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●『HALLOWEEN 73』その2
合わせ、つまり左右対称かと思っていたが、左右の電気を発する碍子はわずかに形が違う。何のことかと言えば、昨日投稿した最後の写真だ。これは箱の裏面で、4枚のCDの全曲目が中央揃えに印刷されていて、左右対称を意識したデザインだ。



d0053294_01070879.jpgそれで4枚のCDの裏ジャケの下部のフランケンシュタイン博士の実験室を暗示する道具類も少しずつデザインが違って凝っているが、ディスク面のデザインはみな同じだ。今回の新譜はザッパをフランケンシュタインに見立てた仮面と義手的手袋で、今日の最初のようにどちらも緑色だ。フランケンシュタインが緑色であったのかどうか知らないが、ネットで今調べると緑色に描いている場合が目立つ。ザッパはヴァレーズをマッド・サイエンティストのように恰好いいと思っていたが、人造人間を造ったフランケンシュタイン博士にもそのような思いを抱いていたであろうか。「フランク」と「フランケンシュタイン」は発音が通ずるので、意識はしたであろう。そのフランケンシュタイン的ザッパが今年のハロウィーンにゾンビとなって新譜のデザインに使われるのは、46年ぶりに録音が発売されて蘇ることと、また父に対していささかふざけた冗談をしてもかまわない次男のアーメットが社長であるからだ。それはそうと、昨日書いた手袋の中のぬめり気と臭気はひょっとすれば、ゾンビであることを誇張するためにわざとそうしたものかもしれない。筆者は緑色のその手袋や仮面を見ながら、PGP(パーマネント・グリーン・ピー)を思い出すが、来年の「ザッパニモヲ」はこれを遠藤さんが舞台で使用すれば面白い。それもそうと、ザッパニモヲは当初「ゾンビー・ウーフ」を練習したというが、演奏が難しくて断念したと「さあや」さんから聞いた。筆者は歌が難しいと言ったが、演奏もそうで、本作でもその曲は演奏されていない。リック・ランセロッティは「ゾンビー・ウーフ」のみ歌って麻薬問題からクビになったが、そうでなければマザーズのツアーに参加していたであろうし、またそうなればナポレオン・マーフィ・ブロックを雇うことはなかったか、ジョージ・デュークに歌わせることもなかったかもしれない。結局そのふたりがヴォーカルを担当し、73年10月以降のツアーはザッパの歌や語りも相まって、難解に聴こえそうな音楽がかなり陽気なものになった。イアン・アンダーウッドとジャン・リュック・ポンティが在籍した頃と最も異なるのはヴォーカルの力で、即興演奏をふんだんに交えるジャズっぽさは残しながら歌の楽しさが加わったのが本作であり、ロキシーのライヴだ。さて、本作のブックレットにはジョー・トラヴァース、ドラムスのラフル・ハンフリー、そしてルース・アンダーウッドの3人が文章を寄せていて、先ほど最初のふたつを読み終えた。前者は2ページ、後者は8ページで、後者のラルフはザッパのアルバムにライナーを書くのは初めてと思う。
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 ラルフは本作当時30歳としても現在76歳だ。生きていても不思議ではないし、またよくぞ昔のことを思い出して書いてくれたと思うが、それほどにザッパと一緒に演奏したことが鮮烈な記憶となっている。ジョーの文章からかいつまむと、70年代前半のハロウィーン・コンサートは場所が決まっておらず、また74年のニューヨークで始まったショーはミュージシャンズ・ユニオンが録音を許可しなかった。そのため、ザッパは70年代のハロウィーン・コンサートについては多くの録音を所有していない。ということは77年のあの大量の録音は、会場と音楽家組合の了承を得られたためで、ザッパの気力が満ちていた時期とも重なってのものだ。また本作は例外的に録音が可能となったもので、その貴重さからボックス・セットになったのだろう。4トラックのアナログ・テープに3トラックのみ録音されたが、録音技師の腕がよく、音の分離はよく、充分聴くに堪える。ジョーの文章の後半は新曲の概説で、その最後に「ザッパの歴史の黄金時代であることをこれらのハロウィーン・ショーが保証するだろう」とあって、73年10月から翌年にかけてのメンバーによるツアーをザッパの黄金期とする。これはどのメンバーも演奏能力がきわめて高かったからだ。音楽家組合は音楽家の権利を保護するためのものだが、本来芸術に携わる者は、サラリーマンのように定時から定時まで働けばよいと考えるのであれば技術は向上しない。ザッパのギターの才能がすごいとして、それは誰よりも多く練習したからだ。好きなことをしていると食べることも寝ることも忘れる。それほどに夢中になれない人は目指す道で一流になれるはずがない。ザッパはそう考えたはずで、それに同意出来る者と一緒に音楽をやろうとした。そうして出来上がる音楽はごく一部の人にしかわからないだろうか。ジャニーズやAKBといった素人に毛の生えた程度の音楽がもてはやされるのを見ていると、日本ではそう思える。だが、ラルフは長い文章の最後で実に面白いことを書いている。それを意訳する。「人々をしたがわせ、また音楽を好きにならせるために、わかりやすい音楽を書かねばならないという誰かの態度があるにもかかわらず、平均的な聴き手はザッパの音楽を直観し、その流れの飛翔にしたがうための能力を持つという事実。ザッパはそのことを知っていたと思う。」つまり、わかりやすい音楽が蔓延しているが、音楽の平均的な聴き手はそうではない音楽を楽しむ能力を持っているという考えだ。ザッパは音楽への理解が「平均的」な人のために作曲し、ザッパの音楽を楽しめない人は平均以下ということだ。ラルフのこの「平均的」と言う言葉は謙遜だろうか。時代を超えて受け継がれる芸術に標準を定めると、ザッパの音楽は「平均的」だ。だが、日本もアメリカも平均以下の人間が大多数を占めると見える。それは首相や大統領を見ればわかる。
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by uuuzen | 2019-11-15 23:59 | ●ザッパ新譜紹介など


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