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●大阪難波ベアーズにて、Alex Rafael Rose
次第と言っていいライヴの演奏者の出番順が、急に出演出来なくなったり、あるいは出演者が増えたりする。先月25日の難波BEARSでは、前日まで出演者が確定しなかったことを金森幹夫さんのメールで知った。



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筆者はライヴに出かける際、全く何も調べず、こうして感想を書く段になってネットで調べるが、幸いこれまではどの演奏者もYOUTUBEで見られた。ライヴを見た記憶にその映像を参考にして書くが、今日から5日連続で金森さんと見たライヴを紹介する。最初の写真がその式次第つまり演奏順ということで、感想を書く際に役立つので撮影した。ベアーズに訪れる機会は去年10月下旬の武田理沙さんの関西ツアーの際にあったが、連日出かけるのが億劫でもあって、ベアーズでの演奏を見なかった。今回初めてその場所を訪れた。金森さんは方向音痴の筆者を心配して、難波パークスの南に山田電機があり、その西の阪神高速の高架下すぐの西角にメロンパン屋があってその真向かいという目印を教えてくれた。当日は展覧会を見た後に午後6時10分頃にそのメロンパン屋に着いた。210円のチョコチップス入りを1個買って店の横に座って食べていると、道路を挟んだビルの地下のベアーズから、髭を生やした白の袖なしシャツ姿の西洋人男性が駆け上がって来た。そしてしばし辺りをきょろきょろとした後、地下に潜って行った。その数分後に金森さんが現われ、筆者に手を振った。筆者はパンを食べてから道路をわたってベアーズに入った。金森さん曰く、当日は客の入りは少ないはずで、座って見られるとのことであった。客は3、4人の西洋人男性を含めて10人ほどだったが、角矢胡桃さんもやって来た。ライヴ後の談笑で、彼女が近々ドイツや北欧など5か所から招聘され、ひとりでライヴをすることを知った。ライヴハウスのネットワークがそれなりにあるのだろう。そのためかどうか、当日最初に演奏した男性はロンドン在住で、前日に客として店に現われ、演奏が決まったとのことだ。それが前述の袖なしシャツの男性で、その名前「Alex Rafael」をYOUTUBEでさんざん調べても見つからず、先ほどようやく髪を桃色に染めた「Alex Rafael Rose」と同一人物であることがわかった。なかなか多芸な人物であることも知ったが、その才能は当日のライヴからもわかった。朗々と歌いながらひとりでパソコンを通じて音を発し、またドラムスを叩き、一方ではエレキ・ギターを奏でた。いかにもイギリス的な、哀愁を帯びた幻想的雄大さを感じさせるスロー・テンポのロックで、ピンク・フロイドを思わせたが、何分ひとりの演奏であるので、彼が暗い舞台のあちこちをしきりに移動する様子はハラハラとさせた。また、袖なしシャツはあちこち自分で破いたのか、何年も着て破れたのか、ホームレスかヒッチハイカーのようにボロボロであった。
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 アレックスが最初に演奏した曲はYOUTUBEに2015年8月投稿の「Youngon3」だ。現在でもこれが代表曲であろう。また同映像から4年経っていることと、ひとりでドラムスやギターを演奏することもあって、もっとワイルドな感じであった。2曲目は題名不明で、アレックスは歌いながら、パソコンに記憶させている主に打楽器のサンプリング音源の数種類をループさせながら重ねたり止めたりした。最初の曲と同様、ゆったりとしたテンポで、その10数分の演奏はアルヴィン・カランの『磁場庭園』の最初とそっくりで、筆者好みであった。2曲が終わった直後、PA係に「後何分演奏出来る?」と訊き、「10分」と返事があった。そうして始められた曲は最初の2曲とよく似た宇宙的な広がりを感じさせる雰囲気で、パソコンからのループ音は弦楽器風でかなり騒々しかった。4曲目はエレキ・ギターを奏でながら歌い、パソコンからの音はわずかで、リズム音であった。同じ曲かどうかわからないが、YOUTUBEではアコースティック・ギターを弾きながら歌う「FENCHURCH」があって、同曲を多くの音で彩った様子を思えばよい。彼は自分の音楽を「Strange Loop Music」と呼んでいて、パソコンを使ったループ音に関心を寄せていることがわかる。当夜は4曲で30分の演奏で、パソコンによる伴奏を使わなければどれも同じ曲に聞こえたはずだ。