漢字の「密」が今年を象徴するとして一昨日、清水寺で住職が太筆で一気に書いた。「蜜」のように甘い空気を作るには「密」になる必要があって、恋する者は悩ましい今年であったが、若者はコロナに感染してもさほどひどい状態にならないと喧伝された結果、密回避はどこ吹く風で、蜜大好きと動き回っているだろう。

今日の写真はスタンプ・カードのはんこがいっぱいになった7日の夜に撮ったが、筆者を初めとした高齢者は、「風風の湯」からすっかり消えたかと言えば、若者がなるべくいない時間帯がわかって来たので、以前とは時間をずらせて閑散としている温泉を満喫している。サウナ室は最近3名限定の注意書きが貼られ、筆者はそれを守っているが、守らない高齢の常連もままあって、まあ大丈夫だろうとの思いだ。実際そのとおりだろう。ところが、感染者は増加する一方で、知り合い、あるいは知り合いの知り合いに感染者が出たという話を聞くようになって来た。筆者は急に寒くなって来たこともあって家に引きこもっているが、出した炬燵に足を温めているといよいよ動きたくなくなり、運動不足になる。不思議なことに体重はわずかずつ減る一方で、今は60キロちょうどになっていて、湯舟から上がるとふらりと倒れるような感覚を味わうことがある。筆者より3歳年長の、毎日「風風の湯」に通っている嵯峨のFさんはそれがしばしばで、サウナ室で倒れかかったところを筆者が支えたこともある。春に「風風の湯」が数か月間閉鎖になった頃、85歳のMさん夫婦は市バスの無料定期券を利用して市内各地の銭湯を片っ端から経験したそうで、最近京都水族館の西隣りにホテル『ポテル』がオープンし、その温泉が誰でも利用可能と耳にした。早速ネットで調べると、入浴料は600円で、レトロの銭湯を模した壁絵などがあり、サウナも備えられているが、コロナ禍のために現在サウナは利用不可とのことだ。600円は安いが、わざわざバスに乗って出かけるほどの温泉マニアではない。また『ポテル』のランチが安いというのでこれも調べると、2000円程度で食べ放題だ。Fさんは自転車で行ってみようかと言いながら、もう食べ放題を喜ぶ年齢ではなく、またもっと安価で食べ放題を提供するホテルが仏光寺通り沿いにあると言った。そうそう、Fさんがらみで自転車の話があるが、いずれそれについて書く。「風風の湯」の筆者が出会う常連はそのFさんと85Mさんのほかは、Fさんと同じく毎日利用しているTさん、それにもうひとりのMさん、Yさんといった程度で、見かけなくなった人が何人かいる。コロナを怖がってのことではないと思うが、習慣は変わるものだ。そして変わった習慣はまた元に戻ることもあるので、また会えば以前の元気な姿をお互い見ながら話しが弾む。断っておくと、顔を知っている常連でも感じ悪い人には挨拶せず、一言も話したことのない人が何人かいる。
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