恨みを言うのはお門違いかもしれないが、突如轟きわたった爆発音にびっくりした。今月12日の夕方5時少し前のことだ。
化学工場は近くにないが、右京か下京の工場で爆発があったのではとまず思った。ところが何度も音は続き、花火かもしれないと思い始めた。外に出ると近所の数人が出ていて、北西の方角を見上げている。5時前はまだ明るく、8月の終わりの疫病退散祈願の花火のようにははっきりと見えない。筆者は家の外に出た瞬間、地面の濡れを見て、傘を取りに戻った。そして駅前に行って花火を見つめていると、誰も傘を差していない。筆者はたぶん最初の破裂音から雷を連想し、その思いから地面のわずかな濡れを雨が降っているせいと勘違いしたのだろう。みんな花火を見ているので、たぶん傘を差した筆者の奇妙な姿に気づいていない。おもむろに傘を閉じ、カメラで花火を数枚撮ったが、炸裂が写ったのは2枚のみであった。8月と同じく、3分は続いたかもしれないが、もっと小規模だ。前日の11日から毎年恒例の嵐山花灯路が始まっていたので、その関連で花火が打ち上げられたかと考えたが、予告はなかった。予告なしでいきなり破爆発音があれば、何事かと思う。翌日「風風の湯」で嵯峨のFさんに訊くと、家の中にいたFさんも驚いたそうだ。花火が終わっての帰り際、すぐ近くにいた近所の人に、何のための花火でどこが催したのかと訊いた。すると大阪のTV局がある番組の1000回記念で合計1000発を関西各地で打ち上げたとのことだ。人騒がせで勝手な行為だ。午後6時か7時ならきれいに見えたが、5時前では美しくない。それに予告なしでは誰も心待ちして最初からは見られない。金を出したのはTV局として、自分たちの祝い事のために大勢の人をいきなり驚かせるとは、思い上がりが甚だしい。予告すれば人が集まり、コロナ禍ではまずいと考えたのだろう。それに人が集まるでは警備員を雇う必要がある。それでいきなりのゲリラ花火にしたというのが実情であろう。また今年は各地の花火大会が中止になったので、花火業者は少しでも花火を消費したかったはずで、TV局は買い叩いたであろう。喜んだのは花火業者とTV局で、いきなり爆音に驚かされた住民はいい迷惑だ。心臓の弱い人が発作で死んでいれば、どう言い訳が出来るか。そういうふうに考える人がいることをTV局は想像出来ないのか。TVで一般人を起用すれば無料で済むうえ、一般人は喜ぶに決まっているという傲慢な考えがTV局にはあって、彼らはTVを全く見ない人がいることが信じられないだろう。この時間外れのいきなり大花火が許されるのであれば、誰でも大量の花火を早朝の川辺で一斉破裂させても警察から咎められないことになる。首相や大臣が多人数で会食して国民の批判を浴びているが、TV局も権力を持っている点では同類で、芸人たちの醜悪で下品な顔を見ると筆者は気分が悪くなる。
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