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●嵐山中ノ島小橋修復、その4
りなさそうな感じを漂わせていた幼少時の筆者は風が吹くとよろよろしていたそうで、そのことを母の知り合いの女性からよくからかわれた。母より5,6歳年長で銭湯で知り合った。お互い妊娠して腹が大きくなっていたので声をかけ合って親しくなったと聞いた。



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同じ時期に出産し、やがてその女性のひとり息子Aと筆者は同じ小学校に行ったこともあって親しくなった。小学5,6年生の頃、筆者はAの新しい家に遊びに行ったことがある。誰もいない部屋の鴨居にA3サイズほどの複製画が額縁入りで飾られていて、筆者はそれに目を留め、この年齢になってもまざまざと思い出す。それはボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」で色が悪く、どことなく悪夢か地獄の光景に見えた。Aは体格がとてもよく、背も高かったので、Aの母親は筆者を見て頼りなさそうだと言ったのだが、筆者の母はAが筆者をいじめるのを見て立腹したという。ともかく筆者の母とAの母はその後70年以上も縁があり、またAの兄弟姉妹とも母や筆者は付き合いがあったが、母が京都に来てからはお互いの消息はわからない。Aは陽気で優しい人柄であったが、勉強嫌いで成績は下から数えたほうが早く、母親の弟に雇われたりしながら結婚し、子どもを3人もうけたのに離婚を迫られ、昔のように母親と小さな家に住むようになってそのまま病気になって50半ばで死んだ。これは以前に何度か書いたことがあるが、Aは母親に対して将来金を儲けてハワイ旅行に連れて行ってあげるというのが口癖で、その頼もしさが筆者にはなぜないのかと筆者は母から事あるごとに嘆きながら言われた。ところがやがてAは母の金を盗むようになり、結局旅行に連れて行くことは一度もなかった。いかにも頼り甲斐があった体格のAが呆気なく病死し、風に揺られ続けていた筆者が元気でいることに、人は見かけによらないことを思う。また筆者とAを知る小学生の同級生らと話すと、ほとんど誰もAを覚えておらず、筆者は昔から目立ったと言われるから、頼りなさは貧弱な体格だけが理由ではないことがわかる。今夜「風風の湯」で体重を測ると60キロで、コロナ禍のために一時それより5,6キロ増えていたのが元に戻り、さらに減っている。筆者と同世代はだいたい70数キロあって、腹がかなり出っ張っている。筆者はそれはなく、最近は30年前のズボンが履けるようになっている。また肌に皺やたるみ、気になるシミもなく、それなりの精悍さに自惚れている。高齢になるほどに裸になれば人生の歩みを晒け出し、お世辞にも美しいとは絶対に言えない醜悪さを露呈するもので、そのことを自覚する以前に死ぬのがいいが、筆者は三島由紀夫のように身体を鍛えてその筋肉に惚れたいとは思っておらず、いずれ醜い体となって、かつてAの家で見た「ヴィーナスの誕生」のグロテスクに見えた複製画を思い出すのだろう。
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 今日の3枚の写真は先月28日のものだが、何となく頼りなさを感じていたのが中ノ島小橋で、自転車で走ると床板が少し揺れていた。それで修復工事の必要とされたのだろう。先日東京で道路が陥没したニュースがあったが、安全であると安心し切っていいはずの道路がそうであれば、石の橋も叩いてわたるほどの猜疑心を持つべきかもしれないが、そういう慎重な考えが頼りなさであると傍からは見えるだろう。慎重で言えば、またAのことで思い出すことがある。ノック式の万年筆が流行った頃、元来万年筆など使う気持ちがないAはそれを分解してもっぱら遊び、筆者の眼前でそのノック式の仕組みを分解して示した。筆者はそんなことをすれば壊れるので一度も分解したことはなく、今もその万年筆は手元にそのままの形である。Aが病死したのはたばこの吸い過ぎが原因で肺に深刻な疾患を抱えたからだが、Aの母親は石原裕次郎に憧れ、Aがまだ中学生の頃にたばこを与え、Aは強いウィスキーを平気で飲めるようになった。それで50代半ばで死ぬのは無理もないが、子どもを3人もうけたことは生物としては役目は果たした。子どもは親がいなくても立派に育つ。Aは父を知らずに育ったが、Aの3人の子はAの妻が引き取ったので、同じことは繰り返されやすい。コロナ禍になって母が入居する介護施設の老人ホームには一度も行っていなが、面会は予約性でまたかなり制限されているからでもある。スマホがあれば画面で面会可能と妹から聞いたが、それも予約性でわずかな時間だけという。コロナウィルスが施設内に持ち込まれるとすぐに老人たちは感染して死ぬ恐れが大きく、まだ気軽に面会を求めてはならない。それはさておき、ちょうど1年前、筆者はその施設で母を車椅子に載せて移動していると、母は大きな声で出会う介護士に向かって筆者にことを、「この子は気が小さくて頼りないからあかん!」と言った。母には幼ない頃の筆者が風が吹くとよろめいていたことが鮮明な記憶となっているのだろう。「気が小さい」とは、おそらくAのように仮に口先だけでも母に対していつか豪華な旅行に連れて行ってやると大法螺を吹かないことだ。Aは口先で母を喜ばせる術を知っていたが、実際にAの母はAが法螺吹きであることを知りながらもそのことが嬉しかったに違いない。頼もしさとは有言不実行であって、不言実行は昔からとかく人気がない。出来もしない妄想を並べ立てる男ほど女にもてるのであって、黙って地道に仕事を続ける者はアホと見られる。筆者は母にとっては失敗作であったが、筆者は父がしたことで許せないことはしたくないという覚悟はある。何となく頼りないでもいいではないか。そういう頼りない箇所を自覚し、強化することに務めればよく、無茶をするとAのように母に甘えて早死にする。その図はそれなりに美しいかもしれないが、色の悪い「ヴィーナスの誕生」のようにグロテスクだ。
●嵐山中ノ島小橋修復、その4_d0053294_12412181.jpg

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by uuuzen | 2020-11-19 23:59 | ●駅前の変化
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