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●京都府立総合資料館の移転工事
酒と呼んでいいのかどうか、清めるために日本酒を撒く。家内の母は若い頃から霊感に優れ、よく他人の相談に乗り、お祓いをしたこともある。筆者は現場を見ていないが、わが家をかまえた時、義母は日本酒を家内に用意させ、それを部屋にわずかに撒いてお祓いしてくれた。



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阪急嵐山駅前のホテルを建築する前、筆者は自治会長をしていたので手斧始の儀式の現場に呼ばれ、神主の所作の一尾始終を見た。その時、神主は酒を撒いたように思うが、最も印象深かったのは、紅白の幔幕の前に盛られた土を工事関係者が木製の斧で取り崩したことだ。また刀や鏡などの神宝を埋める様子も目撃した。それをまじないであるとして笑うことは、そういう厳粛な儀式に参列している最中は思いもつかない。そのホテルは50年契約で阪急が土地を貸したので、筆者が生きている間には取り壊されることはないが、大地震があれば被害を受けることはあり得る。その地震に対する建築設計の基準は確か強められたはずで、学校その他の鉄琴コンクリートの建物に鉄骨の筋交いが付加された様子をあちこちで見かける。再建費用がなく、それで間に合わせようというのだ。筆者は設計コンサルタント会社に勤務していたことがあるので、建築土木の設計にはそれなりにいい加減なことがあることを知っている。それで耐震基準が強化されたからといって、すぐに古い建物に筋交い鉄骨で強度を持たせることにどれほど効果があるかについては疑問に思っているが、ないよりはましだ。自然の威力は計りしれず、懸念は切りがない。それで東北の大震災後の巨大堤防はバベルの塔の愚かさを連想するが、地元の土建業者や現政権が潤うためにはそういう公共工事は欠かせない。古くなれば何でも寿命が尽きるので、取り壊して新しく建てる考えはわかるが、鉄筋コンクリートの建物を最新の耐震基準を満たす形で復元する考えは日本にはほとんどない。デザインが古臭いとされ、また建て替えるからには利用可能な部屋や面積を増やそうとするからだが、頑丈で存在感のある、また馴染みの公共の建物がある日を境に見られなくなることはさびしい。京都府立総合資料館は筆者が京都に住み始めて間もなく、友禅の師匠に連れられてキモノの公募展を見るために足を運んだこともあって思い出深い。嵐山からはバスを乗り継いで1時間以上要し、岡崎の図書館に行くよりずっと不便だが、同図書館を訪れる何倍も足を運んだ。今日の写真は「新」総合資料館の工事現場写真で、1枚目は上が一昨年の9月6日、下が12月19日で、下の写真の奥に見える府立大学の校舎の前の空き地に建設される。当日は「旧」の同館を訪れたが、いずれ閉館になるので、撮影禁止とされている調べ室以外、何枚か写真を撮った。それらの写真をいずれ使うつもりでいる。2枚目は去年6月7日、3枚目の上下は今年2月8日に撮った。
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 1年少々で建物の外観がほとんど出来上がった。「旧」館のように鉄筋コンクリート丸出しのデザインではなく、北山杉を使うと聞いた。もちろん外観に使うだけだ。京都らしくていいが、京都の伝統的な町家と違って背丈がかなりあって、何となく安定感が少なく見える。厩舎にも感じられ、デザインはあまりいただけない。さりとて地下室を造るには金がかかり過ぎるし、また歴史的な遺構が出て来れば工事は中止になるだろう。それで割合簡単に取り壊せる建物が出来上がると想像するが、その「ちゃち」な感じは時代を反映している。「旧」館はいかにも昭和の、いい意味でもそうでない意味でもレトロの安定感があるが、平成は住宅がそうであるようにプレハブが主流で、この「新」館もその雰囲気が強い。半世紀後には建て替えるのであるから、それでいいのだろう。大事なのは、所蔵される資料だ。それを保存する箱としての建物は雨風が凌げれば、いわばどうでもよい。美術館となれば美的さが求められるが、図書館は司書が親切で、素早く目的の本が出て来ればよい。この資料館には伏見人形を初め、本以外の興味深い資料がたくさんあって、それらを展示する部屋が設けられることを期待するが、その点は少しはかなえられるだろう。現在も使われている「旧」館は、前述のように30数年前は一部の部屋は借りることが出来たが、その後はほとんど自前の企画展にしか使われなかったように思う。また京都の中心部からは離れたところにあるので、展示目的で個人が借りられるとしても、人は訪れにくい。「新」館は「旧」館より数百メートル南に位置し、地下鉄を使わず、必ずバスを使って行く筆者には好つごうで、北大路通りのバス停からは近くなる。逆に言えば、「新」館が出来ればそれより北には足が向かず、北山通りを見たり歩いたりすることはおそらくなくなり、それはそれで一抹のさびしさがある。だが、新しい何かが出来ればそれはつきものだ。人の行動範囲はあるきっかけで一変する。それにしても、筆者は急に確認したいことがよく生じ、そういう時はこの施設に行くが、個人的に親しい司書がいれば、どの本のどこをスマホで撮影してメールで送ってほしいと言えるのにとよく思う。調べる事柄をたくさん作って出かけても、必ずまた新たな気がかりが生まれ、出かける必要が生じる。ほかの図書館にはない本が多いのだ。ただし、大阪の中之島図書館もそうで、それぞれの図書館に特色がある。もちろん筆者しか持っていない本や資料はあって、それらをどこかが大事にしてくれるのであれば寄贈しようかと思わないでもないが、無名であればどこもほしがらない。それどころかどの図書館も本は溢れ、次々に廃棄している。本は複数存在し、どこかに1冊あればよく、また保存に価しない本が9割以上を占める。デジタル時代がもっと進めば図書館はどう変わるか。その時代を予期してこのブログを書いている。
●京都府立総合資料館の移転工事_d0053294_18464803.jpg

by uuuzen | 2016-05-02 23:59 | ●展覧会SOON評SO ON
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