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●カイヨワ、ピラト、コリント、キリスト
型をまず用意し、それにしたがってより大きな作品を仕上げる筆者だが、このブログは基本的に毎日投稿することもあって、思いつくまま書き散らしている。



●カイヨワ、ピラト、コリント、キリスト_d0053294_02165288.jpgここ3週間ほどの筆者のブログをすべて読んでいる人は気づいていると思うが、それぞれの投稿は関連し合っていることが多い。今日の投稿はいちおうその締めくくりめいたことになるだろう。ところで、去年の暮れにある人が筆者のブログは長過ぎるので全部読んでいないと言った。落胆はしなかった。今はツイッター本位の世の中だ。誰でもくどい長文は読む気が起こらない。筆者にしてもツイッターの短文を含め、他者の文章をネットでほとんど読まない。そんな時間があれば書物を繙きたい。常に数冊の読みかけの本があるが、今はルナンの『キリスト伝』を読破したいと思っている。またそれが映画『汚れなき悪戯』を見たことと関連があるかと言えば、そうではなく、たまたまだ。それでも無意識のうちにキリストに関心があるからだろう。それは10代からで、半世紀も経っていろいろと本を読む気になっている。『キリスト伝』の一方、これは45年前に内容を知り、また買って20年以上は経っているロジェ・カイヨワの『ポンス・ピラト』を先ほど読み終えた。これがいかにもカイヨワの他の著作と関連して面白い。同じ著者であるから当然とはいえ、この本はいわば彼にしては例外の小説だ。さすがに文章は香り高く、またピラトの印象を一般に流通しているものと違って、これほど鮮やかに、また深く書いたものはないのではないか。カイヨワは真面目な人で、筆者はこの本の内容を知った45年前に、キリストに死刑を認めたポンス・ピラトがストア学派であることに関心を抱いたが、先ほど本を読み終えて45年前の思いとほとんど変わらないことに気づくとともに、カイヨワもストア派の哲学の信奉者であることを再確認した。とはいえ、筆者は彼が本当にストア派の哲学を自分の信条としていたかどうかは知らない。他の著作から感じられるきわめて真面目で真剣な態度からそう想像するだけだ。この本の面白さはとても説明しにくく、またピラトの決断は歴史的な記録とは違っているが、ローマ帝国の皇帝からエルサレムの総督に任命されるほどの人物であり、それなりに知性があって、当時の常識からしてストア派であったとするのは間違いではない。またストア派であれば、無実であるとわかっているキリストの処刑に際して悩んだことは確実だと考えることはきわめて合理的だ。そこにはカイヨワがあまりキリスト教を信じていないこともほのめくが、そこにルナンの『キリスト伝』の影響がないかということに筆者は関心がある。同じフランス人として、否定するにしても賛同するにしても知性のつながりはあるはずで、ルナンの宗教に対する考えがたとえばアンドレ・マルローにどう影響を与えたかについてもいずれいろいろ本を読んでみようと思っている。
●カイヨワ、ピラト、コリント、キリスト_d0053294_02232119.jpg 昨日またプロフィール画像を変えた。「カラヴァッジョの薔薇花序」はそのままでその色を何度も変えた。最初の真っ赤はあまりに生々しいので、右側のマニマンと左の雲古の色合いに合わせようと考えた。そうして作ったのが、背景がパン色で、顔がワイン色だ。これは『汚れなき悪戯』のマルセリーノのパンとワインに通じる一方、先日の投稿の「パン食うパンク爺」「はいチーズ!」からの概念継続でもある。だが、そうして作った画像は平面的でマニマンと雲古の立体とはそぐわない。それで中央部を明るくし、立体に見えるように何度か工夫したが、円形のプロフィール画像に収まると周囲の輪郭線が白いためにマニマンと雲古とは馴染まない。そこで思いついたのがムーンゴッタだ。これは満月を意味し、阪神尼崎駅前にある鉄の大きな球体が10個ほど展示される彫刻作品の近くに「アマゴッタ」という名前のスーパーがあることから名づけた。それで、筆者が息子のみとやりとりしているLINEに使っているプロフィール画像は、今日の最初の写真に示すように、円形にぴたりと収まる満月の写真だ。それをそのままエキサイト・ブログのプロフィール画像に使うのは面白くないので、「カラヴァッジョの薔薇花序」をその満月の写真と同じ色合いに加工し、それを使うことにした。マニマンが歩く夜明け前にはまだ満月が空に浮かんでいるかもしれないとの理屈づけにもなるし、満月が地面に落ちているのも面白い。