扶養家族が多いと、仕事を失うと大変なことになる。昨夜のＴＶでフィリピンの在日家族が紹介された。子どもは３人で夫は新コロによって仕事を失った。妻は夫と違って日本語がかなり話せるが、毎月２０万円が生活に必要と言っていた。



生活保護にかかるしかないと思うが、小さな子どもたちは現在の深刻な状態を両親の悲し気な顔から察しているだろう。今日は公明党の党首が首相に談判し、国民全員に１０万円が支給される見通しになった。全国に緊急事態宣言が出されたが、５月６日が来ても相変らず新たな自粛要請は出ている気がする。人との接触が６割減では感染者数は現状のままずっと続くとの予想で、これでは生活が出来ない。現状を「経済が回らない」と言う人があるが、スーパーは開いているし、宅配便や郵便は機能している。それに乗客は激減しても電車やバスも走っているし、わずかな割合でもサラリーマンの幾分かは在宅でパソコンを使っての仕事に切り変えた。居酒屋や食堂を利用しない筆者にすれば、新コロ問題が起こってからも生活にほとんど変化はないが、これはずっとフリーランスで生きて来て、今は半ば隠居でしかも年金生活者であるからで、もともと「経済を回す」ことにほとんど寄与していない。つまり、「世捨て人」ないし「野良犬」と同じで、いつ死んでも誰も困らない存在だ。有名人が経済を回せと発言しているのを見ると、さすがに儲けている人は威勢が違うと思うが、ある意味そうした人は収入が減って怯えているのかと何となく憐れになる。今はみんなが右往左往していて、何が正しいのか誰にもわからない未曾有の状態だが、感染したくない、感染させたくないことは基本であって、それには筆者のような人間は誰にも姿を見られないように家にこもっておくのがよい。で、済んだことをあれこれ言っても今は仕方がないが、日本では欧州より早く新コロが入って来ていたとされるのに、死者数が少ないことが疑問で、まずはその本当の理由が明らかになっていないことが、気の緩みや、経済を早く回すことが先決という意見が出る理由に少しはなっている気がする。中国や韓国が終息して経済をほぼ以前のように回しているのを見ると、なぜ日本はここ２、３か月、同じ対応をしなかったのかと思うが、日本は特別で特殊という意識が国民に強く、わが道を未知ながら今も進んでいる。それには前述のように死者が少ないことも理由だが、その死者数が信用ならないということは今日は繰り返さない。そしてようやくＰＣＲ検査を増やそうという動きが出て来たが、ということは韓国より２か月は遅れたことを今から追い、韓国が終息させた日数と同じだけで日本もそうなるとの予想が専門家にはあるのか。これは現在の日本の死者数がきわめて少ないので、高をくくっている人のほうが多いからだろう。そのために「経済を回せ」という意見がまだ出て来る。　この２か月、日本は今の感染者数や感染状況が予測出来たはずだ。そして医療崩壊が起きないように各方面に手を回して準備して来るべきであったのに、オリンピック開催の問題があったために感染者や死者の数を検査しないことで抑えていたので、ほぼ無策であった。体の異常を訴えてＰＣＲ検査を求めても受け入れられるのは１００人に２名であった。ところがようやくノーベル賞受賞者がふたりも「検査数を増やすべき」だと、２か月前に危惧していた人がわかっていたことを意見して、ここ数日でＴＶでも問題視され始めた。ＴＶのワイドショーなどで「インフルエンザ程度で怖くない、全員感染して抗体を持つべき」と煽り続けた口だけの輩にいかに多くの国民も政府も振り回されたかがわかる。何が言いたいかと言えば、オリンピックとそうした連中によって二重に日本は新コロへの真剣な取り組みが遅れたことだ。それでようやく韓国並みに検査するかと言えば、たぶんそうはならず、また出歩く人が相変わらずあまり減らず、いつまでも感染者はいなくならないだろう。いや、国は適当なところでいなくなると発表する。日本だけが経済から取り残される悪夢だけは避けねばならないからだが、検査数を絞って来た日本が、多少の感染者を残して世界に終息宣言を発して来年オリンピックを開催すると、日本にやって来た人が感染してまた世界に広がる恐れがある。つまり、ここ２か月の感染者野放し状態はもう許されない。それをわかっての検査数増大宣言だろうが、そう簡単なことではなさそうだ。