複合感染した時の症状でなければいいが、ここ数日筆者は嗅覚がなく、食事の味もわからない。最近「風風の湯」では学生が多く、サウナ室が彼らで占められることがままあり、仕方なしに一段低い座席に座ると、背後に彼らの話し声を聞く。



その吐息に新コロが混じっていれば感染するだろうが、その心配をよそに彼らは無邪気だ。どこから来たのかと訊くと東京との返事で、それから話が弾むが、やはり感染は嫌なのでなるべく誰もいない時を狙ってサウナ室に入る。筆者が他者と身近になるのはそのサウナ室のみで、感染してもルートが追えそうだが、学生たちがどこの誰かはわからない。彼らに感染者がいれば、道中でウィルスを撒き散らし放題だ。そうならないために発熱者を検査すべきと言いたいが、新コロには不明なことがあって、感染してすぐに発熱するとは限らない。ならば嗅覚と味覚がなくなる症状を呈する者も検査すればいいと思うが、相変わらず検査しないことが最もよいという意見が大勢を占め、全員が感染して抗体を持つほうがよいとＴＶで言う者もいる。それはさておき、筆者はひどい花粉症で、鼻づまりで嗅覚がなく、それゆえに食べ物の味がわからないと思っているが、花粉症の人が新コロに感染しやすいかどうかはまだ研究されていないだろう。鼻づまりでは鼻を通じての感染は少ないと思うが、筆者は寝ている間も目が痒く、目から感染する確率は高い。それはさておき、東京オリンピックは１年延期で決着し、世界はこの１年で新コロの感染を終息させる必要がある。終息していなければ中止になる公算が大きいだろうが、それはその時のことで、とりあえず延期はもっともなことだ。これは歯痛で歯医者に駆け込めば、歯を抜く荒治療よりもひとまず痛みをごまかしてもらいたいことに似て、痛みを抑えている間に最もよい治療方法を考えればよいという考えで、抜歯するしかない結果になっても諦めはつく。やるだけはやろうということで、オリンピック延期決定後は日本は新たな新コロ感染対策の段階に入った。そして東京では感染者がたちまち急増し、積極的に検査し始めたかに思えるが、その数は欧米に比べて１，２桁少ない。これは日本中を感染させ、抗体を持てる若者を生かして疾患のある老人には死んでもらおうという考えに思えるが、老人が大部分を占める政治家もこの際みんな死ねば日本は一新する。とはいえ、政治家は自分たちは別だと思っている。嵐山では桜が満開に近づいたが、筆者は「風風の湯」に行く以外は蟄居で、また「風風の湯」の露天風呂に桜が植わっているので、それで花見をしている。３連休で東京は大変な人出であったようだが、無自覚の感染者を意図的か仕方なしにか、野放し状態では行動の自由は当然だ。そして感染拡大から死者が急増しても、新コロはインフルエンザと大差ないとＴＶで口泡吹かすインフルエンサーは「想定外でした」とまたＴＶで大笑いする。

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