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●蔓延と万円
やかな季節であるはずが、今年の嵐山は文字どおり灯が消えている。今日は昼頃に雷雨があり、パソコンを切ったが、夕方には雨が止んだので散歩を兼ねて嵯峨のスーパーに行った。



観光客の姿はなく、どの店も閉まっていた。京都にも緊急事態宣言が出たからだ。スーパーの中は普段どおりの人でも、たいていはマスク姿で、レジは透明のビニール・シートで覆われ、客が2メートルの距離を取るべき床に仕切りのテープが貼ってあった。スーパーを4軒回ってまた渡月橋の辺りに戻って来ると、本当に初めて見る眺めで、信号と街灯以外は灯りがなく、誰とも擦れ違わなかった。まだ6時台というのに、こんなことは初めてだ。ただし、天龍寺前のお好み焼き屋は開いていて、中に2,3人の客がいた。たぶん渡月橋を中心に半径500メートル以内で営業している店はそれだけだが、自粛要請であるので営業停止を強制出来ない。また、2,3人の客であれば新コロの感染もほとんど心配ないだろう。感染の危険を言えば、スーパーやコンビニもある。「風風の湯」は昨日ホームページを見ると24日まで休みであったのが、来月6日までに延長されていた。近くの駐車場で年配の男性が筆者に会釈をした。たぶんたまに風風の湯のフロントに手伝いに来る桂在住のパート従業員で、その人は普段は花伝抄に勤務している。そのホテルが今日は全体の5分の1ほどの部屋が明るくなっていた。帰宅してホームページを見ると、来月まで空き部屋が2名ほどとなっていて、緊急事態宣言があっても宿泊客が以前と変わらないようだ。これではゴールデン・ウィークに京都に来る人は多いのではないか。来ても店や寺社が閉まっていればどうするのだろう。政府がウィルスの蔓延に危機感を感じ、それゆえの緊急事態宣言だが、周囲に感染者がいなければ、いつもどおりの生活をしようという気になりやすく、また実際に行動する人もいる。その端的な例が2月末に東京で5000人を集めてライヴをしたミュージシャンであり、その後も多くの人を集めて催しをした有名人はいる。それに嵐山のとある店の店主は地元の商店街で独自のポスターを製作し、TVで紹介させて他県から観光客を呼んだ。これらはみなウィルの蔓延よりも自分の懐に入るはずの万円のほうに目が向いていたからだ。彼らは今でもそうだろうが、これだけ自粛ムードが蔓延すると、右へならえでなければ白い目で見られる。そして評判を一旦落とせば新コロが終息しても持ち直せないかもしれない。そのような思惑が働いてのしぶしぶの自粛も多いだろう。ウィルスの蔓延と収入の万円のどちらを取るか。そのことで相変らずネットでは庶民の意見がまとまらない。あたりまえのことだ。菌も怖いが金欠も怖い。菌との闘いは金との戦いでもある。菌はいらんが金はほしいという虫のいいことは今は言えず、菌を避けるために餓死してはならないので金を支給してもらおうということだ。
●蔓延と万円_d0053294_00474566.jpg 誰もが思っていることをここで繰り返しても何にもならず、無名の筆者であればなおさらだ。しかもこうした長文は誰も読まない。それで筆者は日記代わりに書いているが、2段落目はカフカの『変身』への返信を書く。2,3日前、突如この小説を思い出した。ある日、虫に変身した男グレゴール・ザムザは同居している妹や両親から最初は憐れみを抱かれるが、次第に嫌悪、無視され、父親から投げつけられたリンゴが背中にめり込んだまま体調を崩し、やがて死ぬ。その後は残された家族は新たな、そして邪魔者が消えたことを喜んで爽快な生活を始める。このザムザは新コロの感染者のようなものかと思って、この小説を思い出したのだが、実は新コロはもっと厄介で、家族にウィルスを移し、家族全員が虫に変身する。現に感染したというだけで差別を受ける事例が生じ始めているが、疾患のある老人の死亡率が高いことは、『変身』と同様のことが国家規模で起こりつつあることも意味している。つまりザムザのように最初は悲しまれても、やがて厄介者と目され、死ねばせいせいされるというのが、現代版姥捨て山となりかねない新コロ問題だ。日本は1月下旬からそのことを狙ってPCR検査を渋り、入院させず、医療崩壊を理由に老人が大勢死ぬことを目論んだのかもしれない。もちろん政治家やその忠犬の右寄りの芸能人は別で、検査はすぐにしてもらえるし、入院しても万全だ。これが荒唐無稽な政府批判の戯言としても、ウィルスで人の命がどうにでもなることを今回は世界中が知ったから、為政者は邪魔者の処分のためのウィルスを今後は密かに製薬会社に作らせるかもしれない。そうなれば人間はもう滅びているも同然で、筆者は非人間が統治する世界に生きたくはない。そういう統治者は悪魔であって人類ではない。だが、現実にそれに近い政治家はいたし、今もいるだろう。話を戻して、ザムザの変身の物語は肉親でのことだ。現在の日本に置き換えれば、ザムザは認知症になった親や新コロに感染した息子や娘になり得る。同居の誰かが感染すれば、ザムザのように別室に隔離するしかないが、今の日本のPCR検査の渋りはザムザの物語をどの家庭においても現出させる可能性がある。それどころか家族全員が感染すればさらに感染は広がり、日本中がザムザのように変身した虫だらけになり、カフカが想像したよりももっとグロテスクなことが起こりそうだ。ザムザはますます虫らしくなって腐ったものを欲し、壁を這い回るようになるが、幸い新コロに感染しても多くは治癒する。ザムザは気づけば虫になっていたが、新コロも自覚しない間に感染する可能性がある。そこで虫になりたくなければ、自粛蟄居するしかないし、幸い筆者は家で仕事をするのでほとんど不自由を感じない。新コロ禍以降、世界や日本が爽やかに変身すればいいが、日本では相変わらず万円のほしい政治家や芸能人らが蔓延するだろう。
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by uuuzen | 2020-04-18 23:59 | ●新・嵐山だより
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