塚のように盛り上がった墓は目立つが、ザッパの墓は平らな土地に小さな墓碑があるだけで、改葬されない限り、その墓が名所になることはないだろう。今日もアレックスからメールが届いた。
映画館に足を運べない支援者は、映画の公開と同時にデジタルダウンロードかDVDで視聴したいのに、3か月も待たされることが不満であることをアレックスに伝えたようだ。アレックスは早速新たなメールで支援者に説明することになった。そこには少しわかりにくい映画界の仕組みがあり、配給会社が財政面で大きな力を持っていることを理解せねばならない。アレックスがネットを通じてザッパ・ファンから1億2000万円ほどの資金を集めたのは、ザッパが遺した録音テープやフィルムを全部調査してデジタル化するためで、映画製作の資金としては使うことを謳っていなかったと書く。アレックスがまとめた2時間9分の映像作品は、商品として一般公開しないのであれば支援者に完成後すぐに見せることが出来るが、一般公開するにはそのために資金提供する配給会社の言い分を飲まねばならず、真っ先に支援者に映像作品を見せることは出来ない。またザッパ・ファンとしてもその一般公開でザッパのことが世間に広く知られるので、一般公開せずに支援者のみが楽しむことを望むべきではない。支援者のみに映像が提供されれば、海賊版が出るに決まっているし、それはアレックスもザッパ・ファミリーもファンも望むところではない。ではアレックスが映画をまとめ上げるに要した経費はアレックスが自前で賄ったかとなれば、そうだろう。ただし、大手の配給会社と契約出来た時点で監督料が支払われるに違いなく、その契約の中身までアレックスは支援者に示す必要はない。それはさておき、昨日書いたように、感謝祭から90日後に発送が始まる支援者向けのDVDにのみ、エンドロールに支援者の名前が連ねられるのだろう。またボーナス映像もあるとのことで、アレックスが書くように待ち甲斐はある。今日のメールでは
ニューヨーク・タイムズの批評がリンクされていた。あまり長い批評ではないが、映画はだいたい予想どおりの内容のようだ。ザッパ専門家にとっては物足りない箇所はあるが、ザッパを知らない人にはわかりやく、また感動させられるとある。記事の題名は『ロック・スターと国家の英雄の肖像-アレックス・ウィンター監督が幾分高貴な演奏家兼作曲家のザッパを描くドキュメンタリー』で、批評文の冒頭には、ザッパのことを「表向きは悪ぶった、高貴さを垣間見せるミュージシャン」とあって、「高貴」が目を引く。そのザッパの高貴さは10代半ばで見たヴァレーズのLPジャケットのヴァレーズの肖像写真からの反映で、ザッパは憧れていたものを生涯費やして到達した。高貴さのあるものしか後世に伝わらない。いつかザッパの墓は大きな塚のようなものに改葬されるかもしれない。
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