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●京都市美術館の命名権売却
をすするのは花粉のせいも多分にある。春先は好きな季節なのに、いつの間にか花粉症に毎年悩まされるようになった。夏が近づくと嘘のようにくしゃみもしなくなるが、人によっては稲の花粉に困るとのことだ。



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息子はひどいアレルギー体質だが、筆者も家内もそうではないので、アレルギーの症状は現代特有なのだろう。筆者の花粉症は体質が変わったことと杉花粉の増加によると思う。意識はないのに身体が時代の変化に応じていて、これの見方を変えれば、時代が変われば考えも変えたほうがよい場合があり、物事をあまり頑なに考えないほうがいいのだろう。今月1日、京都市美術館がリニューアル・オープンする際に名称が「京都市京セラ美術館」となることが発表され、予想どおり、反発の声が出ている。筆者も長年馴染んだ名称が一企業の名前を冠することに戸惑いがある。京セラは自前で伏見に美術館を持っていて、筆者は去年12月8日に訪れた。展示室は改装中で、絵画や彫刻など、大半の展示物を見ることは出来ず、わずかにガラス工芸品だけを見た。一昨年の3月下、息子が伏見の繁華なところに引っ越したので、その気になれば同館にはいつでも訪れられる。再訪すればまた感想を書くとして、今日は今年1月31日、『琳派降臨』展を見た後に撮った写真を使う。3枚とも地下を深く掘っていて、京都市美術館の正面玄関から東を向いている。リニューアル工事中で、地下に展示室を作るようだが、撮影時、筆者は発掘工事をしているのかと思った。岡崎の地は江戸時代以前は畑が広がっていたので、たいした遺構は出て来ないはずだ。それを見越してリニューアルで地下を掘ろうとしたのだろう。この美術館の内部はかなり古く、洒落た雰囲気は皆無だが、それが却ってよい。そう思うのはだいたい高齢者だが、京都の西陣の町家がことごとく取り壊され、京都らしい家並みが激減していることを残念に思っているからだ。先斗町にしても家の建て替えは、消防法のためにあの狭い道から1、2メートル玄関を引っ込める必要があり、歴史的町並みはこの半世紀でほぼ壊滅した。日本各地の小京都をたまにTVで見ると、その美しさに息を飲む。もはやその小京都が真の京都で、今の京都は紛い物の醜悪さを晒している。ま、それも時代の流れだ。京都市美術館の名称に「京セラ」が割り込むのは、京セラがリニューアル工事のかなりの分を負担してくれるからだ。ただし、問題はそのリニューアルで、地下を大きく掘って威厳ある建物をどう改造するのか。展示室が増えるのはいいとして、よけいと思えるような改造は無駄金遣いで、そのために命名権を売るのであれば断固反対せねばならない。ただし、こうも思う。茨木の万博公園内にあった国立国際美術館が大阪の中之島に移転する話が持ち上がった時、筆者は反対の思いを持った。ところが、地下に造られた新しい建物を筆者は大いに好んでいる。
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 階段など一部は転用もされ、万博公園内の同館のがらんとした雰囲気はそのまま活かされたので、予想した違和感は全くなかった。また中之島という立地が幸いして入館者は激増したので、移転は大成功であった。そのことを京都市美術館のリニューアルに当てはめてみる。玄関前の地下を掘ったのは、真向かいにある京都府立図書館の改装に倣ってのことだろう。となれば地下は明かり取りおよび飾りとして機能することになり、そうであれば違和感はない。だが、実際どうなるかは完成しないことにはわからない。京都国立博物館も数年前に平成館が新たにオープンしたし、また北山にある京都府総合資料館も移転工事が進んでいるので、京都市美術館のリニューアルは時間の問題であった。そして国立ではないので、改装の資金をどうするかが問題だ。そこを京都の代表的企業から支援を受け、その代わりにその会社の名前を冠して宣伝に努めるのは、フィフティ・フィフティの関係と割り切るしかない。そこでもっと大胆なことを考えるのであれば、伏見にある京セラ美術館を、京都市美術館の伏見別館として企画展の一部を年に数か月は開催していいのではないか。それすれば観光客が伏見を訪れ、伏見区の活性化につながるし、また京セラの宣伝にもなる。とはいえ、この意見は京都市美術館の命名権の売却に反対している人にはとんでもないことだろう。京都市美術館は現在少し離れたところに別館があり、現在工事中の本館で開催されて来た公募展などはそこを使っているが、狭いことと公募展の数が多く、全部を賄いきれず、京都文化博物館など、別の会場を使っている団体がある。そこでまた思うのは、京都市美術館で開催する団体展はすべてそれ専用の建物が確保出来ないかということだ。京都市美術館は多くの所蔵作品があるのに、めったに展示されない作品のほうがはるかに多いはずで、それらをなるべく常時見られるようにしてほしい。一方で大勢の客に来てもらうためには新聞社が企画する泰西名画展の類を減ずることは無理であろうから、京都市美術館本館は企画展と常設展に絞るのはどうか。もっとも、筆者が言わずともさんざんそういうことを関係者は考慮しているはずで、リニューアル後はこれまでの常設展示、企画展、団体公募展の比率が変わるだろう。絵画は脆弱なもので、必ずいずれ修復が必要になる。その費用は毎年必要で、新たに美術品を購入する余裕は京都市にはほとんどないだろう。それで京都の作家は作品を寄贈するが、倉庫は満杯でもう受けつけてもらえないという話を聞いたことがある。そこを伏見の京セラ美術館が何らかの役割を引き受けてもらえまいかと勝手なことを考える。美術に無関心の人のほうが圧倒的に多く、税金をなるべく使わずに美術品を見せ、保存修復しなければならないだろう。それには企業に頼るしかない。京セラが美術に理解があってよかったと京都は思うべきだ。
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by uuuzen | 2016-10-10 23:59 | ●展覧会SOON評SO ON
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