またこのプロフィール画像を使うことで、マニマンと雲古の対話が一気に三角関係の様相を呈し、マニマンが不思議がっているのは雲古に対してではなく、血みどろの奇妙な顔が刻印されて地面に落ちている満月となる。この円形内の黄色い顔は、マニマンだけではなく、読者も奇妙に感じるだろう。ところで17年前に「カラヴァッジョの薔薇花序」の切り絵を作った時、筆者の脳裏にあったのはカラヴァッジョが殺人を犯したことと、ロヴィス・コリントが1922年に描いた名作「赤いキリスト」だ。筆者はこの絵の実物を生きている間に見たいが、今後10年以内に大規模なコリント展が日本で開催されないものか。この凄惨な絵が大好きというのは、やはり筆者はメンヘラ度が100パーセントであるかもしれないが、好きなものはしようがない。コリントは聖書をテーマによく描いたが、他の人物画、特に自画像は生きることはどういうことかを如実に示しているようで、画集を開くたびに見入ってしまう。画面上端に太陽が旭日旗のように描かれているのは、キリストの磔刑が行なわれたのは昼間であるからだ。これは見物人に見せるためでもあった。『ポンス・ピラト』にはその様子は描かれないが、その理由は本を読めばわかる。この本は2,3時間で読めるが、時間や歴史、記憶といったものが何かを考えさせる一方、神にすべて支配されない人間の正義についてのストア派の思想が垣間見える。
●カイヨワ、ピラト、コリント、キリスト_d0053294_02171841.jpg
 ここ数日、若い男女の俳優の不倫が盛んにネット・ニュースになっている。芸能人はセックス好きのオーラがなければ人気が出ないのであって、一般人がけしからんと騒ぐのは羨ましさが混じった下劣根性からでもある。キリストならそう言ったであろう。先日亡くなった昭和の男優は1331人の女とセックスしたと語っていたが、カザノヴァのようにその生活を面白おかしく文章にすれば彼の名前は歴史に残ったかもしれないが、1331人との性交は売春婦からすれば少なく、誇ることではない。しかも99パーセント以上の女は世間が認める「いい女」ではなく、ただの尻軽だ。芸能人と売春婦は同列に置いていい加減の人種で、女も男も有名になって金をたくさん儲け、出来る限りの多くの異性とセックスすることに最も関心がある。ついでに書くと、筆者はジャニーズやイケメンと称される芸能界の若い男の顔を見るにつけ、その馬鹿面に辟易し、頭を振れば脳の少なさに鈴のような音が鳴ることを想像する。ま、政治家が出鱈目なのでそれも当然で、日本はローマが没落した速さ以上にもう残された未来はないだろう。話を戻して、『ポンス・ピラト』の最後近くにこんな下りがある。「…「運命の女神」そのものも、「正義の者」にその良心が禁じている行為を強制することはできない。……非難すべき諸行為は、盲目性あるいは精神の愚鈍さの不可避の結果である。しかもほとんどいついかなる時にも、そうした行為は「貪欲の神」の娘であり、そして「貪欲の神」はことごとく盲目、愚鈍である。魂が悪に赴くとき、魂はみずから加えた重さで秤のバランスをかしげ、みずからの運動によって悪に赴くのだ。サルベドンを窮地から無益にも救いだそうとしたゼウスも、無慈悲で名前をもたぬ「呪いの神」にしても、一個の魂を弱者にすることも罪人にすることもできない。神々の力の終わるところに、美徳への野望がはじまる。賭けがどんなに重要であり、世界の救済が問題であるとしても、人間の魂は、ただ同意してのみ悪を犯すのだ。人間の魂はそれ自身の主人である。いかなる全能者といえども、人間の魂の途方もない特権に勝りはしない。…」魂は自由だが、人間には良心がある。不倫を続ける者はその良心が麻痺しているとすれば、それは愚鈍ということであり、そして芸能界は愚鈍の巣窟ということにもなるが、筆者には芸能界はどうでもいい。今日の4枚目の写真はコリント最後の油彩画「この人を見よ」で、中央はキリスト、左の白衣が「この人を見よ」の言葉を発した総督のピラトだが、コリントがピラトをどのような人物と思っていたかはこの絵の表情から伝わる。それはカイヨワが言葉で描写する人物像とはかなり違うが、コリントはストア派を理解していなかったのだろう。とはいえコリントが放埓に生きたとは思えない。画家としての矜持、執念は「赤いキリスト」1点からでもわかる。
●カイヨワ、ピラト、コリント、キリスト_d0053294_02174295.jpg

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by uuuzen | 2020-01-25 23:59 | ●新・嵐山だより
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