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●ニック・ナックの御守り
いことを普段よく感じる人ほど、癒しを求めて手元に愛玩出来るものを置きたくなるのだろうか。ペット好きには心優しき人が多いだろうが、生き物の世話は大変だ。



●ニック・ナックの御守り_d0053294_14463475.jpg
筆者は毎朝雀に古米を与え、彼らが楽し気にさえずっている声を聞くだけで満足で、米に群がっている姿を見ない。筆者は母に似たのか、生き物よりも小さな飾り物が割合好きで、家の中にそんなガラクタが溢れ返っている。それは貧乏人の証しらしいが、否定しない。貧乏人は貧乏人らしく、小さくてかわらしい物を眺めて優しい気持ちに浸りたい。ところで、梅津のムーギョがなくなってからは買い物は嵯峨に行くようになった。その道筋は最短距離でなるべく車が通らないことを重視し、2か月ほど前にほとんど決まった。そのいわば最新のルート上に、わが家でも3個あるプラスティック製の日差しで動く小さな人形を10数個並べた台を置く家がある。雨よけつきで、道路際の庭端にあって、道行く人に見てもらうことを目的としていることは間違いない。わざわざ外に出すのは、よほど家の人はその人形を愛らしく思っていることと、大阪言葉で言えば「いちびり」の精神があるからだが、その思いは筆者にもあって、それでこの人形の台には2か月ほど前、その道を初めて通った時に気づいた。天気のよい日は全部カタカタと動いていて、それぞれの色や形が違い、また動きは一致していないから、人間の世界を想像させる。人間社会は人がてんでばらばらに一斉に動いている。人間がうじゃうじゃう蠢く様子はそれなりにとても気持ちが悪く、グロテスクだ。3日前、家内とその人形台の際を歩いた時、初めて玄関脇に80歳ほどの男性が椅子に座って道行く人を眺めていた。筆者はその老人がその人形台を設置したことを直感したが、筆者と目が合った途端、その人は口元に少し笑みを浮かべた。というのは、その人に気づく直前筆者はその人形台をちらりと見て微笑んだからだ。老人にすれば「やったあ!」の気持ちであったのだろう。その人の反応を見て筆者は、その人形台を撮影し、ブログで紹介することに決めた。それで翌日、つまり一昨日はカメラを持って買い物に行き、往路で撮影した。小雨が降っていたこともあって、老人の姿はなかった。太陽が出ていないのに半分以上の人形が音を立てて腕や同を左右に動かしていたが、その動きを見て心が癒される人がある。太陽が明るいほどに活発に動くからで、辛い人は明るいことを強いて思うべきだ。人形台を設置した老人がどのような人生を歩んで来たのかはわからないが、人に見せて自分も楽しむ思いがあることは、孤独でありながらもそれを楽しんでいる風情から感じられる。筆者はそういう大人が好きだ。そう言えば桂川沿いの市営駐車場前にある切り株上の小さな人形の写真を「切り株の履歴書、番外」と称して何度か投稿したが、現在人形は2個がのみで、無残な様子になっている。
●ニック・ナックの御守り_d0053294_14465525.jpg 今日の投稿の題名を「切り株の履歴書、番外の番外」にしようかと思いながら、一方で小さな人形をザッパはKnick Knack Poeple(ニック・ナック・ピープル)と呼んで曲名にもしていたので、「ニック・ナック」を使うことにした。またこれは以前書いたことがあるが、作曲家のラヴェルがニック・ナックが大好きで、小さなガラクタをピアノの上に並べていたと読んだことがある。そのことはラヴェルの愛らしい曲から誰でも納得出来る。そう言えば筆者は毎年冬場はラヴェルのピアノ曲を何度も聴くことが習わしになっているが、今年は相変わらずミケランジェリのショパンを聴く傍ら、今までほとんど聴かなかったギーゼキングのラヴェルを聴いている。これがとてもよいので驚いている。またブーレーズ指揮のラヴェルの管弦楽曲を盛んに聴いているが、ピアノと同様、「クープランの墓」が目当てだ。話をニックナックに戻すと、スーパーに向かっていると、2枚目の写真のシーサーに出会った。門柱の上に置いてあって、シーサーは全く珍しくないが、大の足元にミニが向かい合って寄りかかっているのが秀逸なアイデアだ。この親ミニ子シーサーに何も感じない人は筆者の文章を読んでも何も感じないはずで、先の人形台で言えば、筆者とは違う波長で動いている。さて、ほかの憎いニック・ナックが路傍にないものかとさらに歩いていると、去年2月に投稿した「八大龍王社」が見えた。去年投稿した写真を見ると、現状と変わらない。近寄って祠の中を覗くと、今日の3枚目の陶製の「巳さん」のニック・ナックが見えた。宝珠を雌雄の白蛇が絡まって抱いている。宝珠男を自認するマニマンでもこれは侵し難い聖なる雰囲気を感じる。龍を祀る「八大龍王社」だが、龍と蛇は同一視されることがあり、また白蛇は特に京都では「巳さん」と親し気に呼ばれて大切にされる。筆者がかつて勤務していた友禅工房の親会社の呉服問屋には、大きな屋敷のそばに何に木か知らないが、鬱蒼と茂る巨木があり、その根元に小さな祠があったと記憶する。社長はその木の近くによく小さな白蛇が出ることを「巳さんを傷めたらあかん」と言って、商売繁盛の願かけをしていた。白蛇はさほど珍しくなく、30年前はわが家の裏庭の小川沿いやその向こうの畑で見かけたことがある。その頃はかわいらしいイタチもいて、筆者は数メートル先のその顔とまともに対峙したこともあるが、畑が消えて蛇もイタチもいなくなり、昆虫も激減した。それで筆者は隣家も含めて裏庭をジャングル化させているところがあって、祠を用意するつもりは全くないが、雀が越冬出来る巣箱を木の幹のどこかに置く気はあり、またそのてっぺんに日差しで動くニック・ナックの人形を接着剤で固定するのはどうかと思っている。♪ニック・ナック、ニック・ナック、ボーンボン、オハヨウオハヨウ、ヨガアケタ……。辛いことは忘れよう。
●ニック・ナックの御守り_d0053294_14472625.jpg

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by uuuzen | 2020-01-29 14:47 | ●新・嵐山だより
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