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●神社の造形―八坂神社御供社、杉春大神
足気分で出かけた去年11月21日、訪れた神社は今日の投稿分が最後だ。気が向いた時に思い出して書いているので、忘れていることもあるが、記憶に残っていることが重要と思えばよい。



●神社の造形―八坂神社御供社、杉春大神_d0053294_00413201.jpgネットには神社巡りをしてブログに写真を載せている人がたくさんいて、参拝した数で言えば筆者は微々たる部類に属する。数を誇る気は筆者にはない。たまたま歩いて見かけた、つまりそれなりに縁のある神社について投稿することを旨としている。またほとんどのブログは長文はなく、神社の外観の写真つまり資料としては役立つが、投稿者の個性があまり見えず、筆者は面白くない。もっとも、書き手の感想などどうでもよく、資料的なことが即座にわかればよいと考える人のほうが多いはずで、ネットは事典の役割で充分と考える人を否定しない。筆者は日記的、おおげさに言えば随筆つまり個性表出の創作と思っているふしがあって、資料的なことは重視していない。ネットにたくさんあるからことを繰り返しても仕方がないと思うからだ。筆者は神社研究家では全くなく、生きていてたまたまの出会いを面白がるという立場だ。それゆえ、地図で神社を探し、予定を組んで片っ端から見て回ることもしない。それをし始めると切りがなく、ならばあまった時間を別の好きなことに使うほうがよい。さて、当日筆者は四条大宮から嵐山行きの市バスで帰ることに決めていた。それで神泉苑を出た後、三条商店街を経なければ四条に出られないが、三条商店街に大きな朱塗りの鳥居があることを昔から知っていて、その写真を撮ることにした。地図を調べると黒門通りという南北に走る道で、姉小路から右折してそれに入った。そのことはよく覚えている。というのは、家内が2年前の春まで龍大に勤務していた時、同僚の少し年配の女性がその鳥居の少し北に住んでいることを年賀状で知っていたからだ。一度家内と歩きながら表札を見つけられず、当日筆者はまた同じ道を歩きながら、結局わからなかった。ご主人は筆者より数歳上で、京都市芸を卒業して染色の仕事に携わっていたので、会ったことはないが親近感があったのだ。以前書いたように、筆者は四条から三条大宮界隈に住みたかった。そうであれば氏神は八坂神社で、祇園祭りにもう少し親しみを持ったであろう。今日の2枚目の写真は三条商店街のアーケードから吊られる「八坂神社 御供社(ごくうしゃ)」のシートを収めた。ネットには「又旅社」と呼ぶもあって、これは「御旅社」とは違う意味を持つからだ。どう違うかとなるとよくわからないが、9世紀の創建当時の神泉苑の境内の南東角に位置し、神泉苑が祇園祭り発祥の地であるので、八坂神社の末社ではあるが、別格という意味だろう。それにふさわしい大きな鳥居で、三条商店街の目立つ存在となっている。ただし、筆者は鳥居をくぐらなかった。何となくよそ者は近寄り難いからだ。
●神社の造形―八坂神社御供社、杉春大神_d0053294_00415679.jpg
 どの神社にもそういう雰囲気はある。それがあることによってたとえば悪戯されにくいと想像するが、賽銭泥棒は神社を何とも思わないのだろう。これが外国の全然違う宗教の人であればまだ理解出来るが、「神様は見ている」ということを子どもの頃に親や知り合いから耳にしなければ、悪事をして平気という大人になるのだろう。それはさておき、「御供所」の名称は祇園祭りの還幸祭である7月24日に八坂神社の三基の神輿が安置され、神饌を供えてお祭りが執り行なわれることによる。八坂神社の神輿は四条通りの高島屋近くにある御旅所に飾られている様子の写真を、3年前の祇園祭りの際の投稿で載せた。それと同じ壮麗な展示がこの御供社であることを初めて知った。観光客が最も多い四条河原町付近とは違い、三条商店街ではほとんど地元の人たちだけがその様子を見るのだろう。祇園祭りは宵山と巡行だけではなく、長期にわたって行なわれ、この三条商店街も加わっているのは中京という地理からして当然で、その目立つ一例がこの御供社だ。京都盆地の東の神社の代表が八坂で、西は松尾大社だが、繁華街を抱える中京や東山と違って西山はいかにも静かで田舎っぽい。都会育ちの筆者はそれで出来れば四条大宮から三条大宮に住みたかったが、もう遅い。さて、三条通りは京都に出て来た頃から馴染みで、何十回と歩いている。筆者は商店街好きで、大阪に出ればよく天神橋筋商店街を歩く。三条商店街の西端まで歩くと、四条大宮までは京都では珍しい斜め45度で続く大通りを行く必要がある。