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●アレックスからのザッパ・グッズ到着、その5
い終わるのは来年3月だ。筆者の場合、アレックスからの支援者用グッズは残すところDVDのみだ。来年3月にその映画『ZAPPA』の公式サウンドトラック盤も発売されるので、コロナ禍の心配がさほどでなければ、またプログレ総統の松本さんにどこかで「大ザッパ会」を開催していただき、揃ったグッズなどを披露したい。



●アレックスからのザッパ・グッズ到着、その5_d0053294_12040290.jpgそう言えば今月27日は京都五条大宮のパラダイス・ガレージでレザニモヲのDVD鑑賞会があって、限定10名が一瞬で予約で埋まったと聞いたが、コロナのために人数制限をしなければならず、残念さをかみしめる人がいる。さて今日はEPについてだ。LPサイズであるので33回転かと思ってターン・テーブルに載せると、えらく低いザッパの声が聞こえて来た。45回転盤だ。EPであることをその点からも体現している。ジャケットの上右隅の文字は背景の色合いからわかりにくいが、ちゃんと「EP」とあるではないか。EPはLPのロングに対してのエクステンドで、その「拡張」の定義は曖昧で、日本では60年代にあった4曲入りのコンパクト・ディスクに主に使われたが、ドーナツ盤もそう呼ぶことがあった。コンパクト・ディスクはドーナッツのように大きな穴がなく、ドーナツ盤と同じサイズで33回転とすることでドーナツ盤の倍の時間を収録したが、音質は劣った。今回のようにLPサイズの45回転となると音は格段によくなる。来年3月発売の公式サウンドトラック盤のLPは盤面が黒とたばこ好きのザッパを意識したスモーキーとがあって、後者は限定盤でとされている。今回のEPはスモーキーで、また同じ180グラムのはずで、ずっしりとしている。CDのように見開きジャケットであればなおよかったが、カル・シェンケルはそれを想定してデザインした。結果、それはCDに活かされ、一方EPはザッパの6,70年代のアルバムのように見開きジャケットは収録曲の少なさからは豪華過ぎると判断されたのだろう。本来見開き内部用のデザインがジャケット裏側に来たことに違和感を覚えるが、まあ仕方がない。またカルはそうなったことで、わざわざEP用にジャケット絵の背後を新たに油絵具で塗りつぶした。そこに品物を手に取るファンのことを考えつつ、自分も創意を凝らしたいというプロ意識が見える。またカルが提供したデザインをザッパ・ファミリーが雇った別のデザイナーがCDとEP用に再加工していて、その力量も優れている。そのことは選曲についても同様で、大サーヴィスというほどのことではないにしろ、古くからの熱烈なファンが納得出来る確かな仕事をしている。そうした熱烈なファンがアレックスの考えを支持し、ザッパが遺したテープの保管修復と、支援金の余裕があればそれに続くドキュメンタリー映画製作に対する援助をしたのであるから、ザッパ・ファンとしてはとても気分のいいこの5年間であった。
●アレックスからのザッパ・グッズ到着、その5_d0053294_12042345.jpg さて、EPの最初はCDと同じくインタヴューだが、CDとは内容が違う。EP用のインタヴューは支援者がアクセス出来る「Vault Pass」というザッパの未発表曲サイトの冒頭曲の15分ほどから1分を抜粋したものだ。ザッパが60年代半ばのバーズなどのグループと交流したことが語られ、当時のインド・ブームにおける「ラーガ・ロック」に言及するが、これは後年のザッパのギター・ソロを決定づける重要な影響、発言であって、また驚くべきは続く2曲目「RAWGAH」がその発言を敷衍することだ。「RAWGAH」がインド音楽の旋法の「ラーガ」を意味することは間違いなく、ザッパはこの3分半の演奏でインドのシタール音楽を自己流に解釈している。1966年7月の収録で、ドラムスは後に『ホット・ラッツ』に参加するジョン・ゲランで、ベースとギターがザッパだ。66年7月はビートルズの『リヴォルヴァー』の発売より1か月前だが、ビートルズは同音源を6月の来日時に持参していて、66年は米英でインド音楽がブームになっていた。ビートルズはシタールを『リヴォルヴァー』の前作『ラバー・ソウル』で使ったが、インドとの関係が歴史的に長くて深いイギリスで若者がインド音楽に感化されるのは必然であった。ではアメリカではどうか。これは筆者が5年前にザッパの映画『ロキシー』が渋谷クワトロで上演された際、その控室で司会者の男性と談笑した時に語ったことだが、ラヴィ・シャンカールの音楽をいち早くアメリカに紹介したアラン・ホヴァネスの存在が大きい。ザッパは当然ホヴァネスの交響曲を知っていたはずだが、ビートルズが発端となったインド音楽ブームの原点であるラヴィ・シャンカールのシタール音楽に直接触れたほうが神髄を知るにはよく、またそうする一方でヨーロッパの旋法にはない独特な響きを知ったに違いない。そのためには音色も重要で、アメリカではエレキ・ギターの音色の開発は50年代からさまざまに行なわれ、デュアン・エディのトワンギー・ギターの図太い音色は『リヴォルヴァー』の「タックスマン」におけるジョージ・ハリソンのギター・ソロにつながった。またそのソロのメロディはインド風で、66年半ばはロックにインド風が大流行した。「RAWGAH」はそういうブームを体現するが、これをザッパが生前発表しなかったことは、インド音楽風ロックをやや否定的に見ていたとも考えられる。創造は模倣ではない。独自性を表現する創造は独自の、つまり他にはない明確な個性を提出しなければならない。「RAWGAH」の冒頭数秒はアルバム『ウィア・オンリー・イン・イット・フォー・ザ・マネー』に使われたが、数秒であったのは、ヒッピー・ブームを嫌悪していたからだ。没にされた「RAWGAH」であったが、今聴くと、25歳のザッパがいかに流行に敏感で、それらしい曲を書いても独自性を持てたことがわかる。
●アレックスからのザッパ・グッズ到着、その5_d0053294_12050488.jpg

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by uuuzen | 2020-12-04 12:05 | ●ザッパ新譜紹介など
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