが、そこまで行くのは億劫だ。ついでに書いておくと、構内北の階段は１５×２＋１６段、南は１４×２＋１５段で、南の地面が６０センチほど高い。南に向かう下り坂で、反対であるべきだが、理由はわからない。

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