それはあまり好まないが、当日はまあいいかと思った。そして京都で有名なスーパーの前に着いた時、左すなわち南が明るく開けた道で、そこに入って前述の斜めの道路に出ることにした。そうすれば四条大宮には少し早く着く。地図で調べると、その道は坊城通りだ。四条通りに「四条坊城」というバス停があって、そこにつながっているが、筆者は坊城通りを四条から三条まで自転車で一度しか走ったことがない。また四条坊城のバス停前に「元祇園梛神社」があって、京都に出て来た頃からバスの車窓から見て知っているのに、初めて訪れたのは今年5月だ。いずれこのカテゴリーに投稿する。話を戻して、三条坊城を少し下がると、東に延びる路地がいくつかあり、そのひとつの奥をふと覗くと、朱色の小さな社があって驚いた。遠慮気味に参道を入ると、まだ比較的新しい神額に「杉春大神」の文字があった。路地の突き当りにこのような神社を祀るのはなかなか雰囲気がよい。同じ例は去年12月に訪れた高松市内にもあったが、道の両脇の住民はきれいに清掃し、世話をしなければならない。狭い路地であるから、疫病が流行るとひとたまりもなく、それで路地の突き当りに社を造って清める意識を高めたのだろう。駒札がなく、創建その他についてわからないが、町の住民が代々守って来たもののはずだ。
●神社の造形―八坂神社御供社、杉春大神_d0053294_00421789.jpg
 筆者が最初に神社に気づいたのは、もちろん生まれ育った地にそれがあったからで、わが家から200メートルほど離れたせせこましい地域だが、杉春大神のような狭い路地の突き当りではなかった。その社の写真を先月4日に大阪の天王寺に出たついでに家内と見て、写真も撮った。かつての面影のままで、玉垣は新しくペンキが塗り直されていた。その社の路地奥に同級生がふたりいて、ひとりは現在玉造に住んで食堂を経営している。紹介するほどの社ではないが、三条坊城下がるの路地奥に筆者がたまたま見つけた小さな杉春大神の社も地元庶民のためのもので、地蔵さんの祠と同じようなものだ。地蔵の祠は京都市内では各町内ごとにあるが、大阪ではあまり見かけなかった気がする。お地蔵さんの祠は毎年地蔵盆で祀られ、子どもの安全を祈願するのに対し、杉春大神のような稲荷系の社は商売繁盛のために勧請され、商人の多い地域にあるのだろう。三条坊城は三条商店街のすぐ近くだ。また筆者が生まれ育った地域の前述の小さな社も、近隣の商人が守っているものと思う。となれば、一般市民は地蔵菩薩により馴染みがある。またそれは稲荷神社とは違って派手な朱色に塗られず、地元の風景に馴染んでいる場合がほとんどで、関心がなければ気づきにくい。実際、筆者は子どもの頃に地蔵の祠をあちこちで見ていたはずが、どれも記憶が不明瞭だ。京都に来て自治会の地蔵盆に携わり、地蔵の祠の中の石仏を見ると、神社と違って祠の中の拝む対象がはっきりとしていて、仏教がそういう仏や菩薩の具体的な、そして変化に富む派手なイメージを持っていたことで、たちまち日本で歓迎されたことがわかる。神像はあるが、仏像に比べて変化に乏しく、また珍しい。その点、稲荷神社は狛犬からの影響で狐を神の代表的シンボルとし、仏像並みに変化に富む形を生んだ。それは小さな社のために陶磁製で小型化され、杉春大神にもちゃんと祀られている。こうしたいわば人形は、伏見人形として動物や人間を造形化につながり、それが日本全国に運ばれて地域ごとに特色のある土人形などの玩具につながった。狛犬の原点はもちろん仏教を生んだインドにあって、仏教が根づいたことで神社の造形は豊かになった。また一方で独特にもなったが、それは簡素さだ。インドのような熱帯では宗教が複雑で華麗なものになるのは、植物からもわかる。その複雑さを輸入しながら、神社はどう折り合いをつけるかに晒され、質素さはほとんどそのまま保たれた。それが国旗に表われている。鳥居は神聖な境内の出入り口で、狛犬は内部の神の守り役だが、沖縄のシーサーや京都の町家の屋根上の鍾馗像は、その小型のものとして機能している。現在の新築の家でもそういうものを飾る場所が設けられ、また風習が伝わればいいと思うが、現実は機能重視で、神仏の像は目立ち過ぎるとされ、せいぜい御札となっている。
●神社の造形―八坂神社御供社、杉春大神_d0053294_00423784.jpg

by uuuzen | 2016-07-14 23:37 | ●神社の造形
●嵐山駅前の変化、その398(... >> << ●神社の造形―王子神社(原田神社)

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