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●アレックスからの支援者向けザッパ未発表音源、その1
価でも売れにくくなっているザッパの海賊盤だと思うが、映画『ZAPPA』によって若い世代にザッパ・ファンが増えれば、また海賊盤の需要が高まるかもしれない。YouTubeでは「br1tag」というIDの髭親父がザッパ・マニアなどから入手した未発表音源を珍しい写真とともに頻繁に投稿している。



チャンネル登録者数は1万5000人を超えていて、YouTubeを見るザッパ・ファンでは知らない者はいないだろう。筆者は彼の投稿のすべてを聴いていないが、たまにブログを書く際にBGMにし、今も新しい投稿を聴きながらこれを書いている。彼の投稿に初めて聴く音源が目立つところ、もう海賊盤を作っても商売にならないのだろう。彼の本名はわからないが、アレックス・ウィンターの企画に支援し、300ドル以上の支援者名が記されるCD,EP,DVDにフル・ネームが載っているだろう。筆者はこのIDがたとえば「ブルース・アインズターク」というドイツ系の本名を表わしている気がするが、それはドイツ人な何事も徹底して収集、研究するからだ。最近ハイネの研究者がネット時代以前に著わした分厚いハード・カヴァー16冊の研究本を入手し、そのあまりに徹底した仕事量に卒倒しそうになった。そこにファンになれば一生をその愛する存在に捧げられる見本があり、「br1tag」もそれに類する。彼のYouTubeの投稿を見て、同じことをしたいと思った人物が彼にどうすればザッパ・ファミリーなどから投稿削除依頼を受けずに済むかを質問した。「br1tag」は最初の頃は何度も投稿が削除されたが、それにめげずに続けて現状を確保出来たそうだ。黙認理由は、ザッパ・ファミリーやユニヴァーサル・ミュージックによる公式の投稿ではないことと、ザッパの公式アルバムを購入すべしと謳っているからだろう。そこにザッパナーレに似たところがあるが、ザッパナーレと根本的に違うのは、ザッパの未発表音源を勝手に編集して公にしていることだ。ザッパ・ファミリーが今後アルバム化したい音源がその投稿には必ず含まれているはずで、海賊盤の形を変えた、そして誰もが無料で視聴出来る点でなおさら厄介な存在と言える。だがこうも考えられる。ザッパのテープ収蔵庫にはザッパの全演奏は存在しない。会場で隠し録りしたテープの助けを得なければアルバムが完全なものにならない事情があり、実際そうして作られたザッパのアルバムがある。つまり、ザッパ・ファミリーは今後「br1tag」から音源の提供を受ける必要が生じる可能性がある。またおそらくそういう夢を彼は抱いているだろう。ファンが公式アルバムのみでは物足りないのは確かだが、テープ収蔵庫がすべて調査されて音源がデジタル化されたからには、「br1tag」の投稿の価値は低下して行くだろう。とはいえ、テープ収蔵庫の全音源が公になるのは今後10年、20年を要するだろう。
●アレックスからの支援者向けザッパ未発表音源、その1_d0053294_12130501.jpg
 昨日まで書いた写真集『ZAPPA』にはザッパの楽譜が2点ある。そのうち18歳で書いた「ギターのためのダンス」は「その9」に小さく載せたが、今日はそれを大きく掲げる。もう1点は「ブラック・ページ #1」で、音符が小さいので見えにくいが、これも紹介しておく。さて、先日アメリカの大西さんから、300ドル以上の支援者向け送付されたEPのデジタル化音源が添付メールで届いた。それをパソコンに取り込むと、他の音源と同様、CD-Rに焼くことが出来ることがわかった。それで筆者はそのEPやまた支援者向けのCD以外に、アレックスが支援者向けに用意した「VAULT PASS」の曲や、たまにアレックスのメールで紹介された曲を全部パソコンに取り込んだ。以前書いたことを繰り返すと、67年秋にニューヨークでザッパがエリック・クラプトンと演奏した10分ほどのギター・デュオ曲のみは映像が画面に組み込まれ、その映像のURLがいくら調べてもわからず、したがってその映像の音源のダウンロードは出来ない。またその曲はジョー・トラヴァースとアレックスがスタジオで同曲を聴いているものを収録しているので、一部彼らの声が被さり、音もあまりよくないので、ひとまず諦める。同曲を覗いて支援者に用意された曲をどのようにまとめて焼けばいいか迷っているが、1枚だけはっきりとしているのはザッパが81年のラジオ・ショーのために編集したものだ。これはちょうどCD1枚に収まり、筆者は連日聴いている。昔ならそのまま海賊盤になったはずだが、ザッパはこの編集テープをラジオでは使わなかったのだろう。数か所のザッパの声にピーの音が入るのは放送禁止用語であるからで、その点はラジオ・ショーを録音してそのまま海賊盤になった昔を思い出させる。5つのパートに分けられているのは、おそらくそれぞれの間にザッパのトークが入ったためだ。5つのパートをつなげて聴くと、各合間に若干の空白があってやや拍子抜けするので、その空白を音源編集ソフトで除去すればいいのだが、筆者にはその方法がわからない。そう言えば大西さんはアナログ盤をデジタル音源化出来る機材とソフトを所有していることになるが、筆者はそういう方面に疎い。この81年のラジオ・ショーの面白さは公式発売とは異なるヴァージョンであることと、たとえば冒頭のザッパのギター・ソロ曲「シーズ・ノット・ゼア」が最後にゾンビーズの同曲をきっちりとカヴァーしていることだ。他にも公式アルバムにはないスリリングなギター・ソロがあって、このラジオ・ショーは公式に発売されてよいと思うが、そうなる可能性は低いのではないか。「VAULT PASS」に用意されている音源からこのラジオ・ショーを除いた残りを、もう1枚のCD-Rに録音年代順に焼くとして、そこにはやや雑然としたまとまりの悪さがある。それについては明日書く。
●アレックスからの支援者向けザッパ未発表音源、その1_d0053294_12134432.jpg
●Radio Show 1981
Compiled & Produced by Frank Zappa, circa 1981. Source: 1/4” 2-Track Stereo Analog Masters. Filled with alternate edits and mixes of released material as well as unreleased stuff! "A cool note about the radio shows: every now and then, you might hear a glitch in the audio. That’s actually FZ himself making edits!"
〇Part 1/5 (18:37)
1. No Problem/She’s Not There (Civic Arena, Dallas, TX, 10-17-80)
2. The Dangerous Kitchen (Armadillo World Headquarters, Austin, TX, 10-16-80)
3. Shall We Take Ourselves Seriously? (Civic Auditorium, Santa Monica, CA, 12-11-80)
4. Armadillo Music (Armadillo World Headquarters, Austin, TX, 10-16-80)
5. Nite Owl (Civic Auditorium, Santa Monica, CA, 12-11-80)
〇Part 2/5 (11:41)
1. The Jazz Discharge Party Hats (University Union Auditorium, Normal IL, 11-21-80)
2. I Have Been In You (The Palladium, New York City, October 1978)
3. Pound For A Brown (Hammersmith Odeon, London, England, Feb 1979)
〇Part 3/5 (19:45)
1. Bobby Brown (Civic Auditorium, Santa Monica, CA, 12-11-80)
2. Ms. Pinky (Civic Auditorium, Santa Monica, CA, 12-11-80)
3. Dead Girls Of London (Hammersmith Odeon, London, England, Feb 1979)
4. Florentine Pogen (Hammersmith Odeon, London, England, Feb 1979)
5. Magic Fingers (Community Theater, Berkeley, CA, 12-5-80)
6. You Are What You Is (Civic Auditorium, Santa Monica. CA, 12-11-80)
〇Part 4/5 (18:18)
1.Thirteen/Pound For A Brown (Solos) (The Palladium, New York City, October 1978)
〇Part 5/5 (9:01)
1. Jumbo Go Away (Hammersmith Odeon, London, England, Feb 1979)
2. If Only She Woulda (Community Theater, Berkeley, CA, 12-5-80)
3. I Don’t Wanna Get Drafted (Community Theater, Berkeley, CA, 12-5-80)

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by uuuzen | 2020-12-12 12:14 | ●ザッパ新譜紹介など
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