まず医療崩壊をさせないことだ。イタリアで多くの死者が出たからだ。検査を渋ったのも医療崩壊が理由であったが、今の病院とは別の場所で別の人たちが検査し、陽性者を隔離するという一連のことを迅速に行なうのであって、病院が他の病人を看られないことがないようにするのはあたりまえの話だ。それはいいとして、医療崩壊で死者数が増えることにひとつの疑問がある。それは新コロによって肺炎などを起こして死ぬ人と、新コロとは無関係の患者に回す手がなくて死なせてしまうことの割合だ。エクモは１２名ほどの人が患者ひとりに付き添う必要があり、エクモがなければ死んでしまう人が多く出ることは誰にもわかるが、エクモを必要とするまでに悪化する人の割合がどれほどなのか。これが今のところはインフルエンザで死ぬ割合よりかなり少ないので「経済を回せ」という声が出る。昨日はこのままでは４２万人が死ぬとの警告が医師から発表された。一気に感染者数が増えると重篤者もそうなる。そうした人を平等に治療することは不可能で、結果多くの感染者が死ぬ。４２万の死者は実感しにくいが、新コロ感染者以外の病気の人にも手が回らなくなって死ぬ人も出て来る。それにまず医者や看護師など、治療に携わる人たちや、他の入院患者が感染する確率が大きい。実際そうなっていて、それも医療崩壊だ。　筆者は医者や薬が嫌いで、ここ１０数年は歯医者に一度行ったきりで、病院に行かず、薬も飲んでいない。もっとも、それは治療費や薬代が馬鹿らしいからで、自分の体のことは自分が一番よくわかっているという妙な自信がある。だが、新コロ感染による異常を感じれば、家内に移せば死に関わるので、慌てて検査を望むだろう。自分のことも大事だが、周囲に移したくない。なので、全員が感染して抗体を持つようにし、一方で経済を回せという意見には反対だ。全員抗体が持てるかどうかわからず、また一定数の死者が出るのが確実で、その一定数が４２万では済まないと思うからだ。予測がつかないこと、そして命がかかっていることに国が賭けをすることには反対だ。なので、先の意見を言う人は勝手に動いて感染すればいいが、厄介なことにそうなれば他者に感染させる恐れがある。その簡単な理屈がなぜわからないのだろう。だが、５月上旬が過ぎれば感染者数が激減する保証はない。ここ２か月、日本が新コロを甘く見て検査せず、感染者を野放しにした結果だ。ボヤの段階で消火していればよかったのに、もう２階まで火の手が上がっている。最初に渋ったために大損する格好だ。５月中旬になってまた多くの人が出歩き、感染者数がいっこうに減らなければ、国民の不満はさらに高まる。今での首相を能なしと呼ぶ人が増えている。全員に１０万円を支給しても、今後も自粛要請が続けば、新たな問題も起こって来るはずだ。倒産などによって自殺者が増えるという意見があるが、強盗や空き巣などの事件も増加するのではないか。その兆候はすでにある。この先が見えない空気が一番困る。本当に接触を８割減らせば、１，２週間で目に見えて感染者が減るのか。今後ＰＣＲ検査が格段に増えるならば、感染者数も比例するであろうし、医療崩壊しないままに感染者が治癒し、また新たな感染者数が減少して行くのか。戦場ではどこに敵がいるのかわからなければ戦えず、積極的にＰＣＲ検査すべしとノーベル賞学者はたとえて発言したが、そのことを２か月前に言ってほしかった。筆者も含めて同じことを思っていた人は多くいたはずだが、ネットやＴＶは忠犬の巣窟で、筆者のような野良犬はたとえ意見を発しても嘲笑、罵倒される。そして先日ネットの意見で見かけたが、文化人は何の役にも立たないと揶揄される。それを言えばスポーツマンはもっとだ。そのスポーツの祭典のオリンピックが日本の新コロ問題の足かせになった。またオリンピックは大震災があっての発想で、日本は負の連鎖に嵌って来ている。これはなるようにしてなって来たという運命論だが、大きな出来事がきっかけで目覚めることはある。新コロの嵐が過ぎ去った後のことを今から夢想し、準備しておくべきだ。嵐で壊れた箇所は新しく直す。それには生き延びることだ。苛立ちや滅入ることがあるだろうが、政治が悪いと思えば変えることを考えればよい。

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