となれば基本はギターを弾きながら歌うシンガーソングライターと言ってよさそうだが、アコースティック・ギターを持って日本にやって来るのは面倒だ。それにYOUTUBEには数人編成のバンドの演奏もあって、そこではエレキ・ギターとヴォーカルを担当していて、ひとりで多くの音を奏でたいのであろう。ギターは他の出演者から借りたもので、ドラムスもベアーズに備えつけのものであるから、パソコンだけを持って来たか、あるいはそれもレンタルすればよく、伴奏を入れたUSBだけ持参すればいいかもしれない。WIKIPEDIAによれば、FENCHURCHはロンドンの通りの名前で、それに因んだダグラス・アダムスによるモンティ・パイソン風の小説3部作『銀河ヒッチハイク・ガイド』の続編に登場する人物の名前でもある。アレックスが来日したのは、ボロボロのシャツからしてヒッチハイク目的もあったことを思わせるが、彼が製作した映像作品『ENTOURAGE』(「お供」、「連れ」の意味。副題は「現代のおとぎ話、二流の」)がYOUTUBEにあって、そこでは盆栽が登場し、日本に関心のあることがわかる。これらのYOUTUBEの動画は4年前のもので、当夜のアレックスはやはり4歳老けて見えた。それにやや肥満気味になっていて、この4年の作家活動が停滞気味であったことを想像させるが、来日は充電のつもりか。
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 『ENTOURAGE』は音楽もアレックスが担当し、本人もチョイ役で出ている。ブラックな笑いをうまくまとめていて、色彩感覚にも優れ、映画監督の才能を充分にうかがわせる。ところで、YOUTUBEに彼の曲「God Exists Performance」があって、同曲の舞台背後の映像もアレックスの製作であろうが、これがなかなかよい。女性ヴォーカルは明日取り上げるCosmic Cazだと思うが、「神は存在する」という題名は日本のミュージシャンにはない重さがある。アレックスのキリスト教への思いが込められているのだろうが、残念ながら歌詞がわからない。ただし、映像作品『ENTOURAGE』はひとつのヒントを与える。それは孤独な若者がネットの宣伝を見て、孤独を癒してくれる随伴者との出会いを描くが、あくまでも「随伴者」であって「友人」ではない。これは日本でも流行っている出会い系サイトを思えばよい。金銭を介したドライな関係だ。気の弱い青年マッティは孤独から脱するために申し込むと、同世代のサングラスをかけた数人の青年が現われ、マッティは早速彼らを随伴者として街中を歩く。すると普段は自分を威嚇する不良を退散させる力が備わっているが、これは傍から見ればただの不良仲間に加わって空威張りしているだけのことだ。マッティはそれに気づき、彼らから離れようとするが、街中ではどこへ行っても逃れられず、森へ一目散に走る。だが、そこでもまた捕まり、最初と同じように「お前はもう二度と孤独ではない」と執拗に言われる。落ちは、マッティはすっかり彼らの仲間になって新たな申し込み者を訪問する場面だ。彼らをサングラスの集団として描くところにアレックスの意図が見え、この作品は宗教やいかがわしい洗脳団体への勧誘を意味しているだろう。別に興味深い点は、いかにもイギリスらしい彼らのファッション・センスと色合いのよい街並みで、双方が見事に合っている。それは日本が世界のいかに僻地で、野暮ったい雑然性であるかを思わせる。日本でいくらロックを演奏しても、それはイギリスにもアメリカにもかなうはずがなく、格好よくもなれない。そのことを自覚しつつ日本らしさに徹するしか、彼らは認めないだろう。その日本らしさは各人によって思いが違い、雑然性こそが美点と思う人もあるが、ヨーロッパの街を訪れると日本のそれがあまりにも美的感覚のないものに見える。ともかく、日本にキリスト教臭がないところを歓迎する欧米人はいるはずで、彼らは日本でキリスト教とは別の神秘さを探すだろう。アレックスが来日したのはそういう思いもある気がする。イギリスにおけるキリスト教への呪詛は百年前のD.H.ロレンスにあったが、それは今なお続いている。アレックスが来日して日本の新たな友人を得たかどうかは知らないが、才能豊かな彼であるので、旺盛な活動をYOUTUBEで見たいものだ。
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by uuuzen | 2019-07-01 23:59 | ●ライヴハウス瞥見記♪
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時々ドキドキよき